第15回「地域ブランド調査2020」 京都市が1位に返り咲き。都道府県では北海道が12年連続1位
新型コロナの地域イメージ・行動意向への影響は限定的
2020.10.14 12:00
この調査は株式会社ブランド総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役:田中 章雄)が国内1,000の市区町村及び47都道府県を対象に、全国の消費者31,734人から有効回答を得たもので、認知度や魅力度、イメージなど全84項目からなる「地域ブランド調査2020」として実施した調査の結果で、今年で15回目となります(年1回実施)。
<調査結果サマリー>
全国で最も魅力的な都道府県は12年連続で北海道となりました。市区町村は京都市が51.9点で3年ぶり3度目の1位。2位には前年1位の函館市、同2位の札幌市が同点で並んでいます。
近年の傾向として、都道府県、市区町村の魅力度が全体的に上昇していますが、特に市区町村では20代をはじめとする若年層の魅力度が大幅に上昇していることが要因となっています。昨今の新型コロナウイルス流行に伴う消費者意識の変化について前年の結果と比較したところ、魅力度をはじめ居住意欲、観光意欲といった行動意向に関する項目の平均値には大きな変化はありませんでした。しかし、個別でみると東京都で魅力度をはじめとした各項目の点数が大幅に低下しているなど、一部で影響しているとみられる結果もでています。
調査結果の特徴は以下の通りとなります。
<都道府県の魅力度ランキング>
順位 都道府県名 魅力度
1(1) 北海道 60.8(61.0)
2(2) 京都府 49.9(50.2)
3(4) 沖縄県 44.1(40.4)
4(3) 東京都 36.4(43.8)
5(5) 神奈川県 34.7(34.5)
6(6) 大阪府 31.9(32.9)
7(7) 奈良県 30.6(30.0)
8(10) 長野県 30.5(24.8)
9(8) 福岡県 29.6(29.6)
10(9) 石川県 29.2(25.4)
<市区町村の魅力度ランキング>
順位 市区町村名 魅力度
1(3) 京都市 51.9(51.0)
2(1) 函館市 51.3(53.7)
2(2) 札幌市 51.3(52.9)
4(6) 横浜市 48.1(44.2)
5(4) 小樽市 46.9(48.0)
6(5) 神戸市 44.8(44.9)
7(7) 鎌倉市 44.6(43.1)
8(8) 金沢市 43.8(42.2)
9(9) 富良野市 43.7(40.8)
10(10) 仙台市 38.8(39.3)
※( )内は2019年調査結果
■地域を“魅力的”と評価する属性が高年齢層から若年層へ変化
県・市の魅力度について過去10年の平均推移をみると、2016年以降共に上昇傾向にある。特に市区町村の平均点は2016年以降、継続して上昇している。
市区町村の年代別魅力度平均点推移
そこで、過去10年の比較が可能な20代から60代までの年代別結果をみると、2010年で最も点数が高かったのは60代で9.6点だった。高年齢層の回答者ほど、各地域に対して“魅力的”と回答する傾向があり、最も平均点が低かったのは20代で5.5点に留まっていた。
一方、2020年で最も点数が高くなったのは20代の10.9点。2010年と比較すると5.4ポイント上昇している。次いで30代が9.8点。同じく2010年より4.2ポイント上昇している。
2010年と2020年を比較すると、60代を除きすべての年代で魅力度の平均点が上昇している。特に20代、30代の上昇が大きく、2020年では若年層ほど各地域に対して“魅力的”と回答する傾向に変化している。
2010年と2020年の年代別魅力度の平均点比較
なお、認知度でも20代の平均点が2016年以降上昇傾向にあり、2020年は23.6点で60代(23.5点)と同水準となっている。
■情報接触経路以外に主要項目で大きな変化なく
都道府県、市区町村の各調査項目の平均点を前年度と比較すると、変化があったのは調査項目「情報接触経路」のうち「事件やニュース」で平均割合が大きく上昇した。特に都道府県平均は15.9%から21.9%と6.0ポイント上昇している。
他方、魅力度をはじめとする主要な調査項目の平均点は前年からほぼ横ばい、また項目によっては若干上昇している。全体的には接触した情報に変化はあったが、各地域への居住意欲、観光意欲といった行動意欲に大きな変化はないという結果となっている。
都道府県・市区町村の主要項目平均点
■東京都への各行動意欲が大幅に低下
東京都は魅力度で前年3位から4位に順位を落とした。点数は前年の43.8点から36.4点に7.4ポイント低下。低下幅は47都道府県で最大となっている。
観光意欲度は47.4点(4位)から43.0点(7位)に4.4ポイント低下。居住意欲度は26.3点(1位)から20.5点(2位)に5.8ポイント低下しており、それぞれ47都道府県で最も点数が低下するという結果となっている。
東京都内の市区町村結果について、調査対象地域となっている東京都区部(以下「23区」)と都下の27市町村(以下「都下」)に分け、各項目の平均値を比較したところ、23区の魅力度平均は前年から1.1ポイント低下したが、都下は逆に0.3ポイント上昇している。
次に居住意欲度、観光意欲度をみると、都下平均はそれぞれ前年とほぼ横ばいで推移しているのに対して、23区平均は居住意欲度は前年よりも1.0ポイント、観光意欲度は1.3ポイント低下している。
東京都の主要項目結果
東京都23区・都下の主要項目平均点結果
■前年から魅力度を最も上げたのは長野県
前年から魅力度が最も上昇した都道府県は長野県で、前年の24.8点(10位)から30.5点(8位)と5.7ポイント上昇。前年と比較して20代、60代の回答者の点数が上昇している。続いて石川県が3.8ポイント、沖縄県・茨城県が共に3.7ポイント上昇している。
市区町村では糸満市が前年の11.1点(264位)から17.0点(143位)と5.9ポイント上昇。稚内市の4.9ポイント、柳川市の4.0ポイント上昇が続いている。
魅力度上昇ランキング 上:都道府県、下:市区町村
<調査内容>
「地域ブランド調査2020」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第15回目。調査対象は全792市(2020年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な185の町村を加えた計1,000の市区町村、そして47都道府県です。各地域に対して魅力度など全84項目の設問を設け、地域のブランド力を、消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化しました。
<調査概要>
・調査方法
インターネット調査
・回答者
20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
・有効回収数
31,734人(1人の回答者は20の地域について回答。したがって、地域ごとの回答者数は平均で約599人)
・調査対象
全国1,000の市区町村(全792市+東京23区+185町村)と47都道府県
・調査時期
2020年6月24日~7月20日
・調査項目
認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)、地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など16項目)、訪問経験(「行楽・観光のため」など16項目)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など16項目)、まちのイメージ(「歴史・文化のまち」など14項目およびイメージ想起率)、産品購入意欲、産品想起率(食品、非食品をそれぞれ自由記述)…計84項目
<調査報告書について>
・総合報告書(税別74,000円※)
1,000市区町村および47都道府県の全84項目に関するデータをまとめた報告書
・個別報告書(税別46,000円※)
ご希望される市区町村・都道府県の結果を表やグラフで分析し、さらに回答者属性別(年齢、居住地、ライフスタイルなど)の結果を分析した報告書
・ハンドブック(税別3,700円)
1,047地域の結果に関し、8つの主要指標(認知度、魅力度、情報接触度、居住意欲度、観光意欲度、産品購入意欲度、産品想起率(食品、食品以外))に内容を絞った報告書
※総合報告書・個別報告書のセットは特別価格税別94,000円
<ブランド総合研究所の会社概要>
ブランド総合研究所は、地域ブランドに関する調査とコンサルティングを行う専門企業です。代表取締役の田中 章雄は地域ブランドの提唱者として全国各地で地域ブランドに関する講演を行っているほか、地域ブランドアドバイザーとして弊社コンサルタントスタッフと総力をあげて、全国各地の地域の活性化に取り組んでいます。
本社 :東京都港区虎ノ門1-8-5
代表取締役:田中 章雄
資本金 :2,500万円
設立 :2005年11月
<調査結果 主要な指標上位結果>
魅力度ランキング(都道府県)
魅力度ランキング(市区町村1位~25位)
主要な評価項目の上位ランキング(都道府県)
主要な評価項目の上位ランキング(市区町村)
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