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横河電機とNTT Com、製造業界のDXを支援する「共同利用型OTクラウドサービス」の共同開発および提供に関する業務提携を締結

 横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市 代表取締役社長:奈良 寿 以下 横河電機)とNTTコミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:丸岡 亨 以下  NTT Com)は、横河電機が強みとするOT(Operational  Technology)(※1)領域とNTT  Comが強みとするIT領域の知見を融合させ、製造業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「共同利用型OTクラウドサービス」の共同開発および提供に関する業務提携(以下  本提携)を2021年10月に締結しました。

 本提携にもとづき両社は、生産制御システム(※2)・製造実行システム(※3)のクラウドサービス化およびその発展型の「共同利用型OTクラウドサービス」の提供を目指します。

 

1.背景    

 近年製造業界では、資源価格の高騰や需給の変動、高い品質要求への対応を重視した製造のみに留まらず、脱炭素社会に貢献する製品の製造など、多様化する事業環境の変化にいかに即応できるかが課題となっています。しかし、製造設備やそれを制御するシステムは、操業を止めないことを最優先に、可用性や堅牢性を重視してオンプレミスの環境に構築されており、即時的なシステム変更などの対応が困難な状態です。これらの課題に対応していくため、高い柔軟性を実現するシステム構成が求められています。

 本提携により両社は、IT領域で主流となっているクラウド化の考えをOT領域に応用し、「共同利用型OTクラウドサービス」の提供を通して、ものづくりの柔軟性向上やデータ利活用を促進する製造業のDXを支援します。

 

2.本提携の概要

(1)生産制御システム、製造実行システムのクラウドサービス化

両社は、生産制御システムや製造実行システムなど特定のOT領域のシステムをクラウドに移行し、サービスとして提供します。

これまでも横河電機においては、クラウド上でプラントの設備データを分析し保守運用の効率化を図るサービス「Yokogawa Cloud」(※4)などを提供しています。本提携では、特定のOT領域のシステムを、企業のデータ利活用に必要な機能や高いセキュリティ環境などをワンストップで提供するNTT Comの「Smart Data Platform」(※5)上に構築し、システムの更改や機能拡充、制御内容の変更などに柔軟に対応することを可能とします。

 

(2)「共同利用型OTクラウドサービス」の開発および提供

両社は、前述した生産制御システム、製造実行システムのクラウドサービスに、OT-ITオーケストレーション機能を加えることで、各利用企業の生産制御システム・製造実行システム間の連携を実現する「共同利用型OTクラウドサービス」の開発および提供に取り組みます。迅速なシステム更改や機能拡充をオンデマンドに実現するだけでなく、利用者間のデータを相互に活用し、製造業界におけるサプライチェーン全体の最適化を実現します。

例えば、社会の脱炭素要求の高まりに対して、事業者自らの二酸化炭素(CO2)排出だけでなく、サプライチェーン全体から発生するCO2排出量を抑える製法を特定できるようにするなど、データ分析を軸とした最適化を実現します。


「共同利用型OTクラウドサービス」の概念図


(3)「共同利用型OTクラウドサービス」のパートナー・利用者の拡大

両社は、「共同利用型OTクラウドサービス」の機能拡充を担うパートナーおよびその利用者の拡大に連携して取り組みます。

 

3.各社の役割

横河電機:OT領域における制御や製造管理に関する知見を活用した「共同利用型OTクラウドサービス」を提供するためのシステム開発


NTT Com:IT領域におけるセキュリティやクラウドに関する知見を活用した「共同利用型OTクラウドサービス」を提供するためのプラットフォーム開発


4.各社のコメント

横河電機株式会社 代表取締役社長 奈良 寿

 今回の提携は当社が提唱している「System of Systems(SoS)」(※6)実現に向けた重要な協力関係が結ばれた事を意味します。両社のITとOTを融合したサービスによって、社会に存在するさまざまなシステムを統合させて全体最適化を図り、今まで解けなかった社会課題の解決に貢献していきます。

 

NTTコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長 丸岡  亨

 プラント制御システムのクラウド化に要求される高いレベルのリアルタイム性や可用性、セキュリティ要件に、弊社が有するエッジやセンターなど分散型のクラウドシステム、低遅延ネットワークを駆使して応えていきます。両社の協業を通じて製造業のサプライチェーン全体の最適化を支援し持続可能な社会に貢献できる産業モデルを創造していきます。

 

5.今後の展開

 本提携にもとづき両社は、生産制御システム、製造実行システムのクラウドサービス化に関する実証実験を2022年2月に開始し、2022年度中のサービス開始を目指します。その発展型の「共同利用型OTクラウドサービス」については、2022年度中に共同実験に着手し、2024年度中のサービス提供を目指します。


6.講演情報

 2021年10月20日~22日に開催する「NTT Communications Digital  Forum2021」にて、本提携の内容を紹介します。「NTT Communications Digital  Forum 2021」については、ログイン後、講演一覧画面より「特別講演(S-21)」をご覧ください。


会期:2021年10月20日(水)、21日(木)、22日(金)9:30~18:00

(※)講演・セミナーおよび展示は24時間いつでもご覧いただけます。

参加費用:無料

参加方法:事前登録が必要です。公式Webサイトよりお申し込みください。

公式Webサイト:https://www.ntt.com/business/go-event


(※1):OTとは、工場などで利用されている運用・制御技術の総称です。

(※2):生産制御システムとは、プラントの制御や運転の監視を行うシステムです。

(※3):製造実行システムとは、製造工程の管理や運転員の支援を行うシステムです。

(※4):Yokogawa Cloudは多様な設備、産業用プロトコルに対応し、生成されるIoTデータを効率的に収集、クラウド上で迅速な分析・データ可視化が可能な横河電機のクラウドサービスです。詳しくは下記Webサイトをご覧ください。

https://www.yokogawa.com/solutions/solutions/digital-transformation/yokogawa-cloud/

(※5):データ利活用に必要な収集・蓄積・管理分析におけるすべての機能を、ICTインフラも含めてワンストップで提供し、データ利活用によるDX実現を加速させるNTT Comのプラットフォームです。詳しくは下記Webサイトをご覧ください。

https://www.ntt.com/business/sdpf/

(※6):System of Systems(SoS)とはあらゆるものが複雑につながり、構成要素のそれぞれがシステムとして扱われ、運用の独立性とマネジメントの独立性を保ちながら連携し、単独では実現できない目的をシステム全体として、創発的に実現するものです。

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