どうする!?導入が進むテレワークでのコミュニケーション問題 「WEB会議での困りごと」チェックリストと解決のためのコツ
~WEB会議リテラシーと、「対話の質」がポイント~
2020.03.30 11:00
株式会社スコラ・コンサルト(本社:東京都品川区、代表取締役:辰巳 和正)は、今年に入って導入が進むテレワークなどにおいて、機会が増えてきた「WEB会議」の課題を解決するコツを本ニュースレターでご紹介します。当社が、「ビジネスにおける本音の対話」をコンセプトにした「オフサイトミーティング(R)」を、1,000社以上累計15万回を超えてコーディネートした経験をもとにまとめ、発表いたします。
◆導入が進むテレワーク、WEB会議などでのコミュニケーションに課題感
本年に入り、テレワーク推進、また、昨今の新型コロナウイルスの影響を受けて、急遽テレワークを試行、コミュニケーションにおいてはWEB会議を実施しなければならない企業が増加傾向にあると思われます。
しかし、現在、WEB会議においては、「相手の真意が読み取りづらい」「仕事の依頼が正しく理解できず、手戻りが多くなった」「オフィスで、対面で話せばすぐ解決する大切なことの共有をはじめ、ちょっとした確認や意思疎通にも手間がかかる」「会議というよりも一対一の問答のような雰囲気になるのが困る」といった点が挙げられます(当社調べ、協力:ミルトーク)。仕事において不可欠な、相談や背景情報を伴う双方向の共有、課題解決のための複数人での知恵だしとなると、WEB会議にはまだ難しい面もあるようです。
何より、デジタル上で会うという環境下で、どれだけ生産性の高い仕事を導くようなコミュニケーションが取れるのかが試されているのではないでしょうか。
◆WEB会議での困りごとは?チェックリスト
そのためには、まず、現状がどうなっているのか、という把握が重要です。そこで、「どこまでWEB会議で生産的なコミュニケーションが実行できているのか」という把握のために、現状を簡単に把握できるチェックリストを考案しました。
チェックリスト
◆「WEB会議での困りごと」チェック方法
上記のチェックリストは、チームなどいつも会議を行うメンバーでチェックをします。「WEB会議で強く感じる」にチェックが多い場合は、実施する前にWEB会議の特性を理解し、話しやすくする方法や対話の質を上げることを意識する必要があります。次のページの対策をしてみましょう。そして、「通常の会議で感じる」にチェックが多い場合は、WEB会議にとどまらない課題といえます。WEB会議への対策とあわせて、日ごろの対話を見直す機会にもなります。
なお、WEB会議の課題は、環境を整え、使用するツールの機能をしっかりと理解して共有することができれば防げる項目も多くありますので、以下にご参考として記載します。「環境やリテラシーの問題なのか」「対話、コミュニケーションの問題なのか」を見極めることも大切です。
参考
◆対策の前に理解しておきたい、WEB会議特有の性質
チェックリストのような困りごとが起きてしまう背景は大きく2つに集約できます。1つめは、役割・立場の壁がいつも以上に高くなり、フラットな話が難しくなること。そもそもフラットな仲間との対話であれば問題はあまり顕在化しませんが、日ごろから上司部下の壁や部署間の壁がはっきりしている会社では、WEB会議がその壁を強化してしまう傾向にあります。たとえば上司部下の壁がはっきりしている場合は、WEB上だと「1.普段の序列、2.場の同調圧力、3.会議の結論に対しての予定調和感」が強まる、いわば「影に潜む3つの敵」が顕在化しやすいのです。
2つめは、定型的な仕事や会社からの指示など、固定化された情報の伝達は容易ですが、複数人で話し合いをする際に、その情報に紐づく感情情報(肯定的・否定的、納得度、共感度など)や背景情報(なぜ、それが必要かなど)の交換が比較的難しい傾向となること。また、その情報をブラッシュアップする知恵の創発といった、創造的なコミュニケーションも比較的難しいのではないでしょうか。
対話の4象限とWEB会議の特徴
特に、今回、初めてWEB会議を活用する人が多いような会社や、上下間や部署間の壁が日ごろから強い会社は、WEB会議の導入の影響が大きくなる傾向があると分析しています。
生産的・創造的な会議での対話と、WEB会議での特徴を整理したものが上記の図です。
チェックリスト項目(1)から(5)は、上記の図で「双方向」の領域に、(6)から(10)は、「未知」の領域に属します。(1)~(10)に対策を取り、問題がない状態に近づけていくことで、創造的で、真の生産的な対話が生まれやすくなります。
経営者やマネージャー層においても、こうした背景をしっかりと理解し、対応を社員まかせにせず、組織をあげてWEB会議の質を高めていくことで、事業の生産性を高めていくことにもつながるのではないでしょうか。
◆対策の最大のコツは「対話の質」!「最初にやること」「話しやすくする」も
上記の困りごとに対し、明日からできる対策のコツをご紹介します。放置せず、その対策を早期に打つことが重要となります。
根本的に重要なことは、組織全体としてWEB会議に関する対話の能力を上げることです。会議の進行やファシリテーションにコツがあるように、WEB会議にも固有のコツやクセがあります。こうした認識を、できれば全員の共通のものとしたいですが、まずはその場を運営する人が、WEB会議のメリット・デメリットやその対策のコツを理解しているだけでも質が変わってきます。
生産的な議論となるよう、出来る限り、話しやすい雰囲気や環境、仕掛けを大切にし、社内のWEB会議の力を高めておく。そうすることで、リスク対策や働き方改革として「仕方なくWEB」を使うのではなく、もしかしたら、WEBでも対面での対話と同等の創造的な話し合いができる可能性があります。
対策の最大のコツは、「対話の質」を理解し、上げていくこと。そして、「最初にやること」「話しやすくすること」も有効です。
秘訣
コツ(1)
コツ(2)
現在の新型コロナウイルスの状況がひと段落しても、以前から叫ばれている「ダイバーシティ対応」などにテレワークやWEB会議の活用は避けて通れません。そうであれば、その流れに早めに適応することが組織の生産性維持・向上のカギとなるでしょう。
<会社概要>
社名 : 株式会社スコラ・コンサルト
本社 : 東京都品川区東五反田5-25-19 東京デザインセンター6F
代表者 : 代表取締役 辰巳 和正
設立 : 1986年1月
資本金 : 4,000万円
事業内容 : プロセスデザインによる企業風土改革コンサルティング
人員数 : プロセスデザイナー35名、スタッフ10名(2018年12月現在)
決算期 : 12月
売上 : 6億2,500万円(2018年12月期)
事業所 : 大阪ブランチ
大阪府大阪市西区江戸堀1-10-2 肥後橋ニッタイビル9階
ホームページ: http://www.scholar.co.jp/