『コロナ自粛による生活者意識の変化』に関する調査を発表! withコロナ時代に緊密さ増す「心の距離」に注目
●2人に1人が増えた「家族の会話」、4人に1人は「故人への語りかけ」も ●今年のお盆、「お墓参り」は5割超。「帰省」は4割弱とまだ控えめながら 自粛組の半数は「オンライン」、3割強は「お供え物の贈答」で“心の密”
2020.07.10 10:30
株式会社日本香堂(本社:東京都中央区、代表取締役社長:土屋 義幸)では、このたび新型コロナウイルス感染拡大防止のための移動自粛要請が全国解除されて間もない2020年6月23日~24日に、全国の成人男女1,036名を対象とした『コロナ自粛による生活者意識の変化』に関する調査を実施いたしました。緊急事態宣言下の自粛生活における意識・行動の変化や今後への影響と共に、間近に迫った今年の夏休みの予定・計画についても伺い、そこから浮かび上がった「社会的距離(ソーシャルディスタンス)」を埋め合わせるかのような「心の距離(エモーショナルディスタンス)」緊密化の兆しに注目した調査結果の速報を発表しました。
【調査概要】
■調査名 :『コロナ自粛による生活者意識の変化』に関する調査
■調査対象:全国の20~79才の男女1,036名
■調査時期:2020年6月23日(火)~6月24日(水)
■調査方法:インターネット調査(株式会社マクロミル)
【調査結果】
<“3密回避”の取組みとストレスの実感>
「人が集まる場所への出入り」「不要不急の外出」自粛の取組みは9割超に。
一方、“日常のささやかな楽しみ”の我慢には4~5割が『ストレスを感じた』。
[図表1 自粛要請期間中、“3密回避”のために実践した行動とストレスの実感]
図表1
自粛要請期間中、“3密回避”のために行動を控えた事柄として、(1)「イベント・旅行・飲食店など人が集まる場所への出入り」(93%)、(2)「不要不急の外出」(91%)が9割を超え、次いで(3)「公共交通機関の利用」(81%)、(4)「友人・知人、別居家族との対面」(78%)、(5)「帰省あるいは帰省の迎え入れ」(66%)と、大多数の人が“密閉・密集・密接”を避けるルールを理解し、遵守に努めてきた様子が見てとれる。
一方、自粛に伴いストレスを感じた事柄として、実践者の半数前後が(1)「不要不急の外出」(53%)、(2)「友人・知人、別居家族との対面」(50%)、(3)「人が集まる場所への出入り」(48%)を挙げ、次いで(4)「美容院・理容室の利用」(47%)、(5)「屋外スポーツや散歩」(40%)と、“日常のささやかな楽しみ”を我慢することの心労を訴えている。
<“コロナ前”と比較した生活上の変化と定着意向>
(1)自宅で過ごす時間:
‘4人に3人’が増えた“おうち時間”。
増加のままを望む声は、シニア層を除き半数以上に。
[図表2-1 “コロナ前”と比較した意識・行動の変化と定着意向:《自宅で過ごす時間》]
図表2-1
自粛要請が発せられる以前(コロナ前)に比べ、「自宅で過ごす時間」が増えたと、該当者全体の‘4人に3人’(74%)が回答し、特に「女性20~30代」(82%)と「女性40~50代」(80%)では8割にのぼる。
また“おうち時間”が増加した人のうち、その水準を「維持・定着させたい」とする声は半数を超える(52%)が、「男性60~70代」(43%)と「女性60~70代」(47%)のシニア層ではやや低調。
(2)家族コミュニケーション:
同居家族との時間・会話が増えた人は半数以上、
別居家族との通話・通信も3~4割で増加。
[図表2-2 “コロナ前”と比較した意識・行動の変化と定着意向:《家族コミュニケーション》]
図表2-2
“おうち時間”の増加に伴い、「同居家族と過ごす時間」(62%)や「同居家族との会話やふれあいの機会」(54%)について、半数以上が増えたと回答。また別居家族とも「電話・メールで」(40%)、「画像・動画で」(34%)と、対面接触を控えながらも盛んにやり取りしていた様子が窺える。
さらに、同居・別居問わず家族とのコミュニケーションが増えた層では、その水準を「維持・定着させたい」とする声が7割前後に達し、今回の自粛期間が“家族のつながり”を再確認させる契機となった可能性が示唆される。
(3)祈り・供養:
‘4人に1人’で増えた“大切な故人への語りかけ”。
“新しい日常”にも望まれる 心の拠り所・安らぎのひと時。
[図表2-3 “コロナ前”と比較した意識・行動の変化と定着意向:《祈り・供養》]
図表2-3
日々の暮らしに根づいた祈り・供養の習慣については、「コロナ前と変わらない」が大勢を占める中、‘4人に1人’(24%)は「ゆかりの深い故人に心の中で語りかける」ことが増えたと回答。さらに具体的行為を伴う「仏壇・位牌・遺影に手を合わせる」(15%)、「お花やお線香を供える」(14%)でも約15%の人で増加が認められる。
こうして大切な故人との絆をより深めた層では、今後も増えた機会を定着させたいと望む声が約8割と極めて高く、未曽有の経験に揺れ動いた心の拠り所として、見守られているような安らぎのひと時としての実感を強めたゆえとも解釈できる。
(4)健康への意識:
約6割の人で増えた、家族や自分の“カラダへの気遣い”。
大多数に根づく“新しい日常”での健康意識。
[図表2-4 “コロナ前”と比較した意識・行動の変化と定着意向:《健康への意識》]
図表2-4
感染者数の推移を報じる連日のニュースに日本中が神経を尖らせていたこの時期、約6割の人が「同居家族」(61%)や「別居家族」(60%)、「自分」(58%)の健康を意識することが増えたと回答。
さらに、自分・家族の“カラダへの気遣い”をこのまま「維持・定着させたい」とする声は8割を超え、“新しい日常”下にあっても気を緩めない健康意識が根づいていると見てとれる。
(5)感謝の気持ち:
6割の人が自覚した、医療・生活インフラの支え手への“感謝の念”。
2割の人が奮発した、家族や友人に謝意を示す“ふるまい”。
[図表2-5 “コロナ前”と比較した意識・行動の変化と定着意向:《感謝の気持ち》]
図表2-5
自粛期間中も感染リスクと闘いながら社会機能を守り続けた「医療現場で働く人達」(61%)や「販売・物流・交通機関等、日常生活を支える仕事の人達」(61%)に対し、6割の人が感謝の気持ちが高まったと回答し、その9割から感謝の念をこのまま持ち続けたいとの声があがる。さらに2割前後の人が、周囲への気遣いや感謝の徴として、「同居家族にご馳走や贈り物」(24%)、「別居家族に見舞品やギフト」(23%)、「友人・知人に見舞品やギフト」(17%)と、これまで以上の“ふるまい”を奮発し、その7割が今後もやり続けたいとの意向を示す。
(6)情報リテラシー:
オンライン会合は業務上・プライベートとも4割前後の人で増加、通話・通信による交遊も3割超で。定着を望む声は約6割に。
[図表2-6 “コロナ前”と比較した意識・行動の変化と定着意向:《情報リテラシー》]
図表2-6
コロナ前に比べ、テレビ会議等での「オンライン会議・打合せ・会合」(42%)や「オンライン飲み会・お茶会・おしゃべり」(37%)に対し、4割前後の人が増えたと回答。また友人・知人との「電話・メール」(35%)、「画像・動画」(33%)による交遊も3割以上の人で増加が見られ、いずれも増えたままの定着を望む声は約6割と高い。
この自粛期間が社会全体の情報リテラシーを底上げする契機となった可能性が示唆される。
(7)回顧・内省:
3~4割の人で増えた“振り返り”と“見つめ直し”の時。
その定着を望む声は7~8割の高水準に。
[図表2-7 “コロナ前”と比較した意識・行動の変化と定着意向:《回顧・内省》]
図表2-7
これまでの日常を一変させた自粛期間中を、自身と向きあい、従来とは違ったやり方を検討する好機と捉えた人は少なくなく、「住まいや暮らしの環境」(42%)や「仕事の意味やスタイル」(37%)、「家族との関わり方」(37%)、「様々な出来事や思い出」(35%)、「人間関係や社会との関わり方」(33%)等、振り返ることが増えたとの回答は3~4割にのぼる。
さらに、内省を深めた層では、その水準を「維持・定着させたい」とする声が7~8割に達し、コロナ禍が後の社会の行動様式や価値観に大きな影響を及ぼす画期となったかも知れない可能性が示唆される。
<「今年の夏休みの過ごし方」に対する意向>
今年の夏休み、移動緩和は「近場のお出かけ」「お墓参り」「日帰り旅行」から。
例年トップを争う「帰省」と「国内旅行」は後退し、積極派と慎重派が拮抗。
[図表3 移動自粛要請の全国解除直後における「今年の夏休みの過ごし方」意向]
図表3
県境をまたぐ移動自粛要請の全国解除を待って、今年の夏休みの過ごし方に関する計画・意向を伺ったところ、(1)「近場のお出かけ」(70%)を筆頭に、(2)「お墓参り」(51%)、(3)「日帰り旅行」(44%)と、比較的近距離の移動が上位を占め、例年トップを争っている(4)「帰省(迎え入れ含む)」(37%)と(5)「国内旅行」(35%)が共に大きく後退。
「帰省」では「計画・実施したい」とする“積極派”と「自粛・迷い中」の慎重派の勢力比が57:43、「国内旅行」では52:48と拮抗しており、行きたい気持ちは強くとも宿泊を伴う移動には依然、自粛ムードの色が濃く残っているように見受けられる。
<「帰省自粛の代替行動」に対する意向>
帰省は控えても、会えない家族との“心の距離”はより緊密に。
「通話・通信をより頻繁に」4~5割、「お盆のお供え物・特産品を贈る」3割強。
[図表4 「帰省自粛の代替行動」に対する意向]
図表4
今夏の帰省あるいは帰省の迎え入れに慎重な態度を示す層に、それに代わって検討・実施したい事柄を伺ったところ、会えない家族に(1)「電話・メールをより頻繁に」(51%)、(2)「画像・動画をより頻繁に」(39%)の意向が高く示され、自粛期間中と同様、本来は一緒に過ごせた時間の、少しでも埋め合わせを求める心情が窺われる。
さらに、(3)「帰省土産代わりのギフト・お盆のお供え物」(35%)、迎える側は(4)「もてなし代わりの特産品・土産物」(33%)の贈答を‘3人に1人’が検討しており、そこには“物理的距離”は無理でも“心理的距離”は近づけたいとする創意と意欲が見てとれる。
<参考>「心の距離」の緊密化を実感した経験(自由回答より一部抜粋)
《同居家族との“心の密”》
●家族との時間が増え、他愛のない話が増えたので、家族との距離感が縮まったと感じた(男性・29才)
●仕事が忙しく、妻や子供との時間がなかったので、一緒にいる時間が何よりも嬉しく、幸せな時間でした(男性・44才)
●家族への感謝の言葉や挨拶を、明確にするようになっている(男性・60才)
●家族間での会話が増えたことで相手が何を考えているのか少しわかった気がする(男性・62才)
●旦那と子どもと家族3人で過ごす時間が普段より多くなり、私は自粛期間を楽しく過ごすことがでしました。家事や育児を普段より手伝ってくれました(女性・29才)
●小学生の息子がいつもは帰宅後すぐ遊びに行ってしまうのでなかなかたくさん話ができなかったが、自粛期間はたくさん遊んだり、探検したりとふれあう機会があったので良かった(女性・36才)
●コロナ前に比べて、常に家族のことを気にかけるようになりました。体調はもちろんですが、心理状態や食事など心配というか気にかけることが毎日になったと感じます(女性・36才)
●成人した同居する子供達と一緒に過ごす時間が増えて、いろいろ話せる機会が増え、様々な発見があった(女性・59才)
《別居家族との“心の密”》
●遠方で暮らす姉とリモート通話する機会があった。コロナ禍でなければこのような機会はなかったと思う(男性・31才)
●親の体調を確認する際、息子の写真や動画を送るようになった。向こうも喜んでくれるので今までよりは距離感が縮まったように思える(男性・43才)
●別居している家族を気遣うことが増えた(男性・75才)
●離れているほど健康状態が気になると父に言われ、そんなことを思っているとは知らなかったので前よりも心の距離が縮まったと思います(女性・22才)
●別居の義実家は高齢なので、とても心配した。お互いに会わないけれど、玄関先に物を置いたり、手紙のやり取りをして楽しかった(女性・32才)
●仕事一筋だった実家の母が仕事を一時中断することになり、母との会話が増えて、会えない分ラインを教えて、使えるようになった(女性・58才)
●遠方に住んでいる子供が以前と比較して頻繁に連絡をくれるようになった(女性・70才)
《友人との“心の密”》
●大学時代の友人とオンラインで会話する機会が増えた(男性・29才)
●友人とお互いの健康をSNSや電話で気遣う機会が増えた(男性・64才)
●友人、知人から思いがけなく電話が来ると気にかけてくれているのだな、と改めて感謝した(男性・75才)
●何年もあってない友人と連絡をとってお互いの無事を思いやった(女性・36才)
●友人と電話していた時、ちょうどマスクが品切れの時で手元にあまりないという話しをしていたら、2日後にその友人からマスクが送られてきた。本当に助かった(女性・40才)
●30年以上あってなかった人が写真の整理をして思い出したと電話をくれました。解除されたら会おうという事になりました(女性・60才)
●知人や親戚の方々を案ずるために、自粛期間中にメールやラインでお互いに励まし合いながら、早く収束を願っておりました(女性・70才)
●図書館の閉館で本も借りられない話をしましたら、知人の方から沢山の本をお借り出来、温かなお心遣いに感謝を致しました(女性・70才)
《周囲との“心の密”》
●子どもとの近所の散歩が増え近隣住民に少し話しかけられるようになった(男性・29才)
●仕事は外での作業なのですが、以前よりも体調を気に使ってか差し入れが多くなった。マスクももらった(男性・32才)
●自分がマスクをしていない事を謝罪して、道を尋ねた時に親切に応対していただけ嬉しかった(男性・69才)
●今まで当たり前に考えていた、スーパーなどの生活用品の購入ができることを感謝するようになった(女性・31才)
●学校の先生方が子どものために一軒ずつまわって課題を持ってきてくれたり、体調を気にしてくださり本当にありがたかった(女性・38才)
●スーパーに行って日頃なんとも感じないサービスが今回のコロナ禍を機にありがたく感じ、自然とありがとうという言葉がでるようになった(女性・49才)
●介護施設で介護員として働いています。…(中略)…6月より窓越しで短時間ですが、面会が可能になりました。やっと顔が見られて安心されたのでしょう、お互いに涙を流される方が少なくありません。その姿を見て家族の絆、繋がり、お互いを思いやる優しい気持ちを実感しました(女性・57才)
●宅配便の方など荷物も増えて大変そうなのに、マスク越しにお礼を言うとマスク越しに凄く笑顔を返してくれて嬉しかったです(女性・60才)
●娘が妊娠中だったので、無事に生まれてくること、関わってくださった先生や病院関係の方々、娘の身体を心配してくれた友人知人に感謝したい(女性・62才)
●受診回数を極力控えているが、特定疾患でクリニックの看護師さんが忙しいにもかかわらず、心優しい気づかいに感謝しまた勇気づけられた(女性・71才)
《同志との“心の密”》
●殆どの人がマナーや規律などを守って人に気を使いながら生活をしていたこと、みんなで我慢しようという一体感が感じられた(男性・39才)
●繁華街の人込みがまったくなくなったのを見て、皆同じ気持ちで頑張っているのだなと思った。またお互いを意識して距離を開けて列に並んだりする様子を見てお互いが気遣っていることを感じて心の距離が縮まったと感じた(男性・56才)
●コロナの同じ状況下にあり一体感が生まれ中学校の時の同窓会のグループラインで情報交換や近況報告をする機会が増えた(男性・61才)
●お互い自粛に努める姿は、日本人の誇り(男性・71才)
●同じコロナ関連の話をする中で健康面に関する話を家族以外とも共有、共感できるようになった(女性・48才)
●在宅勤務が許可されなかったので、コロナへの感染が心配な中で出社しなければならず、同僚達と互いを思いやり声を掛け合う機会が増えた(女性・52才)
●日常の中で、同じ不安や危機感を持つことによってお互いに共感できる度合いが高まったと感じる(女性・60才)
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