平子 雄一の個展「GIFT」を2021年1月23日(土)から開催! 新作絵画・彫刻作品30点以上を発表

人間と植物の境界線とは。

KOTARO NUKAGAでは、平子 雄一(1982年 岡山生まれ)の個展「GIFT」を2021年1月23日(土)から2月27日(土)まで、開催します。


平子はペインティングを中心にドローイングや彫刻、インスタレーション、サウンドパフォーマンスなど、多岐にわたる表現方法を用いて、現代社会における自然と人間との境界線を問う作品を制作し続けているアーティストです。特にヨーロッパやアジア圏など、国内外を問わず高い評価を受けています。この度KOTARO NUKAGAでは、平面作品や立体作品など平子 雄一の新作30点以上を発表する個展を初開催いたします。

Yuichi Hirako, Gift 01, 2020, H2590xH1940mm (C)Yuichi Hirako


豊かな自然環境に恵まれた岡山で生まれ育ち、その後ロンドンに渡った平子は、都会の人々が嗜好する自然が人工的に制御されたものであることに違和感を覚え、以来一貫して自然と人間の関係性をテーマに制作を続けてきました。人間たちが心理的な癒しを求めて身近に置く自然は、観葉植物や街路樹、公園など、自然を模倣した断片に過ぎず、人間の都合に合わせて管理された本来の姿からは大きく逸脱したものです。平子は作品の中で「自然や植物を人や構造物と同等のものとして扱っています。人間の生活圏では植物の力がコントロールされ、必要ないものは排除される存在(=弱者)ですが、それらを同じレベルのものとして扱い混在させることで、人と植物の境界、内と外との境界が曖昧な状況を創造して」いると言います。


絶え間なく変化を続ける自然環境にともない、人々の自然に対する価値観も変容していくことに着目し、平子は今回の展覧会に「GIFT」と名付けました。例えば、プレゼントとして贈られた花は当初美しく咲き誇り、その美しさを保つために人は毎日水を替えて手入れを施し飾りますが、時間が経ち枯れてしまえば不要なものとみなし廃棄される対象になります。また、果てしない歳月を経た樹木が神格化され御神木として祀られるように、体感的な時間の感覚や利己的な価値観によって自然は選別され、人間に都合よく消費されていくのです。それを象徴するのが、平子の絵画にしばしば描かれる樹木と人間が融合した登場人物。人種や国籍によらず、花は誰しもがもらってうれしい必要なもの、雑草は花の成長を妨げる不要なもの、と成長の過程で無意識のうちに人間が学びとり、判断を下すプロフェッショナルになっていくことを具現化したキャラクターです。一見ユーモラスで可愛らしい姿をしていますが、人間のエゴを体現する存在です。自身の種を絶やさず繁栄するために戦略的に生み出されたフォルムを持つ美しい花も、その価値を見出した人間により咲き誇った最高潮の時点で無残にも刈り取られ切り花となり、時が経てば捨て去られる運命にあることを暗に示唆しています。


平子の絵画に描かれるシチュエーションは、一見現実にはあり得ないものばかりです。樹木がリビングルームを縦横無尽に這っていたり、頭部を木に置き換えられてしまったような人間が登場したり、昼夜の区別すら判然としません。あたかも現実から遠く切り離された夢の中の光景のようですが、絵画の中の世界は平子が普段目の当たりにしている現実世界を組み合わせた、あくまでも現実の延長として存在しており、絵画と現実をつなぎ止めているのは人間と自然の関係性という通底する視座です。寓話的な世界観を通し、自然に対して一方的な価値観を押し付けてはいないのか、改めて私たちに再考を促します。


本展では、大型の平面作品や立体作品も多数発表され、さらにスケールアップした平子の世界が鑑賞者を包み込みます。ぜひご高覧ください。



■開催概要

平子雄一「GIFT」|Yuichi Hirako GIFT

会期  :2021年1月23日(土)-2月27日(土)

開廊時間:11:00-18:00(火・水・木・土)、11:00-20:00(金)

※日月祝休廊

※国や自治体の要請等により、日程や内容が変更になる可能性があります。

※会期終了後、カタログの刊行を予定しております。



■会場 KOTARO NUKAGA

〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F

アクセス: 東京臨海高速鉄道りんかい線「天王洲アイル駅」から徒歩約8分

      東京モノレール羽田空港線「天王洲アイル駅」から徒歩約10分

      京急本線「新馬場駅」から徒歩約8分



■アーティスト

平子 雄一 Yuichi Hirako

1982年岡山県生まれ、東京都在住。2006年にイギリスのWimbledon College of Art, Fine Art, Painting学科を卒業。植物や自然と人間の共存について、また、その関係性の中に浮上する曖昧さや疑問をテーマに制作を行う。観葉植物や街路樹、公園に植えられた植物など、人によってコントロールされた植物を「自然」と定義することへの違和感をきっかけに、現代社会における自然と人間との境界線を、作品制作を通して追求している。ペインティングを中心に、ドローイングや彫刻、インスタレーション、サウンドパフォーマンスなど、表現手法は多岐にわたる。デンマーク、オランダ、シンガポール、台湾、韓国など、国外でも精力的に作品を発表している。



■作品

Yuichi Hirako, Seeding 01, 2020, H1000xH803mm (C)Yuichi Hirako

Yuichi Hirako, Anchor 01, 2020, H273xW220mm (C)Yuichi Hirako

Yuichi Hirako, Nonchooser 01, 2020, H180xH140mm (C)Yuichi Hirako

Yuichi Hirako, Tree ring 01, 2020, H530xD120xW250mm (C)Yuichi Hirako

Yuichi Hirako, Soil 01, 2020, H490xH170xD230mm (C)Yuichi Hirako

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