「アカデミー科学技術賞」を受賞

EIZO株式会社(本社:石川県白山市、代表取締役社長:実盛 祥隆)は、クリエイティブ市場向けカラーマネージメントモニター「ColorEdge CGシリーズ」の企画・開発に関して、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)が主催するアカデミー賞の一部門である「アカデミー科学技術賞」を受賞したことを発表します。


EIZOがアカデミー科学技術賞受賞


アカデミー科学技術賞は、映画界に貢献した重要な技術を生み出した企業・技術者に対して授与される賞です。このたび、ColorEdge CGシリーズに搭載されている自動キャリブレーション技術などの開発に貢献した当社社員4名が、その中の「技術貢献賞(Technical Achievement Award)」というカテゴリで受賞しました。


<受賞者>

・映像技術開発部 主幹エンジニア 上野 幸一

・映像技術開発部 主幹エンジニア 米光 潤郎

・モジュール&ものづくり統括部 シニアエンジニア 作田 淳治

・企画部 シニアプロダクトマネージャー 中島 賢人


受賞に際してColorEdge CGシリーズが審査員に高く評価されたポイントは、以下の3つです。

1) キャリブレーションセンサーと呼ばれる画面の色や明るさを測定するセンサーをモニター筐体に内蔵し、自動でキャリブレーションが可能なこと

2) 画面表示の輝度・色度ムラを抑え、表示均一化を図るデジタルユニフォミティ補正回路を搭載していること

3) 他のソフトウェアとの連携を容易にするSDK(ソフトウェア開発キット)を提供していること


アカデミー科学技術賞の授賞式は、米国時間:2021年2月13日13時(日本時間:2月14日6時)から映画芸術科学アカデミーのWebサイトにてインターネット配信で開催されます。

また、受賞の詳細について紹介したスペシャルページをEIZO Webサイトに公開します。(2月3日10時公開)

https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/color_management/coloredge-academy/



■キャリブレーションセンサー内蔵技術の歴史について

クリエイターが制作や色確認に使用するモニターは、常に正確な表示状態を保持する必要があり、それには定期的なキャリブレーション(画面表示品位の維持管理作業)が必要不可欠です。一般的なモニターでは、作業者が都度、キャリブレーションセンサーをモニターに取付け、専用のソフトウェアを実行します。しかし、キャリブレーションセンサーを内蔵したColorEdge CGシリーズでは、定期的なキャリブレーションはモニターが自動で行います。これにより、キャリブレーションに伴う作業者の手間を軽減し、維持管理コストの削減や業務効率向上を図ることができます。


当社のキャリブレーションセンサー内蔵技術の開発は、ヘルスケア市場における、X線やCTなどの医用画像を表示するモニターの開発研究が原点です。同市場では、医師や放射線技師が正しい読影を行うために、画像を忠実に再現し常に安定した表示品質を維持できるモニターが求められます。そのニーズに応えるため、2005年に初めて、安定した輝度測定ができるキャリブレーションセンサーを内蔵したモノクロ医用表示モニターを発売しました。

その後、ヘルスケア市場での研究開発に培ったノウハウを、同じく正確な表示が求められるクリエイティブワーク市場に展開。2010年発売の「ColorEdge CG245W」において、世界で初めて※1カラーでキャリブレーションができるセンサーを筐体に内蔵し、キャリブレーションの自動化を実現しました。


当社は、液晶モニターのみならず、キャリブレーションセンサーも、自社で開発・生産しています。キャリブレーションセンサーの開発においては、その測定精度の向上、センサーの小型化、ユーザーインターフェイスの向上に常に取組み、進化させてきました。モニターが常に正確な表示を維持することで、クリエイターは色の管理・調整をモニターに委ね、制作に集中することができます。

※1 当社調べ



■当社の代表取締役社長 実盛 祥隆からのコメント

『これまで映像制作のプロフェッショナルの皆様のご要望にお応えし、皆様の作品づくりに貢献してこられたことを、ここに改めて感謝いたします。

また、今回の受賞が、社員の創造力、問題解決力、そしてものづくりへの情熱を培う企業風土によりもたらされたことを誇りに思います。

当社社員のさまざまな業界における多様な経験の蓄積が、新しいイノベーションを生み出し、これが当社のさらなる飛躍の足がかりになることを確信しています。今後とも高品質で洗練されたイメージングソリューションを通じて業界の発展に寄与するというEIZOの使命を果たしてまいりたいと存じます。』



■国内外の制作スタジオからのコメント

世界中の制作スタジオで、ColorEdgeを使って感動を与える作品が生み出されています。今回のアカデミー科学技術賞受賞に際し、制作にColorEdgeを使用している著名な制作スタジオからコメントをいただきました。(社名50音順記載)


『アカデミー科学技術賞受賞おめでとうございます!EIZOのモニターの信頼性があったからこそ、わたしたちはクリエイターの方々と正確なコミュニケーションがとれ、数々の映画作品・アニメーション作品を仕上げることができました。これまでのサポートに対し、EIZOのスタッフの皆様に感謝いたします。』

- 株式会社IMAGICA Lab.


『当社は、セルフキャリブレーションできるEIZOモニターを導入して以来、その表示画質や性能に大変満足しています。EIZOの皆様と歩んできた道のりに喜びを感じ、アカデミー科学技術賞の審査会で、EIZOがこのような高評価を受けたことに感動しています。』

- Industrial Light & Magic(米国 特殊効果・VFXスタジオ)

【代表作品】 「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年)」、「マンダロリアン(2019年TVドラマ)」、「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(2018年)」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年)」、「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年)」、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年)」


『受賞は…EIZO!! アカデミー科学技術賞受賞、おめでとうございます。EIZOのモニターは、私たちが手掛けるハリウッドの大作映画やテレビ映像のVFX制作に、非常に貢献してくれています。一例を挙げると、「Dune(2021年米国公開予定)」、「ターミネーター:ニューフェイト(2019年)」、「ビースティ・ボーイズ・ストーリー(2020年)」、「The Stand(2020年米国TVドラマ)」などです。その功績は受賞に値します。』

- Wylie VFX(米国 VFXスタジオ)


『挑戦的でやりがいのある道のりでした。私たちの技術的なパートナーシップが実を結び、EIZOのチームでの素晴らしい仕事が評価されたことを嬉しく思います。』

- Walt Disney Animation Studios(米国)

【代表作品】 「ラーヤと龍の王国(2021年3月劇場公開)」、「アナと雪の女王2(2019年)」、「シュガー・ラッシュ:オンライン(2018年)」


『映像制作業界において色を正確に判断できることは、基本となります。EIZOは私たちのニーズに応え、私たちが求める高い基準を熱心に理解し、業界に共有してくれる貴重なパートナーです。その努力が評価され、業界最高の賞を受賞したのは当然のことです。EIZO は作品づくりに欠かせない存在であり、EIZOの強みは、真の技術的なパートナーシップを築こうとするチームの姿勢にあると感じます。アカデミー科学技術賞受賞、おめでとうございます。』

- MPC Film(英国 VFXスタジオ)

【代表作品】 「ゴジラvsコング(原題、2021年公開予定)」、「1917 命をかけた伝令(2019年)」「ジャングル・ブック(2016年)」


『「劇場に足を運んでくれるお客さんに、制作者が意図した色を届けたい」を目指し、フィルム時代からの課題を解決してくれたのが、ColorEdgeシリーズです。デジタルだからこそ、より身近にそして手軽にカラーマネージメントできるこの時代と、ColorEdgeで作業することに積極的に協力してくれたポストプロダクションスタジオ、グレーダー、そしてEIZOの技術者に感謝しています。モニターの管理においても、ColorNavigatorによって、スタジオ内だけでなく共同作業する外部のスタッフも含めて総合的に管理でき、制作を裏でしっかりと支えてくれています。』

- 株式会社白組

【代表作品】 「STAND BY ME ドラえもん 2(2020年)」、「アルキメデスの大戦(2019年)」


『EIZOモニターのハードウェアで最も優れている点は、自動でキャリブレーションできるところです。責任者としては、見ている画面の色が正確であることが非常に重要な要素となります。』

- Skydance Media(米国 制作会社)

【代表作品】 「ターミネーター:ニューフェイト(2019年)」


『アカデミー科学技術賞受賞おめでとうございます。ジブリ作品では「コクリコ坂から」以降、すべての作品の制作現場で使用してきました。もちろん現在も。デジタル映像制作には必須となったキャリブレーションモニターの先駆者である、EIZOの開発チームに敬意を表します。』

- 株式会社スタジオジブリ

【代表作品】 「思い出のマーニー(2014年)」、「風立ちぬ(2013年)」


『私たちのアカデミー賞受賞作品は、アカデミー科学技術賞を受賞した技術パートナーへの信頼があってこそ生み出されます。この度の栄えある受賞について、EIZOの皆様に心よりお祝い申し上げます。DNEGは、EIZOのセルフキャリブレーションができるColorEdgeモニターを自社のVFX設備にグローバルに導入しており、常に最高品質の映像体験をお届けできることを誇りに思います。』

- DNEG(英国 VFXスタジオ)

【代表作品】 「Dune(2021年米国公開予定)」、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(2021年公開予定)」、「ワンダーウーマン 1984(2020年)」、「TENET テネット(2020年)」


『おめでとうございます!EIZOのメンバーがこのように優れた功績を成し遂げたことは、私たちにとっても大変喜ばしいことであり、誇りに思います。「ファインディング・ドリー(2016年)」以降のすべてのピクサー映画は、EIZOのモニターを使って制作されています。賞を授けたアカデミーを称賛します。』

- Pixar Animation Studios(米国)

【代表作品】 「ソウルフル・ワールド(2020年)」、「トイ・ストーリー4(2019年)」、「リメンバー・ミー(2017年)」


『制作用のCRTモニターの置替えとしてEIZOモニターは最も適していました。当社では、その後、セルフキャリブレーションモデルを導入し、厳密な色表示が必要なCGアーティストの標準モニターとなりました。EIZOのモニターは、私たちがグローバルに安定した画質表示を維持することを可能にしてくれます。今回の受賞は、EIZOの技術力と業界への貢献が評価されたものであり、EIZOに心よりお祝い申し上げます。』

- Framestore(英国 VFXスタジオ)

【代表作品】 「ミッドナイト・スカイ(2020年)」、「ムーラン(2020年)」、「ザ・クラウン(2016年TVドラマ)」


『この度のEIZOの栄えある名誉、おめでとうございます。キャリブレーションセンサー内蔵のColorEdgeは、アカデミー賞受賞作品を含む私たちのすべてのVFX制作に使用されています。ColorEdgeはグローバルでの一貫した色管理の要であり、常に正確な色を当社のアーティストに提供し、作業を進めやすくしてくれています。』

- Method Studios(米国 VFXスタジオ)


『このような名誉ある賞をEIZOの友人やその同僚が受賞したと聞いて、とても興奮しています!EIZOの「ColorEdge CGシリーズ」とカラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator」のおかげで、LAIKAの映画の中で、最も緑豊かな世界を表現できるようになりました。EIZOの皆様の製品をより良くしようとするたゆまぬ努力に感謝するとともに、この度の快挙を心からお祝い申し上げます。』

- LAIKA(米国 アニメーションスタジオ)

【代表作品】 「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(2019年)」、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016年)」、「ボックストロール(2014年)」、「パラノーマン ブライス・ホローの謎(2012年)」、「コララインとボタンの魔女(2009年)」



EIZO、EIZOロゴ、ColorEdgeはEIZO株式会社の登録商標です。ColorNavigatorはEIZO株式会社の商標です。その他記載されている会社名および作品名は、各社の商標または登録商標です。


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