EV車開発の検証に便利なMILS向けEVプラントモデル販売開始 ~株式会社IATとの販売代理店契約締結~
株式会社PALTEK(本社:横浜市港北区、代表取締役社長:高橋 忠仁、以下 PALTEK)は、自動車の開発エンジニアリングを行っている株式会社IAT(本社:愛知県岡崎市、代表取締役:劉剣、以下 IAT)と販売代理店契約を締結し、EV(電気自動車)の性能予測や制御内容の検証に便利な、Simulink(R)を用いた、MILS※1(Model In the Loop Simulation)向けEVプラントモデルの国内の販売を開始します。これにより、設計工程の効率化や開発期間の大幅短縮を実現することができます。
■取り扱い背景
自動車業界では、「CASE※2」の潮流により、世界の自動車産業構造が大きく変革しており、EV(電気自動車)や自動運転、コネクテッドカーなど次世代の開発アイテムの数が増え続けています。さらに、自動運転車の開発競争は国際的に激化し、人材の育成・獲得競争が喫緊の課題となっています。このような課題を抱えるなか、すでに導入されている検証環境だけでは多数の開発プロジェクトに対処しきれなくなっており、車載システムの開発現場では「モデルベース開発」が急速に普及しています。
PALTEKではこれまで、V字プロセスにおける検証装置として「白虎」や「MODEL CUBE」「CAN CUBE」などの製品を販売してきました。このたび、自動車開発にノウハウを持つIATと協業することにより、V字プロセスのMILS側の設計プロセスに対してお客様の開発期間短縮や効率化の一助が可能となります。このような背景を受け、開発者の皆様が手軽にEVの性能予測や制御内容の検証ができるEVプラントモデルの取り扱いを開始しました。
■EVプラントモデルの概要
本モデルは、IATが制御開発で得たノウハウをもとに開発したEVの基本モデルです。1Dシミュレーションに最適なモデルで、モータやバッテリ特性、そして車両仕様のパラメータを設定することで、電費、航続距離、動力性能の車両性能のシミュレーションを手軽に行うことができます。自らコントローラモデルを用意しなくてもMILSが実行できるように、簡易コントローラモデルも付属しています。
NEDC、WLTC、JC08、LA4など8種類の走行モード(時間毎の目標車速)を内蔵しており、IGキー、シフト、アクセル、ブレーキをAIドライバが操作、簡易コントローラモデルで要求トルクを演算し、EVモデルが車速、電圧、電流、SOCを演算して走行シミュレーションを行います。
■EVプラントモデルの仕様
EVモデルは4つのサブシステムから構成されています。
■主な特長
・MathWorks社 Simulink(R)で使用できる電気自動車のプラントモデル
・お客様の車両仕様は、Microsoft Excel(R)で簡単に設定可能
・簡易コントローラモデルも付属
・カスタマイズ可能
■一般的な使用例
~付属の簡易コントローラモデルを使用し、モード走行で電費を予測する場合~
1. ExcelのEVモデルの車両パラメータを、お客様の車両の仕様に合わせて内容を変更
2. EVモデルの車両パラメータをMATLAB(R)ワークスペースに反映
3. 簡易コントローラモデルの制御パラメータをMATLAB(R)ワークスペースに反映
4. MILSモデルを起動
5. 走行したいモードを選択
6. MILSを実行。終了すれば電費などの情報が表示
■本モデルの対象者
1. 開発中のEVの電費性能、航続距離、動力性能の予測
2. EVのモータやバッテリの特性の電費、動力性能等への影響の比較検討
3. 車両仕様(重量、走行抵抗)の電費、動力性能等への影響の比較検討
4. 開発中のコントローラの制御内容(回生制御等)の性能予測、検証
5. Vモデルをカスタマイズしての性能予測
■販売開始について
2021年8月より販売を開始いたします。
■専門用語説明
※1 MILS:Model In the Loop Simulation /PC上での設計段階モデルの検証
※2 CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語。
※3 WLTC:WLTCモードとは、2014年3月に経済委員会自動車基準調和世界フォーラムで採択された「世界統一試験サイクル」といわれる国際的な試験方法。これまでカタログに表記されていた日本独自の「JC08モード燃費(国土交通省審査値)」に代わる燃費測定方法のこと。
※4 NEDC:New European Driving Cycle(新欧州ドライビング・サイクル)/欧州における乗用車等(軽量車)の排出ガスや燃費評価に用いる新しいテスト・サイクル。
■株式会社IATについて
株式会社IATは、本社を中国の北京におき、グループとして、世界のモビリティの発展に向け、自動車の開発エンジニアリング業務を行っております。約1700名の技術者が在籍し、企画、デザイン、設計、CAE、試作、試験、生産技術等、自動車メーカーが行う開発の全プロセスに対応可能です。日本支社では、自動車や部品システムの開発経験を持つ各分野の技術者が、グループで推進中のプロジェクトの技術支援を行うとともに、日本国内のお客様への技術サービスも提供しております。
IATに関する詳細は、 http://www.iat-auto.jp/ をご覧ください。
■株式会社PALTEKについて
PALTEKは、1982年の創業以来、日本のエレクトロニクスメーカーに対して国内外の半導体製品の販売のほか、ハードウェアやソフトウェアなどの設計受託サービスも提供し、お客様の製品開発のパートナーとして仕様検討から試作開発、量産までサポートしています。「多様な存在との共生」という企業理念に基づき、お客様にとって最適なソリューションを提供することで、お客様の発展に貢献してまいります。なお、2021年6月よりPALTEKは株式会社レスターホールディングスのグループ企業となりました。
PALTEKに関する詳細は、 https://www.paltek.co.jp をご覧ください。
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