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企業経営者のSDGs認知度は約9割、取り組み実施企業は6割超  『日本企業の経営課題2020』第3弾の調査結果を報告

一般社団法人日本能率協会(会長:中村 正己、JMA)は、企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を探ることを目的に、1979年から、企業経営者を対象に、「当面する企業経営課題に関する調査」を実施しています。今年度は2020年7~8月に実施し、532社からの回答を得ました。今回は第3弾として、「SDGsの認知度と取り組み状況」について、ご報告します。

調査結果の主なポイントは以下の通りです。


1. SDGsの認知度さらに高まる。約9割の企業経営者が「知っている」


2. SDGsに関わる取り組み広がる。6割超の企業が取り組みを実施


3. SDGsに取り組む目的 ― 「企業の社会的責任を果たすこと」が8割超

「中長期的な企業価値向上」「企業ブランドの向上」「社員のモチベーション」も


4. SDGs推進における課題 ― 「社員の認知度の向上」「具体的な目標・KPIの設定」が8割超

「社内推進体制の構築」「商品・サービス・事業の開発への結び付け」も課題


※調査結果詳細は以下をご覧ください。



■「2020年度(第41回)当面する企業経営課題に関する調査」概要

調査時期   :2020年7月20日~8月21日

調査対象   :JMAの法人会員ならびに評議員会社、

        およびサンプル抽出した全国主要企業の経営者(計5,000社)

調査方法   :郵送調査法(質問票を郵送配布し、郵送およびインターネットにより回答)

回答数・回収率:回答数532社・回答率10.6%(回答企業の概要はページ下部に記載)


1. SDGsの認知度さらに高まる。約9割の企業経営者が「知っている」


○国連が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標)に対する認知状況について尋ねたところ、「知っている」との回答が昨年よりも大きく増加して70.5%(前年比+19.0ポイント)、「ある程度、知っている」が17.9%となり、合わせて約9割(88.4%、前年比+11.5ポイント)の企業経営者がSDGsを「知っている」という結果が見られました。【図1-1】


○従業員規模別にみると、従業員数3,000人以上の大企業では、「知っている」「ある程度、知っている」の合計が96.9%となっているほか、従業員数300人以上3,000人未満の中堅企業で89.9%、同300人未満の中小企業でも76.5%となっており、SDGsに対する経営者の認知が広がっていることがうかがえます。【図1-2】


【図1-1】SDGsに対する認知状況(全体・経年比較)


【図1-2】SDGsに対する認知状況(従業員規模別)


2. SDGsに関わる取り組み広がる。6割超の企業が取り組みを実施


○SDGsに関わる活動の取り組み状況について尋ねたところ、「具体的な目標を設定して取り組んでいる」との回答が昨年よりも増加して25.2%(前年比+11.0ポイント)、「具体的な目標の設定はしていないが、SDGsにそった活動を行っている」が36.5%(前年比+9.8ポイント)となり、合わせると、6割超(61.7%、前年比+20.8ポイント)の企業がSDGsに関わる取り組みをしているという結果が見られました。【図2-1】


○従業員規模別にみると、従業員数3,000人以上の大企業では、SDGsに関わる取り組みをしている企業の合計が88.5%と9割近くに達しています。従業員数300人~3,000人の中堅企業では取り組みをしている企業が59.4%、同300人未満の中小企業では39.3%である一方、「今後、取り組みたいと考えている」とする企業が3~4割となっており、今後の活動の広がりが期待されます。【図2-2】


【図2-1】SDGsに関わる活動の取り組み状況(全体・経年比較)


【図2-2】SDGsに関わる活動の取り組み状況(従業員規模別)


3. SDGsに取り組む目的 ― 「企業の社会的責任を果たすこと」が8割超

「中長期的な企業価値向上」「企業ブランドの向上」「社員のモチベーション」も


○SDGsに関わる活動に取り組んでいると回答した企業(328社・全体の61.7%)に対して、SDGsに関わる取り組みの目的として重視していることを尋ねたところ、「企業の社会的責任を果たすこと」について、「非常に重視している」「重視している」の合計が8割超となり、最も重視度が高い項目として挙げられました。


○その他、「非常に重視している」「重視している」を合わせた比率が高い項目は、「中長期的な企業価値を向上させること」(76.8%)、「企業ブランドを向上させること」(66.2%)、「社員のモチベーションや帰属意識を高めること」(61.0%)となり、企業の社会的責任としてだけではなく、企業価値の向上や社内外からのイメージアップなど、多面的な目的のもとにSDGsの取り組みがなされていることがうかがえる結果となりました。


【図3】SDGsに関わる活動の取り組みの目的として重視していること


4. SDGs推進における課題 ― 「社員の認知度の向上」「具体的な目標・KPIの設定」が8割超

「社内推進体制の構築」「商品・サービス・事業の開発への結び付け」も課題


○SDGsに関わる活動に取り組んでいると回答した企業(328社・全体の61.7%)に対して、SDGsに関わる取り組みを進めていくうえでの課題を尋ねたところ、「おおいに課題である」「課題である」「やや課題である」の合計が高い項目として、第1位に「自社の取り組みに対する社員の認知度向上」(83.2%)、第2位に「取り組みについての具体的な目標・KPIの設定」(82.3%)が挙げられました。


○また、「社内推進体制の構築」「戦略との統合やマネジメントシステムへの実装」「新しい商品・サービス・事業の開発への結び付け」についても、「課題である」の合計が7割を超えています。SDGsにそった活動を進めるにあたって、社内における認知度向上や推進体制づくりとともに、具体的な目標の設定や、戦略や事業活動への結び付けが課題となっていることがうかがえます。


【図4】SDGsに関わる取り組みを進めていくうえでの課題


【調査結果を受けてのコメント】

一般社団法人日本能率協会 KAIKA 研究所 所長 近田 高志


○今回の調査結果から、企業経営者のSDGsへの認知度がさらに高まるとともに、具体的な活動においても取り組みが広がっていることが確認できました。


○SDGsの目的としては、「企業の社会的責任を果たすこと」に加え、「中長期的な企業価値向上」「企業ブランドの向上」「社員のモチベーション」が重視されている一方、課題としては、「社員の認知度の向上」「具体的な目標・KPIの設定」のほか、「社内推進体制の構築」「戦略やマネジメントシステムへの実装」「商品・サービス・事業の開発への結び付け」が上位に挙げられています。


○SDGsを推進していくうえでは、トップのコミットのもと社内推進体制を構築し、社員を巻き込んで、戦略や事業活動との結び付けをしながら具体化をしていくことが重要となります。



【回答企業の概要】

所在地

https://www.atpress.ne.jp/releases/226114/img_226114_14.png?20200923013745


業種分類

https://www.atpress.ne.jp/releases/226114/img_226114_15.png?20200923013745


従業員数・売上高

https://www.atpress.ne.jp/releases/226114/img_226114_16.png?20200923013745

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