食品ロス「家庭からが約半分」知らなかった86.9% 捨てがち...

食品ロス「家庭からが約半分」知らなかった86.9%  捨てがちな食品、第1位は「牛乳・乳製品」  冷蔵庫整理が、食品ロス削減の近道に!?

「オレンジページくらし予報」では、国内在住の20歳以上の女性を対象に「食品ロス」について調査しました。食品ロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。国連が提唱する「持続可能な開発目標」(SDGs)にも盛り込まれ、近年、社会的な課題として大きな注目を浴び、日本でも2019年の10月に「食品ロス削減推進法」が施行されています。そこで、「食品ロス」という言葉の認知率や関心、捨てがちな食品やその背景などを調査し、日本の家庭における食品ロスの実態を探りました。


【ダイジェスト】

食品ロス、「家庭からが約半分を占める」知らなかった86.9%

捨てがちな食品、第1位は「牛乳・乳製品」

「冷蔵庫すっきり」派は、食品を捨てる率が24.7%少ない!


食品ロス、「家庭からが約半分を占める」知らなかった86.9%

まず、「食品ロス」という言葉の認知率を確かめたところ、「よく知っていて、言葉の意味も説明できる」46.5%、「ある程度知っている」47.2%。「家庭から出る食品ロスを減らそうと意識しているか」という設問に対しても、「意識している」「どちらかというと意識している」を合わせて、92.8%。日本では、食品を粗末にすることを「もったいない」と戒めてきただけに、食品ロスの認知率も関心も、高いことがうかがえます。

一方、「日本の食品ロスが年間643万トンあり、その約半分は家庭から排出されている」のは、知らなかった人が86.9%。食品ロスといえば、「売れ残った恵方巻やクリスマスケーキが、廃棄されているニュースが印象に残っている」(50代・パート)など、流通や外食産業の問題と思いがちなせいか、家庭からも多くの食品が廃棄されていることは、驚きをもって受け止められたよう。日本の国民1人当たりの食品ロス量は、1日に約139g(茶碗1杯のご飯の量に相当)、年間では約51kgにもなることに対しても、「そんなにたくさんの食品が捨てられているなんて、知らなかった」(60代・専業主婦)といった声が、数多く寄せられました。


捨てがちな食品、第1位は「牛乳、乳製品」! 

食品ロスへの関心が高い一方、消費期限や賞味期限を過ぎた食品を「捨てることがある」のは61.9%。どういった食品を捨てているのかきいてみたところ、今回の調査では「牛乳・乳製品」59.2%がトップに。自由回答を見ると、「グラタン用に買った牛乳を、使いきれずに捨てたりする」(60代・専業主婦)などの声があり、牛乳は賞味期限が短いため、たまにしか買わない人は使いきれないことがあるよう。自治体などが家庭ゴミを分析した調査では、食品ロスとして多いのは「野菜」といわれています。「牛乳」は流しに捨てられてしまい、ゴミとして回収されないため、ゴミそのものを調査分析しても出てこない、ある意味「隠れた」家庭の食品ロスといえるかもしれません。

さらに「捨てがちな食品」の自由回答を「ワードクラウド」(自由回答の内容から、出現頻度の高い言葉を選び、その頻度に応じた大きさで表現するツール)で分析してみると、興味深い実態が浮かび上がりました。まず目立ったのは、「もやし」「きゅうり」といった傷みやすい野菜。「餃子の皮」や「調味料」など、使いきれずに少し残ってしまう食材も挙がっています。また、「おかず」「作り置き」という言葉も並んでおり、「大量の作り置きおかずを、食べきれずに処分することがある」(30代・フルタイム)など、料理の「作りすぎ」が食品ロスの一因になっている実態が明らかになりました。


「冷蔵庫すっきり」派は、食品を捨てる率が24.7%少ない!

 食品ロスにつながる大きな要因として、「買いすぎ」の実態も見えてきました。「食品をつい買いすぎてしまったと思うことがある」と回答した割合は、63.1%。理由として、「安売りしていると、まとめ買いしてしまう」77.6%、「大容量パックなど、お得なほうを買ってしまう」43.0%など、「お得」につられて、必要以上に買ってしまうのではないでしょうか。

さらに、データの分析から、「冷蔵庫」をすっきり整理できているかどうかが、食品ロスの量を左右することが浮き彫りになりました。「傷んだ食品を捨てたことがある」割合は、「冷蔵庫を整理していない」派70.6%なのに対し、「冷蔵庫を整理している」派45.9%と、24.9%も少ないことが分かりました。また、「冷蔵庫を整理していない」派は、「つい買いすぎてしまう」率が12.3%高いという結果も。冷蔵庫がごちゃごちゃしていると、中身が把握しにくいために、「チルド室の奥から、忘れていた賞味期限切れのハムやベーコンが見つかったりする」(50代・パート)といった、傷んだ食品が見つかることも。わが家の食品ロスを減らそうと思ったら、「まずは冷蔵庫をすっきり整理する」ことが近道かもしれません。

 

食品ロスは、国連で採択された「SDGs」(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)にも盛り込まれている、国際的な社会課題のひとつです。日本でも、2030年までに食品ロスの半減を目指しています。そのためには、ひとりひとりが、自分にできることを考え、実行していくことが大切。冷蔵庫をチェックして余分な食品を買わない、おかずを作りすぎない、週に1回は食品を使いきる料理を作るなど、小さな目標を実行することを始めたいものです。


アンケート概要

●調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性(有効回答数1081人)

●調査方法:インターネット調査

●調査期間:2020年3月3日~8日


●「オレンジページくらし予報」について

読者モニター「オレンジページメンバーズ」には、さまざまなくらし情報・くらし体験によってはぐくまれた“くらしの目利き”たちが数多く所属しています。そんなメンバーたちの声を集めて<次のくらし>を読み解いていくのが「オレンジページくらし予報」です。WEB上でのアンケート調査、座談会など、ご相談に応じて展開いたします。


●『オレンジページ』について

失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊35周年を迎える生活情報誌。30~40代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=318,679部(2019年印刷証明付発行部数)。


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