GSアライアンスがバイオエタノールを燃料とした 固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を開発
バイオエタノールと燃料電池でCO2排出量の無い、 効率的な循環型社会、脱炭素社会を作る
2021.07.06 10:45
GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd.:脱炭素社会に向けた最先端の研究開発を行う化学会社/代表取締役:森 良平)の吉岡 秀樹 博士(工学)と、森 良平 博士(工学)は、同社で合成、研究開発している固体酸化物型燃料電池用の電極、固体電解質などを応用し、バイオエタノールを燃料とした固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を開発しました。
水素とエタノールを燃料電池とした時の、発電特性の比較
人口爆発が原因の1つともなっている地球温暖化、資源枯渇などの環境問題は深刻であり、生態系を破壊する壊滅的なレベルになりつつあります。石化燃料に依存しない再生可能エネルギーを利用するのは、このような環境破壊を抑制することができる方法の1つであり、世界中で実用化、研究開発が活発に進んでいます。再生可能エネルギーのうちの水素や天然ガスを燃料とした燃料電池は、クリーンエネルギーである水素社会を構築する観点も含め、とても有効な手段です。
しかしながら、燃料電池の燃料となる水素を貯蔵することは非常に困難であり、水素タンクなどの手法が用いられていますが、宇宙で最も小さい元素であり、気体の水素を貯蔵するのは非常にハードルが高く、どうしてもコストが高くなってしまいます。そこで、水素よりは貯蔵しやすいアンモニアや、メチルシクロヘキサン、ギ酸、メタノール、ヒドラジン、アンモニアボランなどの液体、固体燃料なども検討されています。本件においては、既存のインフラ設備が整っている燃料として検討し、実用化を早める目的で、バイオエタノールを燃料として用いた固体酸化物型燃料電池を開発しました。
約33%の濃度のエタノール(残分は水)を燃料とした時に、純粋な水素を燃料とした時と比較して約8割の発電量を示しました。炭素を含むエタノールを燃料とすると、燃料電池の電極表面における炭素析出の問題なども懸念されますが、今後も燃料電池の材料、周辺技術の検討を進め、発電量の向上、析出炭素の抑制、及び耐久性の向上などの検討を進めていきます。また当社は廃木材、竹、廃紙、古紙、廃食品などの各種のバイオマス廃棄物からバイオエタノールを作成する技術も有しており、自社も技術を組み合わせて、バイオマス廃棄物から作ったバイオエタノールを、今回開発したSOFCの燃料として使用できる可能性もあります。この組み合わせにより、CO2を排出しない、効率的な循環型社会、脱炭素社会を作り上げることが可能となります。
当社は本件の太陽電池を含め、脱炭素社会に向けた具体的な技術(100%天然バイオマス系生分解性樹脂、コーティング材料、塗料などの天然由来の化学製品群、次世代型二次電池、太陽電池、CCU:Carbon Dioxide Capture and Utilizationの技術など)を提供することをビジョンとしています。UNIDOのプラットフォームであるSTePPやWIPO GREENなどの国連関連機関に登録されている技術もあります。またGSアライアンスは現在、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指すスタートアップ企業の育成プログラムに採択されており(2020年、UNOPS GIC JAPAN)、国連機関の支援の下、国内外の事業展開を進めています。
【会社概要】
商号 : GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd)
冨士色素株式会社グループ
代表者 : 代表取締役 森 良平 博士(工学)
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 脱炭素社会へ向けた環境、エネルギー分野の最先端材料、
技術の研究開発
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