コロナ禍で変化したクラウドファンディング動向を調査
2020.12.02 18:00
GfK Japan(東京:中野区)は、コロナ前、コロナ後の2019年9月から2020年8月の1年間において、国内主要クラウドファンディングサイトにおけるプロジェクト支援実績*1を分析し、コロナ禍におけるクラウドファンディング動向がどのように変化したかについて発表した。
【概要】
・コロナ後、クラウドファンディングのプロジェクト発足数は増加。政府からの緊急事態宣言発令期間中である2020年5月は過去最多*2を記録。
・最も支援金額を集めたのが、新型コロナウイルス感染症拡大防止活動基金(寄付型)のプロジェクト*3。次いでポータブル電源が支援金額を集め、用途がアウトドア、防災という3密を避けるコロナ禍の人々のニーズに合致したと想定される。
・新型コロナウイルスの影響による支援依頼では、エンターテイメントや飲食業界に対する寄付や、当該企業が提供しているサービスの購入依頼が多かった。
・衛生用品商材がプロジェクト数で2020年TOP5にランクイン。
・マスクは需要が急拡大し、2020年6月以降、多くのマスクの販売プロジェクトが登場した。
【プロジェクト発足数】
同期間中に立ち上がったプロジェクト数については、政府からの緊急事態宣言発令期間中である2020年5月が最も多く、緊急事態宣言発令前の3月におけるプロジェクト数の2倍強であった。2020年5月のプロジェクト数は、本分析期間中の1年間のみならず、過去に遡っても最多を記録した。
【新型コロナウイルスの影響に対する支援プロジェクト】
外出自粛要請が始まった2020年4月以降、コロナショックに対する支援を打ち出しているプロジェクトのうち、500万円以上の支援金額を集めているものを分析したところ、エンターテイメント業界や飲食業界で不況に陥っている企業に対する寄付や、前払いによるサービス購入支援が多くを占めた。商店街単位や地区単位での飲食・観光誘致のプロジェクトも数多く見受けられた。一方、企業向けではなく対個人への支援プロジェクトとしては、孤児・片親の子供・学生を対象としたものが見受けられた。企業・個人いずれに対する支援にせよ、コロナ禍の不況時において顕著にクラウドファンディングプロジェクト数の増加が見受けられ、不特定多数の人々から支援を受けることができるクラウドファンディングサービス自体が、数年前と比べて広く世の中に認知されていることが伺えた。
【プロダクト開発・販売に対する支援】
プロダクト開発・販売に対する支援に関して、2020年6月以降のプロジェクト発足数においては、理美容・健康関係カテゴリ商材がトップに躍進した。即時性の高い寄付による支援とは異なり、プロダクト開発・販売展開には約2ヶ月程度のタイムラグがあることが見受けられた。本分析対象期間における2019年・2020年各々でのプロジェクト数集計結果を比較したところ、TOP1-TOP4の「OAバッグ」 「玩具」 「モバイルチャージャー」 「スマートフォンアクセサリー」についてはランキングの変更はなかったが、2019年度の「腕時計」カテゴリに代わり 、2020年度は「衛生用品」カテゴリがTOP5にランクインした。単月でみると自粛開始の2020年3月以降は、「除菌器」カテゴリ がTOP5に初めてランクインし、6月以降は 「衛生用品」カテゴリが首位を維持した。
【衛生用品カテゴリ】
「衛生用品」 カテゴリのプロジェクト内容を分析したところ、コロナ禍で需要が急速に拡大したことで店頭やオンラインショップで品薄状態となったマスクの販売プロジェクトが、2020年6月以降のクラウドファンディング市場にも多く登場した。「息苦しくない」・「クール」という訴求キーワードが目立つ中、株式会社ワンモアが運営するGREEN FUNDINGサイトでは、電動ファン搭載の空気清浄マスクのプロジェクトが立ち上がった。また「除菌」という観点では、「水道水」 又は 「水道水と塩」 だけで除菌が可能となる次亜塩素酸水生成器や、UV-C(深紫外線) LED方式により3分で99%除菌が可能な大容量除菌BOXなど、世の中の感染防止対策ニーズを反映した商材が注目を集めた。
【その他カテゴリ】
最後に「衛生用品」カテゴリ以外のプロジェクトを分析したところ、過去1年間で最も支援金額を集めたものは、READYFOR株式会社のREADYFORサイトに掲載された、「新型コロナウイルス感染症拡大防止活動基金」の寄付プロジェクトであった。製品関連では株式会社マクアケが運営するMakuakeサイトで掲載された、 「容量が選べる・変えられる」特徴を持つ EcoFlow Technology社のポータブル電源が最も多くの支援金額を集めた。同サイトの歴代応援購入ランキング*4でも同社サービス史上最高額の5億円を超える支援金額を集めて終了したプロジェクトとして掲載されており、製品の利用用途が「アウトドア」、「防災」であることより、コロナ禍の3密を避ける多くの人々の行動ニーズに合致した結果であったと想定される。
クラウドファンディング市場は、完成された商品・サービスが流通する一般市場とは違い、短期間で世の中の消費者ニーズを反映した商材・サービスがプロトタイプ版を含めてリリースされる傾向が特徴的であるが、コロナ禍においてはこれまで以上に世間一般で顕在化したライフスタイルニーズや、不況に陥った多くの人々・企業への支援ニーズが、即時、プロジェクト内容に反映された結果となった。
▼本プレスリリースで使用した図表入り調査結果レポート(無料)をご要望の方は、 こちらよりご連絡ください。お問合せ内容欄に「その他」を指定し、お問い合わせ詳細欄に「クラウドファンディング動向レポート希望」 を記載して申請後、申請いただいたメールアドレス宛に資料を送付します。
▼クラウドファンディングデータベースの概要資料は以下サイトより無料でダウンロードいただけます。
https://insights.gfk.com/jp-2019crowdfundingreport
・コロナ後、クラウドファンディングのプロジェクト発足数は増加。政府からの緊急事態宣言発令期間中である2020年5月は過去最多*2を記録。
・最も支援金額を集めたのが、新型コロナウイルス感染症拡大防止活動基金(寄付型)のプロジェクト*3。次いでポータブル電源が支援金額を集め、用途がアウトドア、防災という3密を避けるコロナ禍の人々のニーズに合致したと想定される。
・新型コロナウイルスの影響による支援依頼では、エンターテイメントや飲食業界に対する寄付や、当該企業が提供しているサービスの購入依頼が多かった。
・衛生用品商材がプロジェクト数で2020年TOP5にランクイン。
・マスクは需要が急拡大し、2020年6月以降、多くのマスクの販売プロジェクトが登場した。
【プロジェクト発足数】
同期間中に立ち上がったプロジェクト数については、政府からの緊急事態宣言発令期間中である2020年5月が最も多く、緊急事態宣言発令前の3月におけるプロジェクト数の2倍強であった。2020年5月のプロジェクト数は、本分析期間中の1年間のみならず、過去に遡っても最多を記録した。
【新型コロナウイルスの影響に対する支援プロジェクト】
外出自粛要請が始まった2020年4月以降、コロナショックに対する支援を打ち出しているプロジェクトのうち、500万円以上の支援金額を集めているものを分析したところ、エンターテイメント業界や飲食業界で不況に陥っている企業に対する寄付や、前払いによるサービス購入支援が多くを占めた。商店街単位や地区単位での飲食・観光誘致のプロジェクトも数多く見受けられた。一方、企業向けではなく対個人への支援プロジェクトとしては、孤児・片親の子供・学生を対象としたものが見受けられた。企業・個人いずれに対する支援にせよ、コロナ禍の不況時において顕著にクラウドファンディングプロジェクト数の増加が見受けられ、不特定多数の人々から支援を受けることができるクラウドファンディングサービス自体が、数年前と比べて広く世の中に認知されていることが伺えた。
【プロダクト開発・販売に対する支援】
プロダクト開発・販売に対する支援に関して、2020年6月以降のプロジェクト発足数においては、理美容・健康関係カテゴリ商材がトップに躍進した。即時性の高い寄付による支援とは異なり、プロダクト開発・販売展開には約2ヶ月程度のタイムラグがあることが見受けられた。本分析対象期間における2019年・2020年各々でのプロジェクト数集計結果を比較したところ、TOP1-TOP4の「OAバッグ」 「玩具」 「モバイルチャージャー」 「スマートフォンアクセサリー」についてはランキングの変更はなかったが、2019年度の「腕時計」カテゴリに代わり 、2020年度は「衛生用品」カテゴリがTOP5にランクインした。単月でみると自粛開始の2020年3月以降は、「除菌器」カテゴリ がTOP5に初めてランクインし、6月以降は 「衛生用品」カテゴリが首位を維持した。
【衛生用品カテゴリ】
「衛生用品」 カテゴリのプロジェクト内容を分析したところ、コロナ禍で需要が急速に拡大したことで店頭やオンラインショップで品薄状態となったマスクの販売プロジェクトが、2020年6月以降のクラウドファンディング市場にも多く登場した。「息苦しくない」・「クール」という訴求キーワードが目立つ中、株式会社ワンモアが運営するGREEN FUNDINGサイトでは、電動ファン搭載の空気清浄マスクのプロジェクトが立ち上がった。また「除菌」という観点では、「水道水」 又は 「水道水と塩」 だけで除菌が可能となる次亜塩素酸水生成器や、UV-C(深紫外線) LED方式により3分で99%除菌が可能な大容量除菌BOXなど、世の中の感染防止対策ニーズを反映した商材が注目を集めた。
【その他カテゴリ】
最後に「衛生用品」カテゴリ以外のプロジェクトを分析したところ、過去1年間で最も支援金額を集めたものは、READYFOR株式会社のREADYFORサイトに掲載された、「新型コロナウイルス感染症拡大防止活動基金」の寄付プロジェクトであった。製品関連では株式会社マクアケが運営するMakuakeサイトで掲載された、 「容量が選べる・変えられる」特徴を持つ EcoFlow Technology社のポータブル電源が最も多くの支援金額を集めた。同サイトの歴代応援購入ランキング*4でも同社サービス史上最高額の5億円を超える支援金額を集めて終了したプロジェクトとして掲載されており、製品の利用用途が「アウトドア」、「防災」であることより、コロナ禍の3密を避ける多くの人々の行動ニーズに合致した結果であったと想定される。
クラウドファンディング市場は、完成された商品・サービスが流通する一般市場とは違い、短期間で世の中の消費者ニーズを反映した商材・サービスがプロトタイプ版を含めてリリースされる傾向が特徴的であるが、コロナ禍においてはこれまで以上に世間一般で顕在化したライフスタイルニーズや、不況に陥った多くの人々・企業への支援ニーズが、即時、プロジェクト内容に反映された結果となった。
▼本プレスリリースで使用した図表入り調査結果レポート(無料)をご要望の方は、 こちらよりご連絡ください。お問合せ内容欄に「その他」を指定し、お問い合わせ詳細欄に「クラウドファンディング動向レポート希望」 を記載して申請後、申請いただいたメールアドレス宛に資料を送付します。
▼クラウドファンディングデータベースの概要資料は以下サイトより無料でダウンロードいただけます。
https://insights.gfk.com/jp-2019crowdfundingreport
注釈
*1. 当プレスリリースにおけるクラウドファンディングとは、インターネットを介して不特定多数の人から資金調達をする仕組みを指す。支援者が金銭的支援と引き換えに財・サービスを受ける「購入型」クラウドファンディングのうち、支援者に対するリターンが主に家電製品であるプロジェクトを集計対象とした。GfKでは以下のデータベースに基づき、クラウドファンディング市場に関するレポート販売をおこなっている。
「GfK クラウドファンディングデータベース」
調査方法:国内主要クラウドファンディングサイトからプロジェクト支援実績データを収集
調査期間:2017年8月以降(日次ベース)
調査項目:プロジェクト概要、資金調達方式、プロジェクト実行者、支援者数、支援金額、目標金額、達成率 など
https://www.gfk.com/ja/products/gfk-crowdfunding-market-intelligence?hsLang=ja
*2. GfKがデータ収集を開始した2017年8月以降を指す
*3. 以下のサイト内容より抜粋
https://readyfor.jp/projects/covid19-relief-fund
*4. 以下のサイト内容より抜粋
https://www.makuake.com/discover/most-funded/
「GfK クラウドファンディングデータベース」
調査方法:国内主要クラウドファンディングサイトからプロジェクト支援実績データを収集
調査期間:2017年8月以降(日次ベース)
調査項目:プロジェクト概要、資金調達方式、プロジェクト実行者、支援者数、支援金額、目標金額、達成率 など
https://www.gfk.com/ja/products/gfk-crowdfunding-market-intelligence?hsLang=ja
*2. GfKがデータ収集を開始した2017年8月以降を指す
*3. 以下のサイト内容より抜粋
https://readyfor.jp/projects/covid19-relief-fund
*4. 以下のサイト内容より抜粋
https://www.makuake.com/discover/most-funded/
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GfK Japan
GfKはドイツを本拠とし、85年の歴史をもつグローバルマーケティングリサーチ企業です。日本拠点であるGfK Japanは、家電・IT製品を中心に、ゴルフ、玩具、眼鏡・コンタクトレンズ、ミュージック、自動車など幅広い分野において小売店パネル調査(POSトラッキング)や消費者調査で信頼と実績を蓄積して来ました。市場のグローバル化が進む今、GfKのグループ力を活かし、日本のみならず世界の市場と消費者の最新動向を提供しています。
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