サイバー創研、「5G-SEP 宣言特許の正確性」を評価、 評価結果を販売 現実の5G標準必須特許の保有数を推定、上位6社がほぼ拮抗
モバイル・ワイヤレスを始めとしたICT関連の技術調査等を行う株式会社サイバー創研(本社:東京都品川区、代表取締役社長:佐藤 博彦)は、情報通信分野の企業が5G標準必須特許として標準化団体に宣言した特許(5G-SEP宣言特許)について、5G標準規格との整合性を実際に評価することにより、現実の5G標準必須特許の保有状況を推定しました。
標準化団体への5G必須特許の宣言は、各企業の自己申告で行われているため、客観的には5G標準規格で必須といえないものも5G標準必須特許として宣言されていると言われています。このため、5G-SEP宣言特許の件数を単純に比較するだけでは、主要企業等の本当の実力は明確にならないという問題がありました。
今回の調査は、5G-SEP宣言特許の整合性評価を実施することで「現実の5G-SEPの全体件数や、企業の保有状況」を推定することを目的に実施しました。
2019年1月、2020年1月の5G必須特許の調査報告の公開時に、特許保有企業や5G利用企業などからいただいた「標準規格に真に適合した特許出願動向」に関する問い合わせに応えるためでもあります。なお、5G-SEPに関する整合性評価の実施は世界初です(当社調査)。
整合性の評価は、5G-SEP宣言特許の内、中核となる規格に対して宣言され、かつ特許登録された特許件数の約10%の977件について実施しました。整合性の評価結果では、整合率は平均で32%、整合率が高い順位に、NTT DOCOMO(81%)、InterDigital(48%)、Qualcomm(45%)の順となっています。
これを用いて、5G-SEP宣言数に整合率をかけた現実の5G-SEPの推定総件数は、2020年6月末現在で、約6,400件となりました。
現実の5G-SEPの保有推定件数の上位10社は、Samsung(11.9%)、Qualcomm(11.6%)、Huawei(11.3%)、ZTE(10.9%)、Nokia(ALU含む)(9.7%)、NTT DOCOMO(9.5%)、LG(6.8%)、Ericsson(4.8%)、Sharp(3.0%)、InterDigital(2.8%)です。
この内、上位6社の保有比率は10%前後で拮抗しています。
なお、整合性評価を行った特許の分析結果はご購入いただけます。購入に関するお問い合わせは末尾をご覧ください。
(1)調査の目的と背景
2013年に実施した整合性評価では、LTE-SEP宣言特許は約5,900件に対し、整合率は約56%となっていました。今回の調査対象である5G-SEP宣言特許に関しては、2020年6月末時点で約21,000件と約3.5倍が宣言されています。
宣言特許の件数で評価するのは、「各社が独自の基準で宣言をおこなっており、宣言特許の中には客観的に見て必須といえないものも含まれ、宣言特許の件数からは各社の本当の実力は明らかにならない」という問題がありました。
また単純に、「これの解決には、すべての宣言特許の必須性をチェックすることが考えられるが、宣言特許数が膨大で、コスト・時間がかかり実効的に難しい」という問題があります。
このような背景から、現実的な対応として、「一定割合をサンプリングして必須特許の割合をチェックし、宣言データを補正して評価をする」ことで、客観性と実効性を確保することとしました。
具体的には、宣言特許の約10%を整合性評価の対象とし、「現実の5G-SEPの全体件数や、企業の保有状況」を推定可能としています。
(2)調査手法
(ア) 整合性を評価する特許の選定
・5G-SEP宣言特許(以下、宣言特許)の内、登録となった特許を含む特許ファミリーを整合性評価対象とした。
・5Gならではの規格に対する特許を重視し、5Gの無線アクセス関係の規格(TS 38系)と5Gのアーキテクチャ規格で重要なネットワークスライシング関係の規格(TS23.501~23.503)へ宣言している特許を対象とした。(以下、5G中核規格)
・企業毎の公平性を担保するため、各企業とも、登録特許の内、おおむね10%を整合性の評価対象とした。
・企業毎の10%の特許の選定は、2020年3月末時点で登録となっている特許から、優先日がなるべく新しい特許から、できるだけ偏りなく、最新の特許が多くなるように選び、目標件数となるようにした。(最新の特許を重視)
・評価対象特許件数は、977件となった。
(イ) 母集団の設定
・個々の特許の整合性評価が完了した、2020年6月末時点で、5G中核規格に宣言されている宣言特許を対象とした。
・宣言特許ファミリー数:20,780件
・その内登録となっているファミリー数:10,770件
(ウ) 整合率の評価方法
・1ファミリー1特許を評価する。(優先登録国の選定順:JP→US→EP→CN/KR)
・最も限定が少なく、権利範囲が広いと思われる「独立項」を評価対象とする。
・対比規格は基本的に、ETSIに宣言された規格を対象とする。
・宣言以外の規格を探す場合でも、5G関連規格以外は対比の対象外とする。(TS36やTRの規格に合致していたとしても整合とは評価しない。)
(エ) 評価内容
・対象規格と箇所
・評価根拠
・発明のポイント
(オ) 整合性の評価結果
・A: 発明が規格と一致する。
・B: 発明の一部の要件が規格と一致する
・C: 発明が規格と一致しない
A評価のものだけを、現実の5G-SEPとする。
(3)整合性評価の結果
登録件数は10,770件で、整合性評価対象の件数は977件であることから、整合性を評価した特許の比率は9.1%となります。
宣言企業は52社あり、その内、登録特許が100件以上(評価対象10件以上)の11社を、加えて日本企業については評価対象特許が5件以上の3社を個別に評価しています。
整合率の評価結果を図1に示します。
整合率の平均は、赤線で示すように、32%です。
整合率が高い企業は、NTT DOCOMO(81%)、InterDigital(48%)、Qualcomm(45%)の順となっています。これ以外の上位企業は、整合率が平均以下となっています。
日本企業では、NEC、Fujitsu、Sonyが、それぞれ60%、60%、71%と、高い整合率となっています。
大半の日本企業は、高い整合率となっています。
(4)推定した現実の5G-SEP件数と保有状況
評価対象の宣言特許ファミリー数(20,780件)に、今回調査した整合率を用いて推定した現実の5G-SEPの総件数は、2020年6月末現在で、約6,400件です。上位企業名とその保有比率を、図2に示します。
現実の5G-SEPの保有企業、上位10社は、Samsung(11.9%)、Qualcomm(11.6%)、Huawei(11.3%)、ZTE(10.9%)、Nokia(ALU含む)(9.7%)、NTT DOCOMO(9.5%)、LG(6.8%)、Ericsson(4.8%)、Sharp(3.0%)、InterDigital(2.8%)です。
この内、上位6社の保有比率は10%前後で拮抗しています。
日本企業では、NTT DOCOMOが6位、Sharpが9位となっています。
■サイバー創研 会社概要
(1)商号 :株式会社サイバー創研( http://www.cybersoken.com )
(2)代表者 :代表取締役社長 佐藤 博彦
(3)本店所在地 :東京都品川区西五反田2-8-1 五反田ファーストビル5階
(4)設立年月日 :2001年4月
(5)主な事業の内容:情報通信関連の以下の事業
1.調査研究事業
2.特許サービス事業
3.エンジニアリング事業
4.教育研修事業
(6)資本金 :3,000万円
■購入に関するお問い合わせ
株式会社サイバー創研
特許調査分析部 5G必須宣言特許調査チーム
担当 : 中西 健治
Tel : 03-3490-3186
Email: contacts@cybersoken.com
(English)“Essentiality Evaluation of SEP Declared 5G Patents” by Cyber Creative Institute CO. Ltd.
Results Available for Purchase
-Estimated authentically essential 5G patents - top 6 owners comparable -
https://www.cybersoken.com/file/press%205G%20Patents,5G-SEP%20en.pdf
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