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世界初、打ち放しコンクリートに“100年前のポスター”の写真転写に成功  東京国立近代美術館フィルムセンター分館に映画ポスターを転写

2011.06.08 15:30

コンクリート下地処理の株式会社アクア(本社:東京都江東区青海、社長:新庄 謙)はこのたび、打ち放しコンクリート面に写真を転写することに成功したと発表した(=写真 http://www.atpress.ne.jp/releases/20318/1_1.jpg )。あらかじめ工場で製作した写真転写コンクリートを組み立てる例は欧米にもあるが、現場施工のコンクリート面への写真転写は、世界で初めてという。安井建築設計事務所の企画と前田建設工業の協力により、東京国立近代美術館フィルムセンター分館(神奈川県相模原市)の新設収蔵庫に転写された。


世界初、打ち放しコンクリート自体に転写

同社は一昨年、コンクリートへの写真転写の基本技術『フォトクリート(R)』を日本で初めて開発したが、現場施工の工法確立が課題となっていた。このたびの成功は実用化への大きな一歩となる。これで、建造物にタイルや吹き付け塗装という副次的な素材を用いることなく、コンクリート面に直接写真やデザインを転写できることになり、あたらしい外壁仕上げ材が望まれている建築業界に、新たな風を巻き起こしそうだ。

■転写の舞台は、東京国立近代美術館フィルムセンター相模原写真転写分館

国立美術館・東京国立近代美術館が発注したフィルムセンターの収蔵庫に転写したのは、約100年前の女優(栗島すみ子)と男優(尾上松之助)の往時のポスター2枚で、完成した転写コンクリートは約2m×3m。日本映画のフィルムや台本そしてカメラなど歴史に残る資料を収蔵する同館にとってこのフィルム収蔵庫は、「数百年先まで映画フィルムが保存されることを願った壮大な構想の建築物で、世界的にも例を見ない規模のもの」(東京国立近代美術館フィルムセンター事務室長:西田 佳二氏)という。また、安井建築設計東京事務所:棈木 賢一(読み:アベキ ケンイチ)氏は「コンクリートに永遠に刻み込む写真転写コンクリートは、このような収蔵庫にふさわしいモニュメント」と、その企画意図を説明する。

■写真をドットで表現し、コンクリート面にエッジングで転写

写真転写コンクリートは、写真をドットに変換しコンクリート面にそのままそっくりエッジングすることで転写させるもの。このたびの製作依頼にあたって提供された映画ポスターの原画は、保存用ポジフィルム。この小さなフィルムからフォトクリートを製作するには、「写真転写コンクリートとして、いかにインパクトのある写真加工ができるかがカギとなる」(新庄社長)という。コンクリートへの写真の転写技術は、提供された写真の加工技術、エッジング用の特殊インクを用いた印刷技術、そしてコンクリートの打設技術等が融合して初めて成りたつ集合技術。今回のコンクリート打設においては、コンクリートの組成に工夫をこらした。その結果、提供されたポジフィルム写真は、打ち放しコンクリート面に見事にエッジングされ、転写された。

■タイルや塗装と同じような外壁仕上げ材としての需要を期待

「今回のポスターのような1点ものとしての用途だけでなく、木葉模様や杉板木目模様(=写真 http://www.atpress.ne.jp/releases/20318/2_2.jpg )等をコンクリートに転写するなどして、写真転写コンクリートをタイルや塗装と同じような外壁の仕上材としても使用してほしい。コンクリート外壁全体に自在な模様を描くこともできるので、自由な設計に貢献できる」(新庄社長)と意欲を示す。アクアでは、公共建造物、事務所ビル、マンション等の需要を見込んでいる。また、個人邸やショールーム、ヘアーサロン、ブティック、カフェ等のコンクリート壁にオーダーメイドの写真を転写したり、ポートレートのような置物とした使い方も提案していくという。また高速道路の橋脚などへの意匠としても適応できるとしている。

(※)東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館:神奈川県相模原市中央区高根3-1-4

日本で唯一の国立映画機関であり、国立近代美術館の映画部門として開設された。昭和45年にフィルムセンターとして発足する。4万本以上の映画フィルムのほか、スチル写真・ポスター・脚本・書籍など多数の映画関連資料を所蔵している。様々なテーマの特集上映も企画している。
http://www.momat.go.jp/fc.html


【会社概要】
名称  : 株式会社アクア
本社住所: 東京都江東区青海2-7-4 The SOHO 816
設立  : 平成4年5月
資本金 : 1,000万円
従業員数: 15名
代表者 : 新庄 謙
TEL   : 03-3527-7955
URL   : http://www.k4.dion.ne.jp/~aqua.s/

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