Fracta、AI技術を活用した水道管路の劣化状態を診断する オンラインツールを水道事業体に対して提供開始
~水道インフラにおける効率化・最適化を目指すデジタルイノベーション~
シリコンバレー発のAI/機械学習技術を駆使した水道インフラのイノベイティブ企業であるFracta(フラクタ、本社:米国カリフォルニア州、CEO:加藤 崇)は、水道事業体に対して、AI技術を活用した水道管路の劣化状態を診断するオンラインツール(以下 オンライン管路診断ツール)の提供を開始します。
Fractaが開発したオンライン管路診断ツールは、水道管路に関するデータ(配管素材・使用年数、過去の漏水履歴等)と、独自に収集した1,000以上の膨大な環境変数を含むデータベース(土壌・気候・人口等)を組み合わせて、各水道配管の破損確率を高精度に解析します。破損確率の高い水道配管から更新を行うことで管路整備におけるメンテナンスコストの最適化を実現すると共に、配管の破損・漏水事故を最小限に抑えることが可能となります。現在、オンライン管路診断ツールを米国27州にわたる60以上の水道事業体に提供し、高評価を得ています。
当該AI技術の日本における有効性を6つの水道事業体*1にて2019年に検証しました。3つの水道事業体(川崎市、神戸市、越谷・松伏水道企業団)では検証を完了し、米国で実用化しているオンライン管路診断ツールと同等の有効性が確認されたため、Fractaは今春より水道事業体に向けて当ツールの提供を開始します。今後、神奈川県等の他水道事業体における検証が完了次第、検証によって得られた水道管の劣化パターンを当該AI技術に学習させることで、予測精度の向上を図ります。
Fractaは全国の膨大な環境変数を収集し、独自のアルゴリズムを構築しています。そのため、水道事業体が一般的に保有する5種類の水道管データ*2をアルゴリズムに取り込むだけで、一本一本の水道管の劣化状態の高精度な予測が可能となります。多くの水道事業体は、主に水道管の設置年数に基づいて水道配管の更新を行っており、配管周囲の環境が与える劣化への影響を十分に考慮ができないのが現状です。当ツールにより、水道事業体は水道配管の破損確率を高精度に把握・分析できるため、水道配管の交換における優先順位が明確となり、更新計画の最適化へと導きます。
近年、水道管の老朽化や災害発生により漏水・破損事故が各地で発生したため、水道インフラに関する課題が顕在化する傾向にあり、各水道事業体は対応に追われています。Fractaは独自のオンライン管路診断ツールを2022年までに100超の水道事業体への提供を目指し、持続可能な水道事業の運営を支援します。
*1 6つの水道事業体とは、神奈川県企業庁、川崎市上下水道局、神戸市水道局、大阪市水道局、越谷・松伏水道企業団(埼玉県越谷市及び北葛飾郡松伏町)、未公表の1事業体のことをさす。
*2 水道事業体がFractaに提供する5種類の水道管データとは、水道管の位置情報、材質、口径、設置年月、破損履歴(日時や場所)のことをさす。
■Fractaのオンライン管路診断ツールについて https://www.fracta-jp.com/ (日) https://fracta.ai/ (英)
Fractaは2015年に創業したシリコンバレーのベンチャー企業。米国では老朽化した水道管の破損・漏水事故が深刻な社会問題となっているが、当ツールにより水道管の更新費用を試算上30~40%の削減を可能にした。現在、全米50州の内27州における60以上の水道事業者に提供。
■世界が注目する起業家、FractaのCEO 加藤 崇 プロフィール
早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。元スタンフォード大学客員研究員。東北大学特任教授(客員)。旧東京三菱銀行などを経て、ヒト型ロボットを開発するSCHAFTの共同創業者兼最高財務責任者(CFO)。2013年11月、同社をGoogleに売却して世界に注目された。2015年にFractaをシリコンバレーで創業、CEOに就任。2018年5月、株式の過半を栗田工業に売却、現在も同職。画像は加藤が経営する渋谷のカフェ「メンローパーク・コーヒー」にて撮影。
<本事業に関わるお問合せ先>
Mail: contact@fracta-jp.com
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