冨士色素の次世代型二次電池事業の提案が、 NEDO「国際研究開発/コファンド事業」として採択
廃プラスチックとCO2から触媒変換により合成するグリーン溶剤を リチウムイオン電池、リチウム硫黄電池の電解液として応用
2021.03.09 10:30
冨士色素株式会社(本社:兵庫県川西市、代表取締役社長:森 良平)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した2020年度「国際研究開発/コファンド事業」にスペイン企業との共同研究開発事業(以下「本研究プロジェクト」)を応募したところ採択され、2021年3月より本研究プロジェクトを開始することをお知らせ致します。
開発中のリチウム硫黄電池試作品
スペインの中小企業であるBluePlasma Powerがジメチルカーボネート(DMC)を含む各種のカーボネートや化学物質を、触媒を用いた熱プラズマ法により廃プラスチックとCO2から合成します。そしてスペインのプラスチック技術の研究機関であるAIMPLAS(TECHNOLOGICAL INSTITUTE OF PLASTICS、本社:スペイン、バレンシア州)とも、特に先進技術的な観点で共同研究します。実施期間は、2年間を予定しています。
本研究プロジェクトにおいて冨士色素は、同社傘下グループのGSアライアンス社と連携して、同社の開発しているリチウム過剰型正極、SiO系負極、金属有機構造体由来の電極などを用いた次世代型リチウムイオン電池や、リチウム硫黄電池の電解液として、廃プラスチックとCO2から合成したグリーン溶剤を応用する検討を進めます。
■会社概要
商号 : 冨士色素株式会社
代表者 : 代表取締役社長 森 良平博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-23-2
事業内容: 環境、エネルギー分野の最先端材料、技術の研究開発
URL : http://www.fuji-pigment.co.jp/company/profile.html、
■リチウム硫黄電池
リチウム硫黄電池は高い理論容量で注目される次世代型二次電池の一種であり、負極にリチウム、正極に硫黄を使用した電池です。リチウムの原子量が小さく、硫黄の原子量もコバルトなどの遷移金属より小さいことから、リチウム硫黄電池は比較的軽量になり得ます。硫黄の理論容量は約1670mAh/gであり、従来のリチウム二次電池の正極活物質であるコバルト酸リチウム (LiCoO2、約140mAh/g)の10倍程度と高いうえに、硫黄の資源量が豊富で安価なためリチウムイオン電池の後継になり得るとされています。