コロナ禍のお弁当事情、~40代男性2割がお弁当を作っている 「セブンプレミアム」人気の理由をレシートから分析
お弁当作りの実態調査と冷凍食品のレシート分析
2021.05.13 10:00
フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から独自に収集する、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)(以下、POBデータ)」を有し、リアル消費者購買理由データベースとしては国内最大規模の月間300万枚のレシートを収集しています(提携サイト含める)。
新生活とともに、お弁当を持参する人だけではなく、コロナ禍のランチシーンが変化して、人との接触を避けるために手作りのお弁当を持参する人も増えているといいます。
そこで今回は、POB会員のお弁当に関するアンケート結果(N=4002人、2021年3月24日~27日実施)と、お弁当のおかずに手軽に利用する人も多い「冷凍食品カテゴリー」のPOBデータを分析し、お弁当作りの実態を報告いたします。
最初にアンケートでは、直近半年以内でお弁当を作った経験を調査しました。男女年代別でみていきましょう。
まず、女性(N=2102人)の年代別で、直近半年以内におけるお弁当を作った経験を尋ねると、「40代女性(54.0%)」が最多回答となり半数を超え、「50代女性(48.3%)」と続き、自分だけではなく、子どもやご主人のために作るといったコメントが多くみられました。60代を境に、お弁当を作った経験がある人は減少し、「60代以上女性(29.2%)」では、3割に満たない結果となりました。
次に、男性(N=1900人)の年代別で、直近半年以内におけるお弁当を作った経験を尋ねると、「~30代男性(22.4%)」が最多回答となり、「40代男性(19.6%)」と続き、いずれの年代も5人に1人が直近半年間で、お弁当を作った経験があると回答しました。
「子どもが好きなおかずを詰める(40代)」や、「時間がないので、ありものをつめて時間とお金の節約をしている(50代男性)」、子どもため、節約のためといった声だけではなく、「血糖値と血圧対策のため、弁当にしている。薄味で野菜多めを心がけている(50代)」など、健康のためにお弁当を作るといった声もありました。
男性は年代が上がるにつれて、お弁当を作った経験がある人は減少傾向で、「60代以上男性(10.9%)」では、およそ1割程度となります。
次からは、直近半年でお弁当を作った経験がある男女(N=1254人)を対象に、頻度やお弁当のおかずの準備方法を調査しました。
直近半年間でお弁当を作った頻度を尋ねると、「ほぼ毎日(14.9%)」、「週に4~5回(36.5%)」となりお弁当作りが、日常化している人が半数以上いることがわかりました。
お弁当を作る時間は、「(作り置き・前の日の夕食を詰めるなど)準備するだけ(17.1%」、「~15分程度(37.2%)」となり、半数以上(54.3%)が、「~15分程度」となり、忙しい毎日の中で短時間・スピーディにお弁当を用意していることがわかりました。
次に、お弁当のおかずの調理や用意する手段を選択肢・複数回答で尋ねると、最多回答はおよそ6割の「前の日の夕食(58.8%)」となりましたが、半数近くが「冷凍食品を購入する(45.1%)」と回答し、「お弁当専用におかずを都度作る(28.1%)」を、大きく上回りました。
他にもアンケートでは、お弁当を作る際の悩みを尋ねており、およそ6割が「悩みがある(60.4%)」と回答し、その理由として(N=757人、お弁当を作る際に悩みがある男女)、「メニューがマンネリ・ワンパターン(68.0%)」、「主食やおかずを考えること(61.0%)」が、それに次ぐ「お弁当の見た目(30.9%)」を30pt以上引き離す結果となりました。
ここまでの調査結果から、お弁当の作りの実態として、忙しい朝の短時間で効率的に用意したいと考える人が多く、作りやすさや、毎日メニューを考えることの大変さから、メニューのマンネリ・ワンパターン化に対して悩みを抱える人が多いことがわかりました。
お弁当のおかずに、前の日の夕食を詰めるだけではなく、時短や簡単にバリエーションを増やすことができる、冷凍食品も重宝されることが多いことがわかりましたが、新型コロナ感染拡大以降は、外出自粛や在宅勤務の浸透により、外食代わりや、仕事中でも手軽においしく調理できる便利な食事としても捉えられ、冷凍食品に対する消費者の意識が変化しています。
2020年の冷凍調理食品の家計消費支出は前年比13.6%増の6,563円。前年より増加となったのは2年ぶりとなり、冷凍調理食品の家計消費支出は2000年以降で最大であったといいます(総務省家計調査より)。コロナ禍で冷凍食品の購入層が広がっていることが推測されます。
そこで次からは、POBデータの冷凍食品カテゴリーに注目し、スーパー・コンビニ・ドラッグストアにおける冷凍食品の購買行動を分析しました。
上図は、スーパー、コンビニ、ドラッグストアの冷凍食品購入レシートから、新型コロナ感染拡大前(2019年1月~ 12月)および、感染拡大後(2020年1月~12月)の購入状況(レシート1枚あたり平均購入単価・購入点数)を表したものです。
レシートからは、19年と20年では、大きな変化はみられませんでしたが、ドラッグストアでは、冷凍食品が安価に購入できるチェーンも多く、「ドラッグストア(330円)」が「スーパー(324円)」の平均購入価格を、わずかに上回る結果となり、「コンビニ(262円)」は、スーパーやドラッグストアと比較すると、平均購入金額が60円程度安くなります。()内は20年の平均購入価格。
では、業態別で購入されている冷凍食品をみていきましょう。今回は、セブンイレブン(CVS)、イオン(GMS)、クリエイトSD(Dgs)をセレクトしました。
上図は、セブンイレブン(N=18,149枚)、イオン(N=12,729枚)、クリエイトSD(N=1,914枚)の冷凍食品購入レシートにおけるブランド別レシート出現率を表したものです。()内は、20年の冷凍食品レシート枚数、上位10ブランドまで
「セブンプレミアム 焼き餃子(6.4%)」、「味の素 ギョーザ(イオン2.3%)、(クリエイトSD3.7%)」と、手軽さやおいしさで、冷凍焼き餃子が各業態上位となり、根強い人気がうかがえます。
各業態の購入商品をみていきましょう。まず、コロナ禍で急速に冷凍食品の売り場を広げた「セブンイレブン」では、セブンプレミアムの様々な冷凍食品を消費者に提供し、購入されていることがわかります。特に、「セブンプレミアム 焼き鳥炭火焼き(3.9%)」、「セブンプレミアム 手羽中から揚げ(2.9%)」、といった、おかずにもおつまみにもなる、いわゆる「おかづまみシリーズ」が一定数購入されています。味だけではなく、トレーごと温めてそのまま皿として使える簡便さや、250円前後の価格帯で酒類など、他商品との取り合わせのよさが人気につながっていることが推測されます。
続いて「イオン」では、「ニチレイ ミニ春巻き(2.0%)」、「ニッスイ ちくわの磯部揚げ(2.0%)」などの、夕食の一品や、お弁当シーンで活躍するNB商品が、「トップバリュ きざみねぎ(1.7%)」や「イオンベストプライス うどん(1.7%)」といった、PB商品よりも購入されています。
最後に、「クリエイトSD」では、「ニッスイ ほしいぶんだけ コーンクリームコロッケ(5.0%)」、「ニッスイ 白身魚とタルタルソースのフライ(3.9%)」などの、揚げ物の他、「日清 スパ王プレミアム しらすのぺペロンチーノ(2.7%)」や「日清 具多 辣椒担々麺(2.2%)」などの、こだわりの麺類がランクインしていました。
今回の調査では、「手作りのお弁当」と、関連する「冷凍食品」のレシートを分析しました。お弁当作りの悩みを抱える人のコメントでは、「簡単に作るとどうしても栄養が偏る」「栄養まで考える余裕がない」といった声も一定数みられました。コロナ禍で、予防意識や免疫力を高める食材を意識して摂り入れる人も多い中、毎日のお弁当となると、作りやすさや時短などが優先されてしまうようです。
冷凍食品購入シートにおけるブランド別出現率(POBデータ分析2)では、加熱するだけで、おいしく食べることができるおかずや、麺類などが上位となりましたが、最近では、「業務スーパー(神戸物産)」の、大容量でお得な冷凍食品や、下処理済みの冷凍野菜を活用することで、栄養バランスの向上や、料理時間の短縮につながり、多くの人からの支持を集めています。たまには、冷凍食品を調理したお弁当メニューで、脱マンネリしてみてはいかがでしょうか。
[調査概要] ・POBアンケート N=4002人
調査対象:全国のPOB会員アンケートモニター
調査日時:2021年3月24日~27日
調査方法:インターネットリサーチ
調査機関:ソフトブレーン・フィールド
・POBデータ分析は図表内に調査概要を記載。
※関連するPOBデータや、他カテゴリーなどのPOBデータ分析のご依頼などは、お問い合わせください。
関連)コロナ禍における生活意識・行動変化レポート一覧
https://www.sbfield.co.jp/category/case-study/
Point of Buy(R)データベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。
同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く” 企業・メーカーに提供します。
集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。
■当事業の特長:
- 日本初のレシートによる購買証明付き購買理由データ
- 「セゾンポイントモール」会員と、「Ponta Web」会員、「履歴書情報」のある当社登録会員「キャスト」で構成された334,187人のネットワークに基づく本人認証度の高いデータを提供
- 700企業以上のチェーン情報を公開
- ビジネスモデル特許による全チェーン共通オリジナルブランドマスター(※JICFS/IFDBベース)を生成
詳細はこちら https://www.sbfield.co.jp/press/20170222-10722
※JICFS/IFDB:JANコード統合商品データベース (一財)流通システム開発センター
■ サービス詳細参照ページ:
・「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」
https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos
・レシートで貯める https://aqfpob.com/
・レシート de Ponta https://ponta-receipt.jp/
・レシーポ https://receipo.com/
【ソフトブレーン・フィールド株式会社 会社概要】
ソフトブレーン・フィールド株式会社は、ソフトブレーン株式会社(本社:東京都中央区、設立年月日:1992年6月17日、代表取締役社長:豊田浩文)のグループ会社として、全国の主婦を中心とした登録スタッフ96,611名のネットワークを活用し、北海道から沖縄まで全国のドラッグストアやスーパー、コンビニ、専門店など222,828店舗以上をカバーし、営業支援(ラウンダー)や市場調査(ミステリーショッパー、店頭調査など)を実施しています。当社代表の木名瀬博は、2004年にアサヒビールの社内独立支援制度に応募し、合格第1号事業として独立しました。
「木名瀬 博のフィールド虎の巻」 URL:https://www.sbfield.co.jp/toranomaki
本社所在地 :東京都港区赤坂3-5-2 サンヨー赤坂ビル5階
設 立 :2004 年7 月 / 資本金 :151,499,329円
代表取締役社長 :木名瀬 博
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