JAXAと共同開発した新装置を商品化! 油圧式ワンタッチカプラ「ワンキャッチ」販売開始
2021.02.15 10:30
建設機械アタッチメントメーカーの株式会社タグチ工業(本社:岡山市、代表取締役:田口 裕一)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブが実施した研究提案募集に採択され、2016年より研究を進めてきました。研究課題は「遠隔操作およびアタッチメントの自動脱着可能な軽量建機システムの開発と実地検証」。このテーマのもとにJAXAと共同で開発を進めてきた新装置、油圧式ワンタッチカプラ「ワンキャッチ」の販売を開始します。
ワンキャッチ(OC-122H) 製品写真
■アタッチメントが遠隔操作で自動着脱可能な「ワンキャッチ」
近年、地上での都市開発に伴う高層ビルの内装解体工事等の需要増や災害現場への対応など、地上用建設機械は軽量化や遠隔化、自動化が課題となっています。一方、月面拠点基地建設を想定した宇宙用建設機械は、地球上からの輸送コスト削減のための軽量化や、無人作業を可能とするための操作の遠隔化・自動化がより求められています。
そこで、タグチ工業が同プロジェクトで研究に取り組んだのが「12tonクラス油圧ショベル用 アタッチメント着脱装置」の開発でした。通常のアタッチメントの取り付け作業は、技術と経験のあるスタッフが工具を利用し、油圧ショベルの先端に直接アタッチメントを装着します。今回発表した新製品「ワンキャッチ」は、ショベルとアタッチメントの間をとりもつコネクターのような装置です。これをショベルの先端に装着することによって、油圧ショベルのキャビンからの誰でも容易に操作できる遠隔操作でアタッチメントの着脱が可能になりました。
ショベルとアタッチメントの間をとりもつコネクターのような装置
「ワンキャッチ」自動着脱イメージ
アタッチメント着脱部分は、可動しない「固定側フック」と可動する「可動側フック」の2種類から成ります。油圧式ワンキャッチは、フックそれぞれをキャビンのリモコンから遠隔操作し、アタッチメントのアーム側とリンク側の取付ピンに引っ掛けて行うことが可能です。これにより、アタッチメントの着脱作業を遠隔操作で容易に行うことができるのです。
フック箇所
■JAXAと共同で特許を出願した新アタッチメント。
このワンキャッチ、すなわち「12tonクラス油圧ショベル用 アタッチメント着脱装置」は、JAXAと共同での特許の出願を行っています。また、「ワンキャッチ」には、アタッチメントの脱落事故を防ぐ「オートロック機構」が装備されているのも大きな特徴です。既存の同類商品よりも、さらに安全を期したロック機構が搭載されています。
可動側フックが万が一外れても、固定側フックだけでアタッチメントを保持できる
今後もタグチ工業では、建設機械の遠隔操作化、電動化、機能の自動化などの新たなシステムを設計、搭載したアタッチメントの新商品化を目指してまいります。
【TAGUCHI 宇宙探査イノベーションハブ研究成果 特設ページ】
https://www.taguchi.co.jp/ihub-taguchi/
■会社概要
商号 : 株式会社タグチ工業
代表者 : 田口 裕一
所在地 : 岡山市北区平野561-1
設立 : 1962年(昭和37)4月
事業内容 : 建設機械アタッチメント、各種機械の設計・製作
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