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和歌山ワーケーションは業務生産性および心身健康の向上に寄与

~在宅リモートワークとの比較~

株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柳 圭一郎、以下 NTTデータ経営研究所)、株式会社南紀白浜エアポート(本社:和歌山県西牟婁郡白浜町、代表取締役社長:岡田 信一郎、以下 南紀白浜エアポート)、TIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下 TIS)は、和歌山県において新しい仕事のスタイルである「ワーケーション*1」と在宅リモートワーク(東京)の比較検証の実証実験*2を実施しました。

その結果、在宅リモートワークと比べ、ワーケーションが業務生産性および心身の健康にポジティブな効果があることが分かりました。



●結果のポイント(詳細は添付資料をご参照ください)

添付資料URL: https://www.atpress.ne.jp/releases/263893/att_263893_1.pdf


和歌山でのワーケーションは、

(1) 職業性ストレス(労働に際して発生する身体的・心理的なストレス)が、ワーケーション期間中およびワーケーション終了後も低減した。特に抑うつ感(気分の落ち込みや物事に集中できない感覚)は、期間中に最大56.2%、終了後も42.5%低減した。

(2) リカバリー経験(良質なパフォーマンスを発揮するための業務後の回復機会)が、ワーケーション期間中に26.5%、ワーケーション終了後も23.2%向上した。

(3) ワークエンゲージメント(仕事に対する活力・熱意・没頭の程度)が、ワーケーション期間中に23.9%、ワーケーション終了後も15.9%向上した。(ワークエンゲージメントの高い従業員が多い企業は、収益性が高く、離職率・無断欠勤が大幅に少ないことが別の研究で明らかになっている)

(4) ワーケーション参加群の仕事のパフォーマンスが、ワーケーション終了後も向上した。*3

特にワーケーション前と後で、規定された職務(指示・期待された仕事を十分に行っている程度)は14.8%、WHO-HPQ(WHOが定める国際的な生産性指標)では17.2%向上した。

(5) 上記(1)~(3)について、不参加群(在宅リモートワーク群)では、ワーケーション参加群で見られたような変化は見られなかった。


今後も、自治体・企業・地域関係者と連携・協働して、ワーケーションの更なる科学的な効用研究および企業・個人への普及活動を通じて、企業における生産性・創造性・エンゲージメントなどの向上、個人におけるウェルビーイング・心身の健康・モチベーションなどの向上、そして地域における新たなサービス産業創出による経済活性化に貢献していきます。



*1 ワーケーション:ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を掛け合せた造語。テレワークを活用してリゾート地や温泉地など、普段の職場とは異なる場所で、地域の魅力に触れながら仕事を行うこと。

*2 本実証実験は、林野庁「森林サービス産業」創出・推進に向けた活動支援事業(モデル地域)の一環として実施しています。

*3 (4)については参加群・不参加群でのスコア変化の違いに統計的な意味があるとは言えないものの、ワーケーション参加の効果が無いとも断言できない結果が得られた。



【背景】

新型コロナウイルス感染症の影響による急速なリモートワークの拡大に伴い、新しい生活様式としてのテレワーク・ワーケーションが注目を浴びています。また、新型コロナウイルス感染症が収束した後も、多様な働き方の導入による業務パフォーマンス向上や社員エンゲージメント向上への期待、通勤時間・オフィス賃料などの合理化の観点から、在宅テレワークやワーケーションを制度として継続する企業や地方へのオフィス移転などを表明している企業も出てきています。また、企業における健康経営の意識の高まりから、社員のウェルビーイングを高める手段としてもワーケーションの関心が高まっています。

和歌山県ではこれまで、日本版ワーケーション発祥の地として、また代表的なワーケーションの聖地として、数多くのワーケーション体験者の受入れや全国におけるワーケーションの普及活動を実施してきました。ワーケーション体験者からは、「心身ともにすごくリフレッシュができた」「仕事の生産性・創造性がとても上がった」「チームビルディングが短期間で構築できた」などの声が多く上がっていましたが、ワーケーションが個人や企業に与える効果・効用を科学的・定量的に示すエビデンスの取得が不十分で、個人や企業におけるワーケーション導入に向けた効果的な訴求に課題を有していました。

そこでワーケーションの効果・効用に関するエビデンス獲得を目的として、林野庁「森林サービス産業」創出・推進に向けた活動支援事業を活用して、南紀白浜エアポート・TIS・NTTデータ経営研究所の3社が協力・連携を行い、専門医の監修を受けながら和歌山におけるワーケーションの実証研究を実施しました。



【実証実験における各社の役割】

企業名:南紀白浜エアポート

役割 :本実証実験の実施主体全体企画・運営、プログラム造成、ツアー手配、

    関係者調整

背景 :和歌山ワーケーション総合コンシェルジュとして、企業・個人向け

    ワーケーション提案やプログラム造成・ツアー手配・

    受入体制整備などを実施。


企業名:TIS

役割 :役割実証ツアーのモニター参加者(エビデンス取得)、プログラム企画・

    データ収集要件・設計等の支援

背景 :ワークスタイル変革を基軸とした従業員健康支援の高度化・

    ソリューションの検討、地域活性化への貢献


企業名:NTTデータ経営研究所

役割 :ワーケーションのエビデンス取得に関する企画・実施・解析 脳科学を基軸とした労働生産性向上コンサルティングを実施


小島 淳広氏 :ワーケーションのエビデンス取得に関するデータ解析 心理学、統計学、データ解析の専門家


落合 博子先生:健康経営視点でのプログラム造成・エビデンス取得に関する監修 東京医療センター形成外科医長、研究センター再生医療研究室室長、東京医療保健大学臨床教授、国際森林医学認定医、森林セラピーソサエティ森林セラピスト、日本再生医療認定医、日本抗加齢医学会専門医




【実証実験の概要】

実施目的 :南紀白浜地域における健康経営ワーケーションの効果・

      効用に関するエビデンス獲得

実験場所 :SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE

       (所在地:和歌山県西牟婁郡白浜町1821)

      ゲストリビングMu南紀白浜

       (所在地:和歌山県西牟婁郡白浜町字浜通り3076-1)

      椿温泉しらさぎ

       (所在地:和歌山県西牟婁郡白浜町椿1056-22)

      熊野本宮大社

       (所在地:和歌山県田辺市本宮町本宮1110)

参加者  :TISの従業員中心とした男女20名

実験の流れ:実験の全体スケジュールは以下(詳細は添付資料の図6、7)の通り


1. プレワーケーション期間:2021年3月5日(金)~3月11日(木)

ワーケーション実施前の対象者の状態・行動の把握を目的として、対象者の状態や仕事に対する姿勢等を問うWEBアンケートを計2回実施。


2. ワーケーション期間:2021年3月12日(金)~3月15日(月)

3月12日(金)・15日(月)を勤務日、3月13日(土)・14日(日)を休暇日とし、ワーケーション中の対象者の状態・行動の把握を目的として、対象者の状態や仕事に対する姿勢等を問うWEBアンケートを計24回実施するとともに、ウェアラブルデバイス(Fitbit Charge4)を常時装着し、活動量や睡眠時間等の行動データを収集(図2)。


3. ポストワーケーション期間:2021年3月16日(火)~3月19日(金)

ワーケーション後の対象者の状態・行動の把握を目的として、対象者の状態や仕事に対する姿勢等を問うWEBアンケートを計2回実施するとともに、ウェアラブルデバイス(Fitbit Charge4)を常時装着し、活動量や睡眠時間等の行動データを収集。


ワークスペースと健康経営プログラムの環境


【今後について】

今回、ワーケーションの効果検証実験を行い、在宅リモートワークと比べて、和歌山でのワーケーションが心身の健康、ワークエンゲージメント、生産性等にポジティブな影響を与えることが示唆されました。

今後も、ワーケーションのエビデンス取得を含む科学的な検証および価値の向上を図り、自治体・企業・地域関係者と連携・協働しながら、新しいワークスタイルとして企業・個人への普及を通じて、企業における生産性・創造性・エンゲージメント等の向上、個人におけるウェルビーイング・心身の健康・モチベーション等の向上、地域における新たなサービス産業創出による持続的な経済活性化に貢献していきます。

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