全国介護事業者連盟、 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言発出に係る影響について 『緊急調査』結果を公表し、要望書を提出
2021.02.05 11:45
一般社団法人全国介護事業者連盟(本部:東京都千代田区、理事長:斉藤 正行)は、2021年1月29日、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言発出に係る影響について『緊急調査』結果を公表いたしました。
全国的に感染拡大が深刻化し、1月8日に再発令された緊急事態宣言が3月7日まで期限延長されるなど、医療の逼迫と介護事業への影響は深刻さを増しています。
全国的に介護・福祉施設でのクラスター発生は続いており、地域やケースによっては速やかなPCR検査及び入院対応が困難なケースも散見されることから、経営への影響と合わせて新型コロナウイルス感染症の陽性者発生に係る実態把握を行いました。
利用者に陽性者が発生した180事業所のうち、対象者がスムーズに入院できたのは57.8%、スムーズでなかったと回答したのは22%となっています。
また、利用者や職員に発熱等の症状があり保健所へPCR検査を要請した場合も、迅速に検査が行われたのは48.6%にとどまり、濃厚接触者のPCR検査についても迅速に行われたと回答したのは44.9%でした。
一方、陽性となった利用者が医療機関への入院が困難である場合、介護サービスの提供に必要な体制が整っているかの問いには、57.4%の事業所が整っていると回答しており、介護事業所において陽性者のケアに当たることをある程度想定していることがうかがえます。
「通常の業務を行う介護職員の増員」が26.6%(490件)で最も多く、次いで「感染防止の知識を有する介護職員の増員」が19.5%(358件)、またその他の回答では「看護師の配置」が79件含まれていることから、速やかなPCR検査、医療との連携に加え、人員体制の補強に係る各種支援の充実強化が求められていることが明らかになりました。
この結果に基づき、『再度の緊急事態宣言に伴う新型コロナウイルス感染症に対する介護事業者への支援要望』を取りまとめ、本連盟顧問の先生方を中心に要望書を提出いたしました。
要望内容については、下記のとおりです。
◆継続的な対策検討を講じて頂きたい要望事項
(1)陽性となった要介護高齢者へのサービス提供に対する経費補助等の支援策の継続
(2)陽性となった要介護高齢者の入院待機の早期解消に向けた医療体制の確保
(3)要介護高齢者及び介護従事者に対する優先的なPCR検査体制の確保
◆可及的速やかに検討頂きたい要望事項
(1)高齢者の自粛に伴う健康2次被害に対する課題分析を目的とした調査実施の検討
(2)ワクチン接種について、クラスター発生リスクの高い「通所系サービス」「短期入所系サービス」の職員に対する入所・居住系事業所職員と同様の優先順位の検討
◆一般社団法人全国介護事業者連盟の団体概要
・所在地 :東京都千代田区麹町4-1-4 西脇ビル404
・設立日 :2018年6月11日
・一般会員数:978法人 8,448事業所 ※2021年2月1日時点
理事長:斉藤正行 (株)日本介護ベンチャーコンサルティンググループ 代表取締役
副理事長:久野義博 (株)日本ヒューマンサポート 代表取締役 埼玉
副理事長:永井正史 社会福祉法人慶生会 理事長 大阪
副理事長:原口秀樹 (株)フロンティア 代表取締役 愛知
副理事長:水戸康智 (株)MOEホールディングス 代表取締役 北海道
理事:池田元気 (株)元気な介護 代表取締役 北海道
理事:國本正雄 医療法人健康会 理事長 (株)健康会 代表取締役 北海道
理事:荒井浩司 (株)サムエス 代表取締役 群馬
理事:岩崎英治 (株)グレートフル 代表取締役 埼玉
理事:山本教雄 メディカル・ケア・サービス(株) 代表取締役 埼玉
理事:小川義行 イー・ライフ・グループ(株) 代表取締役 東京
理事:袴田義輝 HITOWAケアサービス(株) 代表取締役 東京
理事:浜岡邦雅 セントケア・ホールディング(株) 取締役執行役員 東京
理事:三重野真 日本ホスピスホールディングス(株) 執行役員 東京
理事:宮本剛宏 (株)ケアリッツ・アンド・パートナーズ 代表取締役 東京
理事:小林久美子 (株)ツクイ 取締役 神奈川
理事:高田大輔 社会福祉法人横浜来夢会 理事長 神奈川
理事:田島哲 アサヒサンクリーン(株) 代表取締役 静岡
理事:林隆春 (株)アバンセライフサポート ファウンダー 愛知
理事:谷口直人 (株)日本介護医療センター 会長 大阪
理事:松本真希子 社会福祉法人あかね 理事長 兵庫
理事:森剛士 医療法人社団オーロラ会 理事長 (株)ポラリス 代表取締役 兵庫
理事:福嶋裕美子 (株)ドルフィンエイド 代表取締役 社会福祉法人ドルフィン福祉会 理事長 岡山
理事:森永常夫 (株)ケア・ステーション 取締役 香川
直前理事長・理事:野口哲英 メドックスグループ 代表
監事:徳田孝司 辻・本郷税理士法人 理事長(公認会計士・税理士)
監事:田辺克彦 田辺総合法律事務所 代表パートナー(弁護士)
【設立趣旨】
日本は超高齢社会を迎え、世界でもっとも高齢化率の高い国となりました。生産年齢(労働)人口は減少し、2035年には高齢化率は33%を超えると予想され、人口構造は世界でどの国も、いまだ経験したことのない領域へ入ります。こうした時代の流れに、日本国民の多くが将来に対する漠然とした不安を抱えている状況にあります。この国家的課題を乗り越えるためにも、持続可能な社会保障制度の確立が不可欠であります。社会保障制度の一翼を担う介護保険制度の持続可能性の実現には、介護現場の視点から、実証データやエビデンスを基にした具体的提案が求められます。現在の介護業界は、各サービス・法人種別ごとの団体が多数存在しており、約190万人と言われる介護職員は各団体に細分化された形で活動を行なっている状況にあります。従来の発想を超えたパラダイムシフトが介護業界に、今こそ求められています。日本国民誰もが安心した老後生活を過ごせる社会を実現するために、業界全体が一団となる時を迎えています。一般社団法人全国介護事業者連盟は、「介護の産業化」と「生産性の向上」実現が、持続可能な介護保険制度確立の2大テーマであるとの考え方の下に、法人・ サービス種別の垣根を超えた介護事業者による団体として設立いたしました。
【活動目的】
持続可能な介護保険制度の実現へ、医療との連携を図り、介護現場視点による制度・政策への提言・情報発信を行う。
【5大政策方針】
(1)現場視点によるサービス品質向上を目的とした制度改革の推進
(2)科学的介護手法の確立と高齢者自立支援の推進
(3)業務効率の向上を目指し、制度のシンプル化、介護現場のICT化・ロボット活用の推進
(4)介護職の処遇改善・ステータス向上等の人材総合対策の推進
(5)将来を見据え、海外・アジアの介護産業化の推進