沖縄県長寿村の超高齢者の健康余命の鍵を発見! 群馬パース大学大学院 木村 朗教授の研究が ポスターアワードを受賞
2020.11.10 09:30
群馬パース大学大学院の木村 朗教授(56歳)は、2020年10月、「沖縄県大宜味村の90歳を超える超高齢者の健康余命の推定」の研究で、第97回ACRM学会の国際ネットワーキンググループによってポスターアワードを受賞しました。
ピックアップテストとAI処理
調査の場面
■研究内容
100歳近くになっても毎日元気に生活できる人と、自立した生活ができなくなる人を予測する研究を行いました。研究の中で、「世界一の長寿村」と言われる30年以上前から研究されてきた沖縄県大宜味村の高齢者が、庭先でシークワーサーを摘み取る習慣があることに着目し、90歳を超える同村の高齢者に、模擬的に果実を摘み取る動作テストを実施。5年間継続的に行ったところ、特別なリズムで動作を行っている高齢者の血管が柔らかくなり、元気に自立した生活ができることを予測できることを発見しました。
健康余命の予測に際し、従来は遺伝子や筋力が関係するのではないかとされていましたが、今回の研究ではテストの際の休憩の取り方などを人工知能(AI)で解析し、発見につながりました。
■ACRMについて
ACRMはアメリカリハビリテーション医学会議の略。リハビリテーション医学における世界最高峰の学術団体とされる。今回受賞した部門の国際ネットワーキンググループはACRMの一組織で、国境を超えた研究の推進と情報共有を行っている。
■木村 朗教授 プロフィール
56歳、群馬県草津町の出身。
資格など:理学療法士、公衆衛生専門家(日本公衆衛生学会)。日本理学療法士協会員。アメリカリハビリテーション医学会会議正会員。国際環境複合要因学会理事。
金沢大学大学院保健学専攻リハビリテーション科学領域卒業(博士(保健学))
研究の特徴:公衆衛生・リハビリテーションに関わる健康弱者集団の課題、および健康余命に関する身体活動性の観点から、IoTおよび人工知能などを駆使した研究を行っている。
<これまでの主な研究タイトル>
社会的活動・休養・睡眠の調整が及ぼす脳血管障害後片麻痺者の血管機能悪化予防効果の検証(科学研究費助成研究)。
失明者の移動時の危険回避動作を促す通電アラートの複合評価(科学研究費助成研究)。