林テレンプ、産業技術総合研究所と共同で様々なモビリティの窓ガ...

林テレンプ、産業技術総合研究所と共同で 様々なモビリティの窓ガラスに応用可能「調光デバイス」を開発  価格目標は従来品の3分の1 2021年の製品化目指す

 自動車内装部品の総合メーカーの林テレンプ株式会社(名古屋市中区、代表取締役社長:林 貴夫)は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)(茨城県つくば市、理事長:中鉢 良治)と共同で、様々なモビリティの窓ガラスやサンバイザー等に応用できる、調光デバイスを開発いたしました。

調光デバイスとは、電圧をかけることで光の透過率を変化させるもので、旅客機や自動車の窓ガラスなどに使用されています。

 本技術は、同じ方式を採用するデバイスの製造工程で必要な真空装置等の大規模設備を必要とせず、特殊なインクを塗布するだけで成膜できるので、製造工程の大幅な高速化やコスト減を実現するほか、性能や耐久性も向上しています。


 この技術は、「nano tech 2020」(2020年1月29~31日・東京ビッグサイト)産総研ブースで展示されます。


調光デバイスの可視光透過率比較


厚さ約100μmのフィルム状も可能



■“直流”の低電圧で使用可能 電源を切っても調光状態を維持する“メモリー機能”で省エネに貢献

 本デバイスに採用したエレクトロクロミック方式(EC方式)は、バッテリーと同じく、直流電源で使用できます。

 すでに車載向けに実績のある高分子分散液晶方式(PDLC方式)と比べ、インバーターで交流に変換する必要がなく、電磁波が発生しにくいため、車内の様々な電子機器へ影響を与えにくいメリットがあります。

 また、エンジンを切った状態でもバッテリー電力を消費せずに、同じ光の透過率を維持します。駐車時も遮光できるので、車内の温度上昇を抑え、エアコンの電力消費を抑えることができます。


断面図イメージ

 ロール状に連続して成膜も可能。今後フィルムでの製品化や、建材向けも計画中です。



■製造高速化とコストダウンを両立 大規模装置を使用せず、塗布するだけで成膜

 本製品と同様のEC方式の調光デバイスの製造には、調光層の成膜時に、材料を真空状態で蒸発、定着させる「蒸着」や「スパッタリング」というプロセスを経るのが一般的です。この場合、成膜工程にかかる時間が長い上、設備が大規模になることが課題でした。


 対して、本技術は2種の調光材料を特殊なインク状にして、塗布装置(スリットコーター)で塗るだけで成膜できるので、従来の10分の1の時間で完了します。真空装置などの大型設備が必要なく、高速化により量産対応できるため、大幅なコストダウンが見込めます。


 また性能面でも、従来液体だった電解質を固体にするなど改良を加えた結果、耐久性や透過率の変化速度を実用化レベルに押し上げることに成功しています。



■販売価格「従来製品の3分の1」を目標に 2021年の製品化を目指す

 当社は、2021年をめどに、従来製品の3分の1程度の価格で製品化を目指し開発を進めています。

 大幅に販売価格が抑えられることから、低~中価格帯車両への普及を見込んでいます。現在のメインマーケットである欧米はもちろん、今後需要が拡大する中国、タイ、インドといったアジア地域での販売も視野に入れるほか、電力の省エネ性能が強く求められる電気自動車向けにも供給していく予定です。



《参考資料》 ~林テレンプについて~

 当社は、今年創業110年を迎える自動車内装の総合部品メーカーです。独立系サプライヤーとして、国内大手自動車メーカーすべてと取引があり、主力製品であるフロアカーペットは、年間1,000万台以上を生産し、世界トップクラスのシェアを誇ります。

 また2018年に欧米や中国メーカーのEV用防音材で多数の実績を持つ独「Adler Pelzer Group」と新エネルギー車向け研究開発会社“NEVHA(ニーヴァ)”を設立するなど、CASE関連の事業を強化しています。



【会社概要】

会社名 : 林テレンプ株式会社

資本金 : 10億円

所在地 : 名古屋市中区上前津1-4-5

従業員数: 連結 約4,000人(2019年3月)

代表者 : 代表取締役社長 林 貴夫

売上高 : 連結 2,640億円(2019年3月)

拠点数 : 国内:16、海外:23

電話番号: 052-322-2121(代表)

事業内容: 自動車内装部品の開発、製造、販売

プレスリリース添付資料

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