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わが国最大の課題 社会保障費解決のカギは団塊の健康行動が握る  「コロナ下での行動」に関する“中高年大人世代”対象の調査結果

「人生100年時代 未来ビジョン研究所」レポートV 「社会保障費解決のカギは団塊の健康行動が握る」

人生100年時代未来ビジョン研究所(代表:阪本 節郎)は、2020年6月11日~6月13日、及び、2021年3月19日~3月26日に、40~70代の“中高年大人世代”を対象として「コロナ下での行動」に関するインターネット調査を実施し、2021年5月10日に第5弾の調査結果を発表しました。

いま、この世代は大きく変化し、高齢社会を大きく変えようとしています。2年後には、国民全体の平均年齢が50歳に達し、4年後には団塊ジュニア(真正)もすべて50代以上となり、日本の人口構造が劇的に変化します。それ以上に生活者の意識と行動が変化しています。新型コロナウイルスはさらにその変化を加速させています。



●新大人緊急調査 2021/03/19~26 全国男女 1308s

●新大人調査   2020/06/11~13 全国男女 1864s



直近の“コロナ第三波の直下”、“第一波・第二波の間”の2つの調査からそのことを明らかにして行きます。


「社会保障費の増大」は、少なくとも財政上はわが国最大の社会課題であり、2025年問題すなわち団塊世代(*真正)全員が75歳以上の後期高齢者になったときに社会保障費が激増して問題化するといわれています。


(1)新型コロナで、健康への考え変化は、1位「感染症」、2位「コロナ前より健康を」、3位「基礎体力をつける」。

(2)何らかの「介護予防」への具体的行動有りは、60代82.2% 70代91.0%。最も当事者といえる70代は9割がアクション有り。

団塊の世代含む70代が「介護予防」の「具体的アクション」をしている上に、コロナでさらに健康意識が高まっている。

-これが現実化して、団塊の世代が要介護になることが避けられれば、日本の社会保障費の問題は解決に向かう

-そのことで、より若い世代の負担を減らし、やむを得ず要介護になった人にはより厚い介護が可能になるといえます。これを支える現状および意識としては、

(3)「いまの自分は“健康”だ」という40-70代は68.7%と約7割に達する。70代だけでも、68.2%とほぼ7割。

(4)「健康を向上させて生活を充実させたい/楽しみたい」は91.2%と9割を超える。健康は生活を充実/楽むための手段。

(5)「健康不安を感じる」のも、71.4%と約7割。ただし、「やや」の割合が53.5%と高く「なんとなく不安」が多いとみられる。

(6)「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」は93.9%と9割を超える。

とあり、70代の7割が健康で、しかも健康への強い意欲があるために、これを後押しすることで、現在の後期高齢者の要介護率31.6%(**)を低減させ社会保障費増大の解決へと向かう可能性が大いにあるといえるでしょう。


*団塊の世代

真正団塊世代/1947-49(昭和22-24)年 現在71-74歳、広義の団塊世代/1947-49(1951(昭和22-26)年 69-74歳

**要介護率

65歳以上(高齢者)要支援含む17.8% 要介護のみ12.9%/75歳以上(後期高齢者)要支援含む31.6% 要介護のみ23.1%

出典:総人口:総務省統計局「人口統計」H30/1/1確定値に要介護人口:厚労省老健局「介護保険事業状況報告」H29年度末年報を掛け合わせて、未来ビジョン研究所にて算出(<参考>参照)



■新型コロナで、健康への考え変化は、1位「感染症」、2位「コロナ前より健康を」、3位「基礎体力をつける」。

40-70代で、新型コロナウイルスによる健康に対する考え方の変化について、1位「感染症を気にするようになった」27.6%、2位「コロナ前より健康を気にするようになった」21.6%、3位「コロナ前より基礎体力をつける必要を感じている」15.3%。

ただ、団塊の世代含む70代に関しては3位の「コロナ前より健康を向上させて生活をさらに充実させたい/楽しみたい」が40-70代のなかで最も高く、「健康と人生」に対するポジティブな割合が相対的に高かったといえます。


図1


■何らかの「介護予防」への具体的取組有りは、60代82.2% 70代91.0%。直面している70代は突出して高い。

「介護予防」への具体的取組については、40-70代平均で76.1%と高い割合ですが、60代は、82.2%とさらに高く、70代は91.0%と突出して高いといえます。当事者世代の8~9割は取組み有りといえます。


図2


■「いまの自分は“健康”だ」という40-70代は68.7%と約7割に達する。70代だけでも、68.2%とほぼ7割。

男女別では、男性66.6%に対し、女性は70.7%あり、女性のほうが高い、といえます。また、年代別では40代が70.2%とやや高めですが、70代でも68.2%とそれ程大きくは変わりません。


図3


■「健康を向上させて生活を充実させたい/楽しみたい」は91.2%と9割を超える。健康は生活を充実/楽むための手段。

男女別では、男性89.3%に対して、女性93.1%と女性が高い。年代別では、60代が93.3%と最も高いが、どの年代でも9割を超えている。また、TopBoxだけでも44.2%と半数に近い、といえます。


図4


■「健康不安を感じる」のも、71.4%と約7割。ただし、「やや」の割合が53.5%と高く「なんとなく不安」が多いとみられる。

男女別では男性70.3%に対し女性72.9%とここでも女性がやや高いといえます。年代別では60代が75.3%と高く、とくに男性60代が76.0%と高くなっています。


図5


■「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」は93.9%と9割を超える。

TopBoxが45.5%と半数近く、「健康を維持したい」という強い気持ちがあるとみられます。男女別にはあまり差はなく、年代別では、60代96.8%、70代96.4%と介護を控える60代、70代がとくに高くなっています。やはり「健康に多少の不安」はあっても、なんとか「健康を維持」したい、要介護にはならないようにしたいという気持ちがここでもあらわれているように思えます。


図6


■40-70代の現在の病気・症状は、1位「腰痛」、2位「高血圧」、3位「歯の衰え」、4位「疲労」、5位「中性脂肪」。

やはり70代がやや高めで、とくに「高血圧」「歯の衰え」「ひざ痛」「白内障」で高めです。また男女別では女性が「疲労」「ひざ痛」「筋力低下」などで高めといえます。


図7


■症状はないが気になっていることは1位「ガン」、2位「筋力低下」、3位「歯の衰え」、4位「疲労」、5位「中性脂肪」。

男女別で、女性が全体にやや高めで、とくに「ガン」「筋力低下」「白内障」「骨粗しょう症」などが高めといえます。年代別にはあまり差はなく、60・70代で「白内障」と「尿漏れ」がやや高くなっています。


図8


<参考>

団塊の世代を含む70代の9割が「介護予防行動」をしており、現在の75歳以上の後期高齢者での要支援含む要介護率31.6%を変える可能性があります。


[要介護率]

・65歳以上(高齢者)  :要支援含む 17.8% 要介護のみ 12.9%

・75歳以上(後期高齢者):要支援含む 31.6% 要介護のみ 23.1%


※総人口:総務省統計局「人口統計」H30/1/1確定値に要介護人口:厚労省老健局「介護保険事業状況報告」H29年度末年報を掛け合わせて、未来ビジョン研究所にて算出


(人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「人生100年時代の基礎データ」より)

https://miraivision.net/article/299


「社会保障費急増迫る“2025年問題”、団塊世代全員75歳以上に、歳出抑制議論 コロナと両立課題/政府は26日の経済財政諮問会議で、社会保障費の伸びを抑える改革案を議論した。(中略)2025年には人口の多い団塊の世代が全員75歳以上になり、社会保障費は大きく膨らむ。」(2021年4月27日 日経朝刊より)


健康寿命はWHOが提唱したもので、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが重要だとされています。すなわち、その開きをいかに縮めるか、そのための政策が求められる、ということです。やや誤解されているのは、健康でいられるのも男性72歳、女性74歳までという議論です。それは介護などで具合のわるい人も含めた平均のためにそうなるのであって、実際には70代で「自分は健康」だという割合は7割に達しています。75歳以上の要介護率が31.6%なのでほぼその残りの人たちが「自分は健康」と答えているとみられます。


[健康寿命]

男性 72.14歳 平均寿命との差 8.84年

女性 74.79歳 平均寿命との差 12.35年

*健康寿命:「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」より

*平均寿命:厚生労働省「簡易生命表」より


人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「人生100年時代の基礎データ」

https://miraivision.net/article/299

人生100年時代未来ビジョン研究所ホームページ「健康寿命に誤用心」

https://miraivision.net/article/96



<調査概要(1)>

調査対象 :40~70代男女

対象エリア:全国

対象者数 :1308サンプル

調査手法 :インターネット調査

調査日時 :2021年3月19日(金)~3月26日(金)


<調査概要(2)>

調査対象 :40~70代男女

対象エリア:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および

      全国中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市、

      岩手県・宮城県・福島県を除く)

対象者数 :1864サンプル

調査手法 :インターネット調査

調査日時 :2020年6月11日(木)~6月13日(土)



■「人生100年時代 未来ビジョン研究所」(未来ビジョン研)について

「人生100年時代 未来ビジョン研究所」は、2020年4月に設立されました。高齢化がグローバルに進行するなか、世界諸国に先駆けて急速な高齢化の進展するわが国ですが、この人口構造の劇的変化に伴い社会構造も大きく変化して行きます。とりわけそのベースとなる40-70代の生活者の意識・行動が大きく変わろうとしています。これは企業のビジネスやマーケティングにも大きな影響を及ぼし、社会政策等にも大きな変化をもたらします。この中高年大人世代を「新しい大人」ととらえ、これまでにない、新たな時代の扉を多くの人たちや企業とともに開いて行く、そのための研究および事業開発を行っています。

<人生100年時代 未来ビジョン研究所ホームページ https://miraivision.net/



[所長プロフィール]

阪本 節郎

東京都出身。1975年早稲田大学商学部卒業。株式会社博報堂入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室創設を推進。2011年春、発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。2019年4月独立し、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立、現在、所長。


■著書

「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著、2007年台湾版・2009年韓国版出版)

「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月、共著)

「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)

「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」(講談社α新書2014年9月)

「世代論の教科書」(東洋経済新報社2015年10月、共著)

「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか~新しい大人消費が日本を動かす」(日経新聞出版社2016年3月、2016年韓国版・2018年台湾版出版)


図9


■マスコミへのコメント・出演

日経・読売・朝日・産経・日経MJ・ビジネスアイ・日経ビジネス・アエラ・週刊朝日・ワシントンポスト・ウォルストリートジャーナル・M&Mヨーロッパ・CNN・NHK総・NHK教育・テレビ朝日他


<コラム連載執筆>

●日経MJ新聞「阪本節郎の『新大人』学」(2014.04-2017.03)

●日経新聞「読み解き現代消費」(2014.04-2017.12)

■エルダー関連の公官庁・マスコミ等の委員会委員


<これまでの経歴>

●総務省 高齢者障害者ICT利活用研究委員会

●厚生労働省

 介護保険制度下におけるシルバーサービスの振興ビジョン調査研究事業研究委員会

 団塊世代を活用した健康長寿のまちの展開方策に関する調査研究事業研究委員会

●静岡県 しずおかユニバーサルデザイン推進委員会

●互助会保証株式会社(経済産業省揚力)冠婚葬祭産業の中長期展望検討委員会

●日本BS放送 放送審議委員会

●高齢・障害者雇用支援機構「エルダー」編集アドバイザー会議委員



<参考資料>

人生100年時代 未来ビジョン研究所 これまでのレポート一覧

※これまでのレポートは、下記URLにてご覧いただけます。

https://miraivision.net/report (人生100年時代 未来ビジョン研究所WEBサイト)


【未来ビジョン研レポート】

No.1 「日本の感染者数の少なさは中高年“自己管理”パワー」」(2021.4.12)

No.2 「ポストコロナの経済回復は中高年大人世代の力」(2021.4.19)

No.3 コロナで、より「シニアと呼ばれても誰のこと?」(2021.4.26)

No.4 ポストコロナ、これからライフスタイルを創りたい(2021.4.30)



<お問い合わせ先>

Email: setsuo.sakamoto@miraivision.net

報道関係者向け
お問い合わせ先

@Press運営事務局までご連絡ください。
ご連絡先をお伝えいたします。
お問い合わせの際はリリース番号「258251」を
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