トップシーンのおもしろさだけで競う『トップシーン脚本大賞』 応募総数1,323編から最優秀作品1篇と柏田道夫賞2編が選出
1970年創立以来、700名以上の脚本家・小説家を輩出している実績No.1スクールの株式会社シナリオ・センター(本社:東京都港区、代表取締役社長:小林幸恵)では、2021年8月12日に『トップシーン脚本大賞』を開催しました。
2021年7月9日(金)から2021年8月12日(木)までの期間で募集をし、1,323編の応募となりました。映画『武士の家計簿』『武士の献立』の脚本家でもあり、小説家としても活躍するシナリオ・センター講師の柏田道夫によって、応募総数1,323編の中から、最優秀賞作品1編、柏田道夫賞2編が選出されました。
【『トップシーン脚本大賞』とは】
映画やテレビドラマを映像するための設計図と呼ばれる脚本のトップシーンだけを140字以内で書きます。トップシーンだけで、ワクワクするドラマを競うのが『トップシーン脚本大賞』です。
小説では、書き出しの1行だけで競う『書き出し小説大賞』があります。『書き出し小説大賞』は、小説ならではの文体と文章力が求められます。
一方で『トップシーン脚本大賞』は、映像的なシーンを描く描写力、先が気になるようなトップシーンにする発想力、そして魅力的なタイトルが求められます。
■トップシーン脚本大賞 最優秀作品
寺沢恵『さよならコスモス』
○雨のオフィス街(夜)
傘を差して歩く会社帰りの人々。
濡れて歩く山井瞳(28)がもつれるように倒れ込み、水たまりを覗く。
水面に浮かぶ自分の顔に手を伸ばして微笑む。
瞳「愛してる、愛しているわ」
■トップシーン脚本大賞 柏田道夫賞
ADぺろしき『風鈴の内側』
○仕舞屋・縁側
縁側でごろ寝している莉子(9)。
軒先に吊られた風鈴から甘い音。
莉子の声「父さんと母さんが死んだ。犯人は親戚のおじさんだ。
そのおじさんは警察官に鉄砲で撃たれた。それで私は一人になった」
風鈴を下から眺めると、内側に文字。
宇藤百合香『いつだって、私たちは』
○病室(夕)
新藤君子(86)はベッドに座っている。
君子は、ほほ笑んで日記を読んでいる。
老眼鏡を外し日記を置いて、深いため息をつく。
君子「あの頃が懐かしいわね」
君子は窓の外を見る。
【応募規定】
受賞作品は、#トップシーン脚本大賞 を入れて、Twitterにてツイートします。
文字数:140字以内
・タイトル ・ト書3マス下げ ・#トップシーン脚本大賞 を含む
・最優秀作品は、図書券5,000円を進呈
・柏田道夫賞に選ばれた作品は、柏田道夫著『【改訂版】小説・シナリオ二刀流奥義』を進呈
【審査】
審査を務める柏田道夫は、映画『武士の家計簿』『武士の献立』『二宮金次郎』『島守の塔』(2022年公開予定)などの映画の脚本を手掛け、小説では『二万三千日の幽霊』(オール読物推理小説新人賞受賞)、『しぐれ茶漬~武士の料理帖』『猫でござる』『桃鬼城奇譚』(歴史群像大賞受賞)、ハウツウ本に『エンタテイメントの書き方』(映人社)『シナリオの書き方』(映人社)『企画の立て方』(映人社)『【改訂版】小説・シナリオ二刀流奥義』(言視舎)『ミステリーの書き方』(言視舎)などを執筆しています。
【発表方法】
シナリオ・センター公式サイトにて、2021年8月12日(木)13:30から約2時間のライブ配信にて発表。応募作品のなかから、おもしろい作品を講評し、その中から、最優秀作品と柏田道夫賞を決定しました。配信は、アーカイブに残ります。
配信URL: https://youtu.be/2Eze2cao9JM
ライブ配信では、1,323本のうちから約70本の候補作品を読み上げ、柏田道夫(脚本家・小説家・シナリオ・センター講師)による講評と解説をしています。
【第2回『トップシーン脚本大賞』実施予定】
第1回の『トップシーン脚本大賞』実施の好評をうけ、第2回『トップシーン脚本大賞』の実施も予定しております。第2回では、ジャンル別や出だしのタイプ別など、部門を分けての開催を検討しております。
【『トップシーン脚本大賞』実施の背景】
2020年の夏も、2021年の夏も、新型コロナウイルス感染拡大が止まりません。
そんな中でも、創作は作者の工夫次第で、どんな場所でも、どんなこともすることができます。個人の自由が制限されてしまっているいまこそ、自由な発想で、楽しみながら、気軽に創作に向き合える企画はないだろうか、と考えました。
「シナリオは、未経験では書きにくい」と思われがちですが、シナリオほど身近な創作はありません。
たとえば、小説であれば、高い文章力が求められます。ですが、シナリオに文章力は必要ありません。なぜなら、柱《物語が起きる場所》、ト書《どんな状況で、誰が、何をしているか》、セリフ《何を言うか》を書けばいいからです。
実際にシナリオ・センターでは、これまでキッズシナリオという取組みにおいて、4,000名以上の小・中学生にキッズシナリオを体験してもらっています。「シナリオがまったく書けない……」という子はほとんどいません。
シナリオは、それくらい身近な創作ですが、一般的には敷居が高いと感じる人が多いのが現状です。『トップシーン脚本大賞』を実施することで、ものを書いたり、想像するのは好きだけれどシナリオを書いたことがない、という方にも気軽に参加できる取組みにしました。
実際、告知のツイートは、『リツイート』52件、『いいね』107件をいただき、結果的に1,323篇の応募につながりました。
【シナリオを書くことが育む想像力と表現力】
シナリオ・センターでは、『日本中の人にシナリオを書いてもらいたい』という理念のもと『一億人のシナリオ。』というプロジェクトを行っています。
プロ・アマを問わず、シナリオを書くことは、以下のことにつながると考えるからです。
・登場人物それぞれの立場で考える
シナリオは、自分とは異なる性格や考え方をもった登場人物の立場で考えます。
相手のことを常に考えること、文章の行間を読みとることが、今まで以上に自然とできるようになります。
・自分の考えを表現することができる
作品を観る(読む)相手にどう伝わるのかを常に考えながら、シナリオを書きます。
企画書やプレゼン資料、作文や小論文などでも、相手に伝わるように工夫して表現する習慣が身につきます。
・ものごとへの興味が深まる
物語づくりには、自分なりの視点で今の社会や歴史などを探求する姿勢が欠かせません。
正解を求めるだけでなく、自ら問いを立て、問題に向き合うことが楽しくなります。
シナリオを書くことで、日本中の人たちに、表現力が身につきます。さらに、相手の立場で考えること、自分自身を客観的に見ること、社会に対して自分なりの考えを持つことという、これから生きるうえで大切な『考える力』を、楽しみながら身につけることができます。
【シナリオ・センターとは】
シナリオ・センター(1970年創立)は、映像で伝える技術について日本屈指のノウハウを持ち、業界最多の脚本家や小説家を輩出している学校です。
ジェームス三木や内館牧子、連続テレビ小説『おちょやん』の八津弘幸、連続テレビ小説『ひよっこ』の岡田惠和などの脚本家、赤川次郎、乃南アサ、鈴木光司などの小説家など、700名以上の卒業生がプロのライターとして活躍しています(2021年5月現在)。
創設者新井一の「日本中の人にシナリオを描いてもらいたい」という願いから、プロ養成の実績を活かし、『一億人のシナリオ。』プロジェクトを実施。
子どもたちの考える力を養う『キッズシナリオ』、映像業界やゲーム業界向けの『エンタメシナリオ』、ビジョンを明確に描くための大学生向け『カレッジシナリオ』、企業理念やサービスをずれずに伝えるためのビジネスパーソン向け『ビジネスシナリオ』を展開しています。
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