「文化財を蘇らせる匠の技」を次の世代へ 文化財修理専門・若林工芸舎 コーポレートサイトリニューアルのお知らせ
「選定保存技術」漆塗、彩色・剥落止め、単彩色、金具 4技能認定取得
文化財修理を手がける株式会社 若林工芸舎(本社:京都府京都市、代表取締役社長:新谷 和義)は、2021年10月13日(水)にコーポレートサイトをリニューアルしたことをお知らせいたします。
https://www.wakabayashi-kogeisha.co.jp/
若林工芸舎は、1830年創業の仏壇・仏具メーカー、若林佛具製作所の関連会社として2006年に設立されました。
若林佛具製作所が創業以降長年培ってきた、京仏壇・京仏具の職人技術を他の分野に応用するとして文化財修理に活かし、その技術の担い手である人材と技術の継承を行っています。
【京仏壇・京仏具の技術で文化財修理を】
京仏壇・京仏具は「工芸の総合芸術」と言われるように木工・漆工・金工と幅広い職種で成り立ちます。各宗派の総本山が集まる京都では、各時代ごとに優れた技術が集結し最高の品質を誇ってきました。
しかし、現在はこれら伝統工芸技術を担う職人需要は年々減少傾向にあり、後継者不在や経営難により廃業に面する職人も少なくありません。今後、職人需要の拡大をはかり次の世代に継承するため、京仏壇・京仏具の職人技術を他分野に活かす取り組みを行なっているうちのひとつが当社が担う文化財修理への応用です。
■背景
文化財の修理においては現状維持修理を原則としており、完成当時または前回の修理の際に使用されていた技術の調査、また施工後は修理においてどのように施工したかを記録し後世に継承していきます。使われている技術や工法・素材を理解し施工を行うためには、幅広い知見を持ち、それを実現するための卓越した技術・能力・知見も必要となるのです。
現在、日本では観光立国化推進のため文化財や歴史的建造物を公開・展示し、観光資源として活用する方針を打ちだしています。これら文化財や歴史的建造物を後世へ残していくためには、後継者の育成と技術の向上が不可欠です。
また、文化財修理の技術は2020年末に「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」としてユネスコ無形文化遺産登録が決定し、技術の価値が世界的にも認められました。当社は100年後、そしてその先の世代にこれらの資源を引き継いでいくこと、またそのために技術を継承する人材の育成や技術の向上といった役割を果たして行きたいと考えております。
■コーポレートサイトリニューアルの経緯
当社は、おかげさまで本年設立15周年を迎えました。
文化財修理は認可・資格制であり、新規参入となる当社は設立当初保有する資格も少なかったため、実績を積み重ねながら様々な審査を経て認可・資格の取得に努めてまいりました。
現在では複数の行政の入札資格以外にも、「選定保存技術」において全国でも稀な4技能[漆塗、彩色・剥落止め、単彩色、金具]認定を取得。徐々に施工可能な範囲を広めています。
この度のコーポレートサイトリニューアルでは、当社が施工する「選定保存技術4技能」各技術の工程や歴史、修復のプロセスを公開いたします。
この度のリニューアルをきっかけに事業範囲を全国に広げ、より多くの文化財修理に関わっていく所存です。
■コメント
私が文化財修理に興味を持ったのは、若林佛具製作所在籍時、2000年三重県のあるお寺様の本堂で彩色剥落止め工事を行い、100年以上前の職人の仕事に私たちが手を加え、後世に残すということに非常にやりがいを感じました。このような文化財修理への想いが募り、文化財修理を主事業とする株式会社 若林工芸舎を2006年に設立することになりました。
設立当初は、年に1~2件程度しか仕事がなく、非常に厳しい状態が続きました。しかし、預かった仕事に誠心誠意取り組み、知識と経験、技術を積みながら実績を残したことで、一般社団法人 社寺建造物美術保存技術協会会員資格、行政の入札参加資格を得ることができました。
現在では、すべての工種で認可を得て、大きな仕事にも取り組むことができています。
近年では、浄土宗総本山知恩院 御影堂修理事業や浄土真宗本願寺派本山本願寺 阿弥陀堂修理事業にも携わることができました。
当社は文化財を後世に残すため、知識や技術の継承だけでなく、人格も兼ね備えた人材育成に取り組んでいます。
株式会社 若林工芸舎 代表取締役社長 新谷 和義
■若林工芸舎の取り組み
当社では「ひと・もの・こと」の継承を基本に企業活動に取り組んでいます。
1. 人材(ひと)
技術の継承には後継者となる職人の育成が欠かせません。当社では若手の人材を社員として迎え入れ、労働環境を整えながら技術の習得・継承をできるよう取り組んでいます。
2. 文化財(もの)
長い歴史の中で守り伝えられてきた建造物や美術品などの文化財。京仏壇・京仏具の製作で培った技術を用いて、文化財を保存、次の世代に繋いでいきます。
3. 技術(こと)
文化財修理に欠かせない技術の継承はもちろん、消えゆく技術を復活させる取り組みを行なっています。
近年では、古来の工法である「水銀鍍金(メッキ)」を習得し、錺金具修理に活用しています。
※無機水銀の使用、吸着装置の併用で安全面に配慮し行なっています。
■施工実績
■会社概要
社名 : 株式会社 若林工芸舎
所在地 : 〒600-8218 京都市下京区七条通新町東入西境町148-5
代表取締役社長: 新谷 和義
創業 : 2006年
事業内容 : 文化財保存修理
社寺他建造物の内装・外装工事
前各号に付帯する一切の業務
所属団体 : 文化庁選定保存技術[建造物装飾]認定保存団体
一般社団法人 社寺建造物美術保存技術協会 正会員
公益財団法人 文化財建造物保存技術協会 賛助会員
建設業許可 : 特定建設業
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