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400社に聞いた「企業の女性活躍推進」実態調査2021 -『人事のミカタ』アンケート-

女性社員の活躍・定着に取り組んでいる企業は41%。 2018年と比較して11ポイント減少。 女性管理職比率が30%を超えた企業は、1割にとどまる。

人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)が運営する人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com)上でサイトを利用している企業の人事担当者を対象に「女性の活躍推進」についてアンケート調査を行ない、415社から回答を得ました。以下、概要をご報告します。

調査結果 概要

★ 女性社員の活躍・定着に取り組んでいる企業は41%、2018年と比較し11ポイント減少。具体的な取り組みは「福利厚生制度の充実」と「勤務形態の多様化」。

★ 女性社員の活躍推進における課題は「ロールモデルの不在」が大幅に増加。2018年時の課題第1位「女性社員の目標設定」は24ポイント減少。

★ 53%が「女性社員の活躍・定着への取り組みは企業業績を高めることに好影響」と回答。

★ 直近1年間で女性管理職比率が増加した企業は14%。女性管理職比率が30%を超えた企業も、1割にとどまる。


調査結果 詳細

1:女性社員の活躍・定着に取り組んでいる企業は41%、2018年と比較し11ポイント減少。具体的な取り組みは「福利厚生制度の充実」と「勤務形態の多様化」。(図1、図2、図3、図4、図5)


女性社員の活躍・定着に取り組んでいるか伺ったところ、41%が「取り組んでいる」と回答。前回2018年に実施した調査と比較し、11ポイント減少しました。また、2021年の結果を企業規模別で見ると「取り組んでいる」と回答したのは、従業員数301名以上は71%(2018年:66%)、従業員数300名以下は34%(同:49%)でした。特に中小企業での取り組みに課題があることが分かりました。


女性社員の活躍・定着に「取り組んでいる」と回答した企業に、具体的な取り組みについて伺いました。トップ3は2018年の調査と同様「出産・育児をサポートする福利厚生制度の充実」(2021年:72%、2018年:67%)、「時短勤務・テレワークなどの勤務形態の多様化」(同:60%、52%)、「管理職への積極登用」(同:50%、44%)でした。引き続き、育休へのサポートや復帰後の勤務形態の多様化に対応することで、女性社員の活躍・定着を後押しする考えの企業が多いようです。


【図1】貴社では女性社員の活躍・定着に取り組んでいますか?(2021年、2018年比較)


【図2】貴社では女性社員の活躍・定着に取り組んでいますか?(2021年、企業規模別)


【図3】貴社では女性社員の活躍・定着に取り組んでいますか?(従業員数301名以上・2021年、2018年比較)


【図4】貴社では女性社員の活躍・定着に取り組んでいますか?(従業員数300名以下・2021年、2018年比較)


【図5】女性社員の活躍・定着に「取り組んでいる」と回答した企業に伺います。どのような取り組みをされていますか?(複数回答可)


2:女性社員の活躍推進における課題は「ロールモデルの不在」が大幅に増加。2018年時の課題第1位「女性社員の目標設定」は24ポイント減少。(図6)


「女性社員の活躍・定着に対して、課題と感じられることはありますか?」と伺ったところ、「社内に女性のロールモデルがいない(少ない)」(2021年:43%、2018年:19%)、「女性社員の意識」(同:43%、37%)が上位となりました。特にロールモデルの不在については、2018年の調査と比較して24ポイント増加し、課題ととらえる企業が増えたことが伺えます。一方、2018年の調査で第1位だった「女性社員の目標設定」(2021年:21%、2018年:45%)は大幅に減少しました。

 

【図6】女性社員の活躍・定着に対して、課題と感じられることはありますか?(複数回答可)


「社内にロールモデルがいない(少ない)」と回答した企業

・差別をするわけではないが、お局化してしまっている社員が多数おり、扱いが難しい。(サービス関連/101~300名)

・家庭中心の社員がほとんどで、管理職以上の昇格を望んでキャリアを築く女性が少ない。(メーカー/301~1000名)


「女性社員の意識」と回答した企業

・家事育児については、女性が中心となって担うという意識がまだまだ男女ともにあり、女性社員のパートナーの協力やパートナーの職場の理解が得にくい。(サービス関連/1~10名)

・家庭に重きを置き、仕事で活躍することを希望していない女性が多い。(金融関連/1001名以上)


「仕事内容」と回答した企業

・報道の仕事を行なっており、深夜勤務を週に1度必ず入れなければならない。若いうちは良いが、年齢を重ねると負担だという声をよく聞く。(広告・出版・マスコミ関連/31~50名)

・ビルメンテナンス部門では夜勤があり、女性社員への配慮の面で対応できていない部分がある。(不動産・建設関連/1001名以上)


「経営層の意識」と回答した企業

・経営陣を含めて考えが変わらなければ、企業が変わるわけもない。会社の方向性についていろいろ提案しても、聞く耳を持たない。(サービス関連/1~10名)

・社内全体で、女性はアシスタントという認識を変えていかなければならない。(商社/51~100名)



3:53%が「女性社員の活躍・定着への取り組みは企業業績を高めることに好影響」と回答。(図7)


「女性社員の活躍・定着への取り組みは、企業業績を高めることに影響があると思いますか?」と伺ったところ、53%が「影響がある」と回答しました。2018年の調査では67%が「影響がある」と回答しており、ポジティブな受け止め方をする割合が低下しています。コメントでは「男性社会の中で思考が固まってきているが、女性の別の思考が混じることで今までと異なるアプローチができるようになる」(流通・小売関連/101~300名)といった多様性に関する意見や、「男女問わず優秀な社員を活用し、正当な評価を行ない、定着させることは、業績に影響する」(不動産・建設関連/1001名以上)など性差に関わらず社員の活躍が重要だという意見が寄せられました。


一方で「影響がない」「わからない」と回答した企業からは「直接の相関性はないと思うが、可能性が広がるという意味で、結果的に影響はあるかもしれない」(サービス関連/1~10名)や「素養があれば、性差は関係ない。女性ということをあまりにも意識することで悪い意味での影響があるのではないか」(広告・出版・マスコミ関連/11~30名)といった意見が寄せられました。社員の活躍を推進する上で、女性であることを殊更に意識すべきではないという考えの企業が多いようです。


【図7】女性社員の活躍・定着への取り組みは、企業業績を高めることに影響があると思いますか?(2021年、2018年比較)


4:直近1年間で女性管理職比率が増加した企業は14%。女性管理職比率が30%を超えた企業も、1割にとどまる。(図8、図9、図10)


直近1年間での女性管理職比率の変化について伺ったところ、14%が「増加した」と回答しました。企業規模別に見ると、従業員数301名以上の企業では29%、従業員数300名以下の企業では10%でした。企業規模に関わらず「変わらない」(全体:82%、301名以上:65%、300名以下:86%)が最も多く、女性管理職比率の引き上げには課題が残ることが分かりました。


実際の管理職比率を伺ったところ、30%を超えた企業は10%にとどまりました(31~40%:3%、41~50%:2%、51%以上:5%)。2018年の11%(同:4%、3%、4%)と比べ、著しい変化はありませんでした。


従業員数301名以上の企業には、女性活躍推進に向けた行動計画の策定などが2016年から義務付けられました。しかし、従業員数301名以上の企業で管理職比率が30%を超えたと回答したのは12%(同:3%、1%、8%)にとどまりました。政府の掲げる「指導的地位に占める女性の割合を30%程度」に上昇させる目標の達成が難しい実態が分かりました。

 

【図8】貴社の女性管理職比率は、直近1年間で増加しましたか?


【図9】貴社の女性管理職比率はどのくらいですか?(2021年、2018年比較)


【図10】貴社の女性管理職比率はどのくらいですか?(2021年、企業規模別)


【調査概要】

■調査方法:インターネットによるアンケート

■調査対象:『人事のミカタ』(https://partners.en-japan.com/)を利用する企業

■有効回答数:415社

■調査期間:2021年2月3日~3月9日


人事向け総合情報サイト『人事のミカタ』

https://partners.en-japan.com/

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