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先が見えなくて苦しい? そんなときこそ「名言」の力で心を支えよう

齋藤孝さんの視点が目からウロコ!

2020.04.17 12:00

政府による緊急事態宣言が出され、いつ収束するかもわからない非日常に突入しています。
自粛要請が出され、多くの施設や飲食店が休業を余儀なくし、人との距離にも注意しなければならない。
先の見えない今に不安を感じ、心が苦しくなっている人もいるでしょう。
そんなときに寄り添い、雪崩のように心が崩壊するのを防いでくれるのは「言葉」です。

名言に新しい価値を与える齋藤孝さんの視点

日本語の第一人者として知られる明治大学教授・齋藤孝さんの著作『100年後まで残したい 日本人のすごい名言』では、古今の日本人が残した名言を選出し、言葉の意味や「使い方」を解説しています。
名言の数を30個に絞り、その分ひとつひとつにページを割くことで、言葉の歴史的背景まで含めて丁寧に解説しているのですが、とりわけ注目したいのが齋藤孝さんの「視点」です。
たとえば、バカボンのパパの名言「これでいいのだ」は、「断定し、肯定し、行動を加速していく言葉」だと説きます。
「その場その場の状況における自分の態度を明確にし『これでいいのだ』『これでいいのだ』と行動を加速していくすごさ」だと。

そんな名言のいくつかを、齋藤孝さんの視点とともに、同書から抜粋して紹介します。

バカボンのパパの「これでいいのだ」は 断定し、肯定し、行動を加速していく言葉だった!

「『〜なのだ』という断言は、自分の態度やポジショニングを明確にします・責任も生じる。だから多くの人は『〜であると思われる』『〜とも言えるかもしれない』『〜みたいな』などと言って逃げ道を用意したくなるものです。ところが、バカボンのパパはいつも断言する。腹が据わっているのです。その場その場の状況における自分の態度を明確にし『これでいいのだ』『これでいいのだ』と行動を加速していくすごさ。こんなに断定し、肯定し、突き進む日本人がほかにいるでしょうか」

水木しげるの「怠け者になりなさい」は 大きな仕事を成し遂げるための言葉だった!

「後世まで名を残すような、大きな仕事をする人の中には『自分は怠け者』だったという人が少なからずいます。言ってみれば、本質的なことに集中するため、どうでもいいことにはエネルギーを使ってこなかったということでしょう。自分の好奇心を優先し、主体的に見つけた課題に対してだけエネルギーを投入していく生き方というのは、一見「不真面目」かもしれません。でも、そうやって大きなエネルギーを一気にそそいで行うから、大きな仕事ができるのです」

茨木のり子の「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」は 人の愚痴に先手を打つ言葉だった!

「この詩には、人の考えそうな愚痴の、だいたいのことが書いてあります。愚痴を言おうとしたら、もう先手を打たれているという感じです。『こんなにハッキリ言うかな』というくらい、厳しいことをズバズバと言ってくれている。『ばかものよ』は、茨木さん自身への喝でしょう。感受性とは、自分で守るものだったのか。やたらと傷つきやすいものだと思っていたけれど、自分で守ればよかったのか。そういう感慨を持った人も多いのではないでしょうか」

金子みすゞの「みんなちがって、みんないい。」は 自分を認める言葉だった!

「『みんなちがって、みんないい。』は、『わたしと小鳥とすずと』の中の一節です。小鳥は飛べるし、鈴はきれいな音を出すことができます。わたしにはそれができないけれど、わたしも、小鳥や鈴にできないことができるとして『みんなちがって、みんないい』と締めくくっています。わたしと小鳥とすず、それぞれに良さがあります。だから、それでいいのです。すべてのものがそのままで素晴らしい存在なのだと認めると、自分のことも認められるようになります」

宮沢賢治の「けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。」は 正しい方向へ自分を導く言葉だった!

「『けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう。』という言葉は、人生の道で少しでも正しい方向へ向かおうとすることを助けてくれます。立ち止まって本当の幸福に照らしてみれば、『こっちの道は間違いだ』と気づくこともあるでしょう。落ち込んでいるときも、『けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう』と自分に問い直してみると『そうか、いまとらわれていた思いは、本当の幸福とは関係ないか』と思えるかもしれません。人生の道を進む伴侶にしたい名言です」
齋藤孝さんの名言解説には、私たちが気付かなかったような視点を提示し、「なるほど」と思わせてくれる力があります。
あるいは、うまく言語化できず、何となくもやもやしていた気持ちに「こういうことなんですよ」と解を与えてくれます。それによって「そうか、だからこんなに心に響くんだ」と雲が晴れたような気持ちにしてくれます。
それがよく知る名言であったとしても、新しい価値を与え、新鮮な気持ちで向き合わせてくれるのです。
それは、あなたの心の支える一生の宝物になるはずです。
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