GSアライアンスが 金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)による 地球温暖化ガスであるCO2の吸収を確認
2020.08.18 10:30
大気中のある種のガス(気体)は熱を逃さない傾向にあります。温度などの変化に対しても物理的、化学的に安定で、大気中で半永久的に残留するようなガスが地球温暖化ガスとされています。具体的には水蒸気(H2O)、亜酸化窒素(N2O)、メタン(CH4)、フッ化ガス、そして二酸化炭素(CO2)などがそうであり、地球温暖化の原因とされています。
温暖化ガスであるCO2を吸着する金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)
特にCO2においては、この約1世紀において石炭のような化石燃料や石油が燃焼されることにより大気中の濃度はどんどん増加しています。これは石炭や石油を燃焼させるとその中の炭素と大気中の酸素が結びつくことによりどんどんCO2が作られるからです。人間による森林伐採も大気中のCO2を増加させる原因の1つとなっています。
金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)、[別名:多孔配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymers)]は金属カチオンとそれを架橋する多座配位子によって構成される物質で、構成される金属及び有機配位子を制御することで、細孔の形状、大きさや分子官能基を分子レベルで精密調整することができる超多孔性材料です。従来の多孔性材料である活性炭、ゼオライト、メソポーラスシリカなどは細孔構造、比表面積の精密制御は困難でしたが、MOFは分子設計に配位結合を精密に取り入れることができるため、細孔構造、比表面積、形態などをナノメートルレベルよりも小さいレベルにおいても設計でき、非常に複雑な構造体の構築や高次機能の発現が可能となり、これまでの多孔性材料よりも軽量で、高い比表面積(数千m2/g以上)を有しています。理論上は金属と有機リンカーの組み合わせにより数万種類以上のMOFが合成出来るとされています。このようにMOFはこれまでの材料群には無い特徴を有する究極の有機無機ハイブリッド型の自己組織化型多孔性材料として注目を集めており、産業界、研究開発機関においても研究競争は活性化しており、基礎、応用問わず報告例は指数関数的に増加しています。
GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd:環境、エネルギー分野の最先端材料を研究開発する化学会社、本社:兵庫県川西市、代表取締役社長:森 良平 博士(工学))は、金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)を自社で合成し、リチウムイオン電池、各種二次電池、燃料電池、光触媒、色素吸着、金属吸着などへの応用を含めた研究開発を行っています。
この度、当社の梶野 哲郎研究員、岩林 弘久研究員と森 良平博士(工学)は、いくつかの合成したMOFのガス吸着能を試験して、ある種のMOF群が特にCO2を多く吸着、吸収することを確認しました。今後はこれらの知見を基に、CO2を吸収するようなデバイス、人工光合成などの研究開発にも役立てていく予定で、気候変動の問題を少しでも解決するよう研究開発を続けていきます。
■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森 良平 博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 環境、エネルギー分野の最先端材料、技術の研究開発
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