味噌などの原材料として人気の高い山梨県身延町の「曙大豆」、後...

味噌などの原材料として人気の高い 山梨県身延町の「曙大豆」、後継者不足で絶滅危機に ~役場の支援で若手農業者の増加に追い風~

 過疎化が進む山間部の集落・身延町曙地区(山梨県南巨摩郡)に古くから伝わり、味噌や豆腐などの原材料として人気の曙大豆は、高齢化により農家が激減する同地区で、種子を生産できる農家が2軒しかなく、いずれも高齢者であるため絶滅が危ぶまれています。6月中旬の種まきの時期を前に、新たな後継者が現れ、曙大豆の未来を担う若手農業者として周囲からの期待が高まっています。

■絶滅の危機にある曙大豆について
 曙大豆は、豆を縦に10個並べると6寸(約18cm)あることから、地元では「十六寸(とおろくすん)」とも呼ばれるほど粒が大きく、風味がよいのが特徴です。生産量が少ないため「幻の大豆」とも言われています。
 粒が大きく育つのは、標高660mに位置する同地区の昼と夜の寒暖差と、小石が多く、痩せた土壌に要因があると考えられています。そのため曙地区以外の土地で栽培しても、本来のサイズと味を保つことは難しく、種子の生産は曙地区に限られています。
 しかし、高齢化により農家が激減する同地区では、種子を生産できる農家は、現在たった2軒しかなく、いずれも80歳近い高齢者であるため、絶滅が危ぶまれています。


■若手後継者が名乗り
 こうした中、曙大豆の種子を生産する農家Aさん(77)の長男Bさん(44)が今年3月、勤務先の金融機関を退職し、Aさんの後継者として名乗りを上げました。「先祖が石を拾い、草を取りながら守ってきた土地と曙大豆を次世代に残していきたい」という思いから今年5月から農業大学校(北杜市)に通っています。曙大豆の未来を担う若手農業者として周囲からの期待が高まりますが、Bさんは農作業の経験はほとんどなく、まさにゼロからの出発です。


■厳しい環境の中で栽培
 山を開墾して作られた曙地区の畑のほとんどは狭く、凹凸のある傾斜地です。斜面の下方に流されてしまう土をくわで戻し、小石を拾いながら、先祖代々、守ってきた。曙大豆の栽培は、12月~2月の「いばりおこし」と呼ばれる、土を掘り返して内部まで冬の冷たい風を通し、害虫を駆除する作業から始まります。種まきは6月中旬。枝豆の収穫は10月半ば、大豆の収穫は12月ごろです。曙大豆の種子となる大豆は、曙地区で収穫された豆の中でも粒が大きく、良質なものを厳選しています。その量は全体の収穫量の3割程度です。
 野鳥、サル、シカ、イノシシなどが頻繁に畑を荒らすため、野生動物から大豆を守ることが一番の苦労。特に種まき後、ハトが芽を出したばかりの豆を食べてしまうため、残った豆を一つひとつ手で植え換える作業が最も労を要します。


■町を代表する特産品としての曙大豆
 長い間、曙地区で細々と栽培されていましたが、昭和40年代に町おこしの一環として町内各地で作られるようになり、町を代表する特産品になりました。特に曙大豆を使った味噌や豆腐などの加工品は全国的に知られ、人気を集めています。
 新豆が出るのは2月ですが、JAなかとみ直売所では通年、曙大豆を販売しています。また、曙大豆を使った木綿豆腐、味噌、きな粉、ようかん、コロッケなど加工品も販売。直売所併設のレストランで味わうことができます。
 このほか、JAふじかわでは「枝豆オーナー制」を実施し、毎年10月に収穫体験を行っています。また身延町商工会でも枝豆収穫体験を実施。どちらも大勢の人でにぎわいます。


▼身延町ホームページ
http://www.town.minobu.lg.jp/

▼楽天×身延町ブログ「身延Life」
http://plaza.rakuten.co.jp/machi19minobu

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