モンタビスタ、Linux市場を急速に拡大する革新的な取り組みを明らかに
2004.10.14 09:30
報道関係各位
プレスリリース 2004年10月14日
モンタビスタソフトウエアジャパン株式会社
モンタビスタ、Linux市場を急速に拡大する革新的な取り組みを明らかに
~ネイティブなリアルタイムLinuxを強化する
オープンソース プロジェクトを開始~
2004年10月12日(現地時間)米カリフォルニア州サニーベール発―
MontaVista Software Inc.(以下、モンタビスタ)は、本日、Linuxのリアル
タイム応答性を大幅に向上させるための取組みに着手したことを明らかにしま
した。ハード リアルタイムのパフォーマンス達成を目的にLinux(R)を拡張し
ます。モンタビスタは、「オープンソース リアルタイムLinuxプロジェクト」
を主催しており、すでに、リアルタイムLinux論の分野で、自社の近年の取組
みをもとにリファレンスを構築しています。
「極度に高速なリアルタイム性能は、Linuxの包括的な実装を広範にわたる機
器で実現する上で最終的な障害となっています。」と、モンタビスタのCEO兼
プレジデント、ジム・レディ(James Ready)は述べています。「モンタビス
タの戦略では常に、Linuxそのものにネイティブなリアルタイム性の改良を加
え、できるだけ大勢の開発者にプロセスを公開することを志向してきました。
Linuxが、オープンソースのメリットを継承しつつ、プロプライエタリなカー
ネル製品が備える応答性に関わるあらゆる特性を実装し、さらそれを超える機
能を実現することを期待しています。ハード リアルタイム性能を備えたLinux
は、ユニバーサルなプラットフォームとしての役割を担うこととなります。」
これまでプロプライエタリなプラットフォームやソースが開示されていないプ
ラットフォームの支持者は、主要な組込みアプリケーションや通信アプリケー
ションでLinuxがRTOS(Real-Time Operating System)に置き換わるには、満
足できる応答性が提供できない、と指摘してきました。このプロジェクトによ
り、最後の障壁は克服され、プロプライエタリなRTOSは間もなくその重要な特
質を失います。Linuxは、これまでRTOSの独占的な領域だった多くのマーケッ
トを取り込んでゆくこととなります。
「モンタビスタの試作版では、ワーストケースの遅延が数10マイクロ秒にまで
短縮され、応答性が何倍も向上しています。」、とモンタビスタのエンジニア
リング担当バイスプレジデントであるケビン・モーガン(Kevin Morgan)は述
べています。「今回のプロジェクトをリードする上で、モンタビスタは次のよ
うなゴールを達成目標としています。1.あらゆるユーザの利益となるようさ
らにテクノロジを発展させる。2.Linuxコミュニティの開発者に協力してもら
い、ともにこのゴールを達成する。3.ハード リアルタイム Linuxのための業
界標準をサポートするよう他のベンダに働きかける。」
新たな市場セグメントとアプリケーションをターゲットに拡大
この取組みが実行されることで、OSが組込みアプリケーションや通信アプリケー
ションのハード リアルタイム要求に対応可能となり、Linuxの適用市場が拡大
します。例えば、Linuxはモバイル通信用インフラのマネージメント プレーン
など多くの通信アプリケーションで今日利用されていますが、リアルタイム
パフォーマンスの向上により、ラインカード アプリケーションやIPパケット
のプロセッシング等のデータ プレーンでの利用にも適応するようになります。
さらに、この機能強化で、ベースバンド プロセッサ用に専用のRTOSが不要と
なるため、ミッドレンジの多機能電話でLinux採用が加速されます。
キャリアグレードの特性、電源管理機能、ハード リアルタイム パフォーマン
スを備えたLinuxは、今やネットワークのエンド・ツー・エンド ソリューショ
ンとなり得ます。ネットワーク上のあらゆる機器に単一のOSを利用するメリッ
トが、ネットワーク機器メーカー、通信オペレータ、携帯端末のOEMに重大な
アドバンテージをもたらします。
「Linuxは、携帯電話市場でのシェアを拡大し続けていますが、この取り組み
が成功することで、さらなる潜在市場を切り開くこととなるでしょう。」と
Robert Frances Groupのシニア ビジネス アナリスト、Stacey Quandt氏は述
べています。「ハード リアルタイムLinuxは、携帯端末、これら端末が接続さ
れる通信ネットワーク、多様なインターネット インフラが適用分野となりま
す。」
最近のVenture Development Corporation(VDC)の調査では、将来のプロジェク
ト向けにLinuxを評価している組込み開発者にとって、リアルタイム パフォー
マンスの制約が懸案事項の1つであると報告されています。(Linux in the
Embedded Systems Market, 2004より。)
また、リアルタイムが問題となっている組込みプロジェクトの66%で、100マ
イクロ秒から、少なくとも5マイクロ秒以下の割り込み応答時間を要求してい
た、と報告しています。本プロジェクトの重要なゴールは、この応答時間への
要求をLinuxで達成することです。
「モンタビスタは、従来のLinux市場を越え、モバイル端末市場のような新セ
グメントでLinuxを推進してゆきます。」、とTexas Instruments社のWireless
Terminals Business Unit、software product managerのWard Pitkin氏は語っ
ています。「オープン ソース プロジェクトの立ち上げと、Linux向けリアル
タイム テクノロジの導入で、この新たな市場でLinuxが実現する可能性は無限
のものとなります。」
オープンソース プロジェクトとは
このプロジェクトは、モンタビスタの技術革新におけるこれまでの成果と、リ
アルタイム性向上への寄与に基づいて実施されます。リアルタイム性の向上の
例として、2.6 Linuxカーネルで取り込まれたプリエンプタブル カーネル技術、
Linuxで最初の固定オーバーヘッド リアルタイム スケジューラ(後に設計上
の属性がO(1)スケジューラに取り入れられます。)、Linux用ハイ レゾリュー
ション タイマ管理などが挙げられます。
プロジェクトのゴールは、他の商用RTOSやプロプライエタリなRTOSに匹敵する
パフォーマンスと決定的なリアルタイム応答性を実現することです。モンタビ
スタは、タイム クリティカルなアプリケーションでLinuxタスクのプリエンプ
ション遅延を、最悪の場合で、現行の1~数10ミリ秒から数10マイクロ秒の範
囲にしたいと考えています。これにより、Linuxの応答性が少なくとも2桁は向
上します。
プロジェクトでは、技術的なゴールとして以下を目指します。
・アプリケーションやシステムの設計者が、割り込みハンドリングに優先的な
レスポンスを確実に与えることを可能にする
・カーネルのクリティカル セクションが保護するデータへのアクセスを管理
するプライオリテイ インヘリタンス ミューテックの利用
・すべてのカーネル サブシステムで、優先権の管理機能を提供
モンタビスタは、関心を寄せるあらゆる組織、個人向けにこのプロジェクトを
ご案内しています。このプロジェクトには誰でも自由に参加することができ、
フィードバック、テスト、デバッグ、その他の提案を通して、この活動モデル
の改善、洗練に向けて貢献してくれることを望んでいます。Universitat der
Bundeswehr Munchen (Federal Armed Forces University, Munich)を初めと
する多くの組織が、すでにプロジェクトに寄与しており、また、多くの関心が
プロジェクトに寄せられています。
「Open Source Real-time Linux Consortium」についての詳細は、
http://source.mvista.com/ をご覧ください。
モンタビスタソフトウエアについて
MontaVista Software, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サニーベール)は、
インテリジェントな接続機器や関連するインフラストラクチャ向けのシステム
ソフトウェア、開発ツールの市場をリードするグローバル・サプライヤです。
モンタビスタは、オープンソースGNU/Linuxベースのソフトウェア ソリューショ
ンを提供することで組込みソリューションの革新を推し進めます。リアルタイ
ム オペレーティング・システムの先駆者ジェームス・レディ(James Ready)
により1999年に設立されました。通信インフラからコンスーマ機器分野に至る
アプリケーションにおいて、開発者のニーズに対応するべく製品を提供してい
ます。MontaVista 製品には、MontaVista Linuxの Professional Edition、
Consumer Electronics Edition、Carrier Grade Editionがラインアップされ
ています。また、パワフルな統合開発環境であるMontaVista DevRocketが、こ
れらMontaVista Linux の各Editionに対応する優れた開発ツールを提供します。
また、MontaVista Graphicsは、豊富なGUI開発ツール プラットフォームです。
モンタビスタソフトウエアジャパン株式会社は、MontaVista Software Inc.の
100%日本法人として2000年7月に設立され、日本市場に対して組込みLinux、
およびそれに関わるあらゆるサービスを提供しています。
米カリフォルニア州サニーベールに本社を置くMontaVista Softwareは、主要
投資企業や戦略的な投資家より出資を受けた株式非公開企業です。MontaVista
Softwareの詳細情報は、同社のWebサイト( http://www.mvista.com/ (英語)、
http://www.montavista.co.jp/ (日本語))をご覧ください。
LinuxはLinus Torvaldsの登録商標です。
MontaVistaは、MontaVista Software Inc.の登録商標です。
その他のすべての名称は、各社の商標、登録商標、またはサービス マークです。
【問い合わせ先】
モンタビスタソフトウエアジャパン株式会社
マーケティング部:安田 佳世子
TEL: 03-5469-8840 FAX: 03-5469-8801
Email: kayoko_yasuda@montavista.co.jp
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