東日本大震災「宮城県沿岸部における被災地アンケート」調査結果について
2011.05.09 13:00
株式会社サーベイリサーチセンター(仙台市内に拠点事務所を持つ民間調査機関、本社:東京都荒川区、代表取締役:藤澤 士朗)などは、東京経済大学コミュニケーション学部 吉井 博明教授(中央防災会議・専門調査会委員)の監修の下、2011年3月11日に発生した、東日本大震災に関する自主調査として、避難所における被災者への個別面接調査を実施しました。
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調査結果概要1
■調査の概要
・調査地域:宮城県沿岸部(8市町18避難所)
(南三陸町、女川町、石巻市、多賀城市、仙台市若林区、名取市、亘理町、山元町)
・調査対象:避難所に避難中の20歳以上男女
・調査方法:質問紙を用いた調査員による個別面接調査法
・調査内容:地震発生時の状況/避難行動/必要な情報/必要な支援/生活再建について など
・有効回答:451サンプル
・調査期間:2011年4月15日(金)~4月17日(日)
・詳細報告:2011年5月20日(金)予定
■「宮城県沿岸部における被災地アンケート」の調査結果の概要
※図中のNは回答者数を示します。
※小数点を省略しているため、合計しても100%にならないことがあります。
※複数回答ができる設問では、回答比率が100%を超えます。
※無回答の値の記載は省略しています。
▼地震直後の津波来襲の確信度・津波到達までの時間的余裕の見通し・危険予想
詳細グラフ: http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/1_1.jpg
・地震直後に「津波が必ず来ると思った」人は約3割。南三陸町では6割以上がそう思ったのに対し、山元町では15%。「津波のことはほとんど考えなかった」との回答が半数近くとなっている。
・津波が到達するまでの時間的余裕では、南三陸町では約半数が「すぐ逃げないと間に合わない」と考え、名取市でも約3割の人がそう考えていたが、その他の地域では、「かなり余裕があると思った」あるいは「来るとは思わなかった」と考えていた人が半数以上となっている。
・留まった場合の危険への認識は、多賀城市と石巻市が、他の地域に比べ低い結果となっている。
▼大津波警報の認知
詳細グラフ(左上): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/2_2.jpg
・地震後の大津波警報について、「聞かなかった」が全体の4割以上となっている。特に、名取市、多賀城市、山元町に多く、反対に南三陸町では「聞いた」が9割近くとなっている。
▼津波からの避難場所の変更
詳細グラフ(中段): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/2_2.jpg
・今回の津波による避難において、最初に避難した場所から別の場所に移動した割合は約6割となっている。
・当初の避難先を変更した理由は様々である。選択肢以外(その他)への回答も多く、実際に津波に巻き込まれてしまったため、すでに避難場所に大勢の人がいたため、家族のいるところへ合流するため、孤立して救助されたためなどの回答があった。また、誘導や指示による他律的な移動も多い。
・避難場所を変更した結果、最初の避難場所がどうなったかについては、「最初の避難場所は津波の被害にあっていた」との回答が5割以上となっている。
・本調査の避難者のうち、実際に津波に巻き込まれたかあるいは巻き込まれる寸前だった人は全体の約3割。
▼津波に関する伝承
詳細グラフ(右上): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/3_3.jpg
・津波に関する伝承については、日頃「聞いたことがあり役に立った」との回答が全体の25%あるが、南三陸町では76%と顕著な結果が出ている。反対に、「聞いたことはあるが、役に立たなかった」や「聞いたことがなかった」との回答は、砂浜地域に特に多い傾向がみられる。
▼必要な情報
詳細グラフ(下段): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/3_3.jpg
・地震発生から数日間で、最も知りたかった情報は、「家族や知人の安否について」が7割近くと最も多く、次いで「地震や津波の被害状況について」が約5割。
・現時点については、「仮設住宅の入居時期」が約7割と最も多い。
・生活上の不安や問題を解消するような情報提供が充分かどうかについては、「あまり提供されていない」が42%と最も多く、「まったく提供されていない」を合わせると約6割の人が情報提供が不足していると回答している。
▼震災に関する報道の問題点
詳細グラフ(右上): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/4_4.jpg
・約半数が「報道に取り上げられる場所とそうでない場所がある」と回答している。
▼ボランティアに望む支援
詳細グラフ(中段左): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/4_4.jpg
・「自宅や周辺のがれきなどの片づけ」(34%)、「物資の運搬や食事などの支援」(29%)、「怪我や病気の手当・診察」(18%)、「炊事・洗濯・清掃など身の回りの手伝い」(17%)、「特にない」(28%)などがあげられている。
▼行政に望む支援
詳細グラフ(中段右): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/4_4.jpg
・「スムーズな仮設住宅の設置と入居」(76%)が最も多く、次いで「家屋や車など資産の再建への補助や貸付」(63%)、「ライフラインの復旧」(49%)などとなっている。これらの要望は若年層により高くなっており、40~50代では「地域における雇用の創出」も36%と他の年代に比べ高くなっている。
▼今後の居住について
詳細グラフ(下段): http://www.atpress.ne.jp/releases/20236/4_4.jpg
・何らかの対策をして地域内での居住を考えている人が半数以上で、「元の場所で津波対策をして再建したい」などの回答が多い。一方、「別の安全な地域に移り住みたい」との回答も約3割ある。また、これらは地域別に差がみられ、「別の安全な地域に移り住みたい」との意向は、砂浜地域とりわけ仙台市若林区や名取市で高くなっている。
■会社概要
商号 : 株式会社サーベイリサーチセンター
所在地 : 〒116-8581 東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号
設立 : 1975(昭和50)年2月
資本金 : 6,000万円
年商 : 61億円(2010年度)
代表者 : 代表取締役 藤澤 士朗
社員数 : 社員数184名 契約社員数152名
顧問 : 竹内郁郎(東京大学名誉教授)
取得認証: ISO9001認証取得
ISO20252認証取得
登録資格: プライバシーマーク(12390008(06))
国土交通省登録資格 建設コンサルタント
取引銀行: 三井住友銀行、百十四銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、商工組合中央金庫
所属団体: 財団法人日本世論調査協会
社団法人日本マーケティング・リサーチ協会
社団法人日本マーケティング協会
社団法人交通工学研究会
日本災害情報学会
日本災害復興学会
ESOMAR(ヨーロッパ世論・市場調査協会) 他
URL : http://www.surece.co.jp
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