書籍「海とヒトの関係学」シリーズ 第4巻「疫病と海」刊行のお知らせ
2021.03.02 09:00
笹川平和財団海洋政策研究所(東京都港区、所長:角南 篤)は2021年3月4日、「海とヒトの関係学」シリーズの第4巻「疫病と海」を刊行いたします。
「海とヒトの関係学」シリーズは、海洋政策研究所が2000年から19年にかけ「Ocean Newsletter」を通じて発信を続けてきた海の様々な問題に関する論考を、重要なテーマ別に再編集し、一部加筆したものです。海の諸問題について、「海」をキーワードに活動する多種多様な方々の視点から考察し、その本質と課題を浮き彫りにしていくことを目指しています。これまでに第1巻「日本人が魚を食べ続けるために」(2019年2月)、第2巻「海の生物多様性を守るために」(2019年2月)、第3巻「海はだれのものか」(2020年3月)を刊行してきました。
第4巻「疫病と海」では、人類の歴史において"海"が、文明や文化を伝える道として大きな役割を果たしてきた一方で、疫病などの災禍をもたらす媒介であったことを正面から捉えています。海を越えて運ばれてきた疫病と人類の歴史を国際法、疫学、人類生態学、国際政治学、海洋生態学など分野横断型のさまざまな切り口から検証し、海からの将来へのメッセージを提示することを目指しました。書店でぜひ一度手にとってお読みください。
「海とヒトの関係学」シリーズ第4巻「疫病と海」
定価: 本体1,600円(税抜き)
発行: 株式会社西日本出版社
ISBN: 978-4-908443-59-6
<目次>
はじめに 疫病の海洋人類史(秋道 智彌)
第1章 疫病の人類史
1. 感染症の人類史(門司 和彦)/2. ラパヌイ(イースター島)の歴史を引き裂いた感染症ウイルス(片山 一道)/コラム エルナン・コルテス上陸後の大惨事(江藤 由香里)/3. カナダ先住民の疫病との戦い―北西海岸地域のハイダと極北地域のイヌイット(岸上 伸啓)/コラム 日本への梅毒伝播と大航海時代(黒嶋 敏)
第2章 疫病と海運
4. クルーズ船と感染症(田中 三郎)/コラム ダイヤモンド・プリンセス号が問うもの(坂元 茂樹)/コラム 瀬戸内海巡回診療船「済生丸」(岩本 一壽)
第3章 水産物・海洋生態系をとりまく疫病と汚染
5. いま持続可能な水産業の実現に向けて(小林 正典)/6. 養殖の死角―水環境に蓄積される薬剤耐性遺伝子(鈴木 聡)/コラム 環境ホルモンによる海洋汚染とクジラ・アザラシ・ホッキョクグマへの影響(岩田 久人)
第4章 疫病を封じ込める
7. 19世紀前期の日本北方における感染症対策―天然痘とアイヌの関わりから(永野 正宏)/8. 江戸時代における疫病の水際対策(橋村 修)/コラム 海の近代中国と感染症(村上 衛)/9. 水際作戦の歴史―明治日本の海港検疫(市川 智生)/コラム コロナ時代に再考されるべき病院船(砂田 向壱)
第5章 疫病からの再生
10. 孤島の風土病(飯島 渉)/11. パンデミックがもたらす新たな国際安全保障(秋元 一峰)/12. ヒトをつなぐための海(秋道 智彌)
おわりに「ブルー・リカバリー」に向けて(角南 篤)
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