文化財の価値を「見える化」する新しいまちづくり 『文化財の価値を評価する:景観・観光・まちづくり』発売のお知らせ
~富山、広島などの例からみる文化財保護のあり方~
2011.09.26 12:30
株式会社水曜社(所在地:東京都新宿区)は、新刊『文化財の価値を評価する:景観・観光・まちづくり』を2011年10月14日に刊行いたします
http://www.bookdom.net/suiyosha/1200machiz/1242bunkazai.html
■著書内容
文化財の価値を維持し高めていくためには継続的な公的支援が必要である。それには財源と受益者を特定し、保存することによって得られる便益を推測しながら、適切な支援のシステムの構築が不可欠である。そのために価値の評価手法が重要となるが、文化財には芸術的、社会的、教育的価値など様々な側面があり、定量的な評価はなじまず、試みられてこなかった。
本書では第1に、市場に現れない価値をはかるために文化財保護の受益者と、その便益の規模を客観的に定量的に推定してゆく。第2に、地域づくりと文化財保護の新たな関係性を焦点にあてる。文化財を一方的な支援を受けるものととらえず、地域づくりに活用するための前提として実態に迫る。第3の目的として、持続的な保護のあり方と市場からの資源の調達の可能性について考察し、制度論につなげてゆく。これらの例として、世界遺産富山県五箇山の合掌造り集落の便益、広島県宮島のレクリエーション効果の評価、岐阜県高山市の観光消費分析、滋賀県長浜市黒壁スクエアの観光客に焦点を当てたコンジョイント分析等を紹介する。
日本では文化財の公共性は比較的弱いと認識されているが、蓄積されてきた文化財の価値は、新たな価値を創り出す揺籃としても、アイデンディティの源泉としても不可欠なものである。
文化財を維持するためには当然コストがかかる。そして、財源には限界がある。本書は文化財が持つ価値を最大限活かし、持続的な支援システムを考察するため、8年をかけて調査・検討した集大成であり、研究者やNPO、まちづくりを考える自治体関係者の必読書である。
■編著について
垣内 恵美子(かきうち えみこ)
政策研究大学院大学 文化政策プログラム教授、プログラム・ディレクター。東京大学法学士、シドニー大学経済学修士、東京大学工学博士。文部省入省後、文化庁文化政策室長、一橋大学教授などを経て、2004年より現職。パリ大学、トリノILOセンターなどで教鞭を執るほか、国土審議会政策部会委員など。
■共著者:岩本 博幸 東京農業大学准教授/氏家 清和 政策研究大学院大学助手/奥山 忠裕 長崎県立大学講師/児玉 剛史 宇都宮大学准教授
■書籍情報
『文化財の価値を評価する:景観・観光・まちづくり』
A5判/並製/本文208頁/2,940円(税込)2011年10月14日発売
詳しい内容はWebサイトをご参照下さい。
http://www.bookdom.net/suiyosha/1200machiz/1242bunkazai.html
発売: 株式会社水曜社 東京都新宿区1-14-12
URL : http://www.bookdom.net/suiyosha/