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【日本語論文初の報告!】 東京外科クリニックが、腹腔鏡による日帰り手術  1,408例の単施設大規模データを学術専門誌で公開

2020.10.02 10:30

東京外科クリニック(所在地:東京・御茶ノ水、院長:大橋 直樹)は、今回は開院以来行われた日帰り手術約2,000件のうち、腹腔鏡による鼠径ヘルニアに対する1,408例の手術成績を、学術論文として外科系専門誌に公開しました。

腹腔鏡による日帰り手術について1,000例以上の大規模データで示した日本語文献初の報告です。我が国の外科系専門誌の代表格である「日本臨床外科学会雑誌」に、査読を経て収載されました。



■論文概要

論文題名:腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)による日帰り手術の短期成績

筆頭著者:松下 公治

共著者 :大橋 直樹 多賀谷 信美 星野 明弘 柏木 邦友 三原 良明

収載誌 :日本臨床外科学会雑誌第81巻9号



■これまで術後3日以上の入院が一般的だった腹腔鏡手術

これまで術後3日以上の入院が一般的だった腹腔鏡手術ですが、東京外科クリニックで行っている鼠径ヘルニアの日帰り腹腔鏡手術は、下記漫画で説明しているように、短時間で退院でき、腹腔鏡を活用することで腹部にあける穴も小さく済むため、体への負担や痛みも小さく、日常生活への復帰までの時間が短いという特徴があります。


日帰り腹腔鏡手術1:東京外科では約3時間の滞在で済む。他方、病院の全国平均は約4泊


日帰り腹腔鏡手術2:モニターを見ながらの操作になるので大きな開腹は不要


日帰り腹腔鏡手術3


日帰り腹腔鏡手術4:炭酸ガスで腹腔内にスペースを設けて操作を行う



■コロナ禍における日帰り腹腔鏡手術クリニック需要増加の背景

欧米ではすでに当たり前のように行われている日帰り手術。日本では鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)を例にとると、まだ1.3%にすぎません。日帰り手術の分野では、我が国は欧米に大きな遅れをとっています。


新型コロナウイルス感染症の流行は世界中を恐怖と混乱に陥れました。我が国でも、緊急事態宣言下では多くの患者が手術を延期され治療の機会を失いました。今でも感染をおそれた患者が入院手術を心配しており、病院側も感染症の流行に備えて病床を確保しています。そのため、「日帰りで行える手術は日帰りで行いたい」というニーズが高まっています。


東京外科クリニックでは、こうした社会的変化の前から日帰り手術を行っています(2015年開院)。患者の時間とお金、生活の質を守る、ひいては医療費という公的財源をも守るという目標のもと、我が国で先んじて腹腔鏡による日帰り手術の普及に努めてきました。皮肉にも新型コロナウイルスによりその重要性と認知度が高まったと言えます。



■論文の公開について

今回は開院以来行われた日帰り手術約2,000件のうち、腹腔鏡による鼠径ヘルニアに対する1,408例の手術成績を、学術論文として外科系専門誌に公開しました。


腹腔鏡による日帰り手術について1,000例以上の大規模データで示した日本語文献初の報告です。我が国の外科系専門誌の代表格である「日本臨床外科学会雑誌」に、査読を経て収載されました。

(2020年9月現在 当院調べ)


腹腔鏡手術は術後の痛みが少ないため、本来は日帰り手術に適した術式であるものの、麻酔のクオリティコントロールに関する懸念から、我が国では普及が遅れていました。今回の論文の公開で、腹腔鏡による日帰り手術の安全性が確認されました。



※腹腔鏡手術について

内視鏡外科手術の一分野。腹部外科が対象。消化器癌などの腫瘍外科の他、胆石や虫垂炎、鼠径ヘルニア(脱腸)といった良性疾患にも広く適応され、痛みの少なさ、キズの小ささ、社会復帰の早さが確認されている。


※鼠径ヘルニア(脱腸)について

脚のつけ根が膨れる病気。実は盲腸(虫垂切除)より多く行われている手術であり、手術件数は年間推定15万件以上。脱腸は俗称であり、正しくは鼠径ヘルニア。

成人で発症したものは手術のみが唯一の治療法であり、近年では腹腔鏡手術が増加している。


※腹腔鏡手術の日帰り手術について

腹腔鏡手術は痛みが少ないため、本来は日帰り手術の良い適応である。日本では制度やシステムなど管理上の問題があり、普及が進んでいなかった。2015年頃から腹腔鏡手術も日帰りで行う施設が出現し始め、東京外科クリニックは都内で「日帰り手術+腹腔鏡手術」を最も多く行っている施設である(当院調べ)。


※日本臨床外科学会雑誌について

我が国を代表する外科系学会のひとつである日本臨床外科学会の機関誌。とくに外科領域では日本外科学会、日本消化器外科学会に並んで最大級の会員数と歴史を誇るいわゆる外科系和文トップジャーナルのひとつ。2020年1月現在会員数16,841名。雑誌創刊は1937年。我が国の外科医療の発展に大きく貢献してきた。

投稿される論文は、珍しい症例の一例報告から大規模な比較対照試験、消化器、呼吸器、心臓血管、小児、乳腺と外科系領域多岐にわたる。論文の採否は査読委員・編集委員が慎重かつ厳正に討議して決定される。



■今回発表された論文「ここがポイント!」

・鼠径ヘルニア(脱腸)の腹腔鏡による日帰り手術1,408例という大規模データの公開は日本の医学論文として初めて(当院調べ)。

・日帰り成功率は99.8%と良好な成績である。

・万が一にも日帰りすることができず、入院となったとしても、死亡や重篤な後遺症はなく、合併症はほとんどが軽症であった。

・日帰りと腹腔鏡の組み合わせの安全管理を継続して行えるのはチーム医療の賜物であり、外科医と麻酔科医、看護師が三位一体となって初めて成し得た。

・あえて和文誌に投稿したのは、日帰り手術の普及が急務なのは我が国であるからである。和文のトップジャーナルで多くの医師に読んでもらうことで、大きなインパクトと高い教育的価値があると考えた。


日本臨床外科学会雑誌は、会員・非会員とわずインターネットで閲覧が可能なのも大きな利点です。「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)( https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jjsa/-char/ja/ )上で一般公開されます。通常、掲載時期は、機関誌刊行後の約半年後となります。

今回の大規模データの報告が、日本の医療の進歩に貢献し、多くの国民がその恩恵に与れることを切に念願しております。



■運営サイト

東京外科クリニック公式サイト

https://www.tokyogeka.com

医療法人社団博施会公式サイト

https://www.hakushi-kai.or.jp/

そけいヘルニア治療専門サイト

https://www.dr-hernia.info



■医療施設概要

施設名 : 日帰り手術センター東京外科クリニック

運営法人: 医療法人社団博施会

所在地 : 東京都千代田区神田小川町2-6 大宮第二ビル2階

担当者 : 大橋 直樹

連絡先 : 03-5283-8614

URL   : https://www.tokyogeka.com/

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