『大学生・短大生・専門学校生における新型コロナワクチン接種に...

『大学生・短大生・専門学校生における 新型コロナワクチン接種に関するアンケート調査』を実施

~5人に1人の大学生が「ワクチン接種に圧力を感じている」~

「岡山・倉敷新型コロナウイルス感染対策市民審議会」は、2021年11月2日(火)~5日(金)にかけて全国の18~24歳の大学生、短大生、専門学校生の男女1,098人を対象に、インターネット上での調査「大学生・短大生・専門学校生の新型コロナワクチン接種に関するアンケート調査」を実施し、結果をまとめましたのでお知らせいたします。



【『大学生・短大生・専門学校生における新型コロナワクチン接種に関するアンケート調査』ポイント】


●大学生の80.3%が2回接種済み、個別接種、職域接種も活用。


●92.3%の学生が重症化予防を目的として接種、8割以上の学生が自分、他者への感染予防を目的として接種。


●22.6%(5人に1人以上)の学生が新型コロナワクチン接種において圧力を感じている。


●圧力を感じている約半数は、大学の授業、実習、部活動、アルバイト、ボランティア活動など、生活全般。


●具体的に「接種をしないと実習に参加できず、単位がとれない」、「バイトのシフトに入れない」、「採用の取消しになる」、などの声が聞かれた。


●新型コロナワクチンや新型コロナウイルスに関する情報はテレビからが8割、次いでSNS、ブログやHP、新聞、論文、書籍。信頼するメディアについても、「テレビ」との回答が46.5%と最も高くなっている。


●新型コロナワクチン接種後、75.6%の学生が「症状があった」と回答、「かなりあった」と回答したのは27.5%。


●接種後に起こった副反応について、副反応疑い報告を行ったのは6.5%にとどまる。


●新型コロナワクチンを接種してない理由で最も多いのは「副反応が不安だから」(55.4%)。


●「副反応のリスクが明らかになり、不安がなくなれば接種したい」のは65.5%



【調査概要】

調査対象者:全国の18~24歳の大学生、短大生、専門学校生の男女

調査方法 :インターネットパネル調査

      (楽天インサイトリサーチモニターに対するクローズド型調査)

調査対象者:2021年11月2日(火)~2021年11月5日(金)

有効回答数:1,098サンプル



【調査結果について】

■調査結果の見方

(1)図表の比率は百分率(%)で表示し、小数点以下第2位を四捨五入し算出しているため、合計が100%を上下する場合がある。


(2)図表中の「n」はnumber of casesの略で、回答者総数または分類別の回答者数を示す。各比率はnを100%として算出している。


(3)複数の回答を求めた質問では、その設問の回答者数を基数としているため、回答比率が100%を超えることがある。


(4)報告書中の問や図表では、コンピューター入力の都合上、回答選択肢等の表現を変更、短縮している場合がある。


(5)MA 複数回答 SA 単一回答 (特に表記がないものはSA 単一回答)



●大学生の80.3%が2回接種済み、個別接種、職域接種も活用。

新型コロナワクチンの接種状況について、1回目は「未接種」が15.3%、「個別接種」が41.8%、「職域接種」が42.9%となっており、『接種済』の人は84.7%となっており、2回目は「未接種」が19.8%、「個別接種」が38.0%、「職域接種」が42.3%となっており、『接種済』の人は80.3%となっている。世間的には、若者の接種が遅れているというイメージがあるが、大学生に関しては、8割以上が接種をしている状況であった。


接種状況


●92.3%の学生が重症化予防を目的として接種、8割以上の学生が自分、他者への感染予防を目的として接種。


〈新型コロナワクチン接種を受けた理由〉


接種した理由


重症化を予防するために接種した人は92.3%、自分への感染を予防するために接種した人は89.0%、症状が出るのを防ぐために接種した人は88.7%、他者への感染を予防するために接種した人は86.5%、周りの友人や家族が接種しているため、接種した人は75%であった。重症化、発症予防目的の接種に関しては厚生労働省の方針に沿っているが、個人や他者への感染予防に関しては、科学的根拠は明らかになっておらず、厚生労働省の示す方針と異なる結果となっている。



●5人に1人以上(22.6%)の学生が新型コロナワクチン接種において圧力を感じている。

新型コロナワクチン接種を推奨するような圧力を感じたかどうかについて、「はい」が22.6%、「いいえ」が77.4%となっている。5人に1人以上の学生が接種の判断において社会的な圧力を感じている状況が明らかになった。


圧力を感じたかどうか?


●大学の授業、実習、部活動、アルバイト、ボランティア活動など、生活全般で圧力を感じている。


圧力を感じた場面


〈圧力を感じた場面〉

実習や授業への参加、単位の取得などの場面で圧力を感じた人は54.4%、課外活動(部活動など)への参加等の場面で圧力を感じた人は47.6%、学校以外の活動(アルバイトやボランティア活動など)の参加等の場面で圧力を感じた人は51.2%であった。大学内外問わず、社会全体として圧力を感じている状況がうかがえる。



●「接種をしないと実習に参加できず、単位がとれない」「バイトのシフトに入れない」「採用の取消しになる」などの声も。

接種をしないことによって起こる不利益な状況について、具体的な内容を質問して、自由記述で回答を求めたところ、以下のような声が集まった。主だった回答を掲載する。


・バイトのシフトに入れなくなる。(女性/20歳)

・接種証明書が必要なことが増えたから。(女性/19歳)

・ワクチンを打たないとサークルのイベントの参加が困難になる。(男性/20歳)

・医療職を目指しているので、接種しないと実習に行けなかった。また実習2週間前からアルバイト禁止の指示が出た。(女性/23歳)

・ワクチンを受けないまま県外(大会など)に行けば、周りの人またはその家族にまで迷惑がかかるため、2週間の自粛をしなければならない。(女性/19歳)

・接種しないと実習に行くことができないため、単位が取れない。(女性/21歳)

・採用の取り消しなど。(男性/24歳)

・部活動において、接種済の人のみが出場できる試合があった。(男性/21歳)


厚生労働省が示している「ワクチン接種は本人の意思に基づくものであり、接種を受けていない人に差別的な扱いをしてはならない」という方針が、大学や企業においても周知されていない状態が浮き彫りになっている。12月3日の副反応検討部会では、心筋炎、心膜炎が重大な副反応として記載されることが決定したが、新型コロナウイルス感染症での重症化リスク、死亡リスクの低い健康な若者が個人の健康上のメリットデメリットだけではなく、社会的な圧力の影響で接種の判断をしている状況があると考えられる。



●新型コロナワクチンや新型コロナウイルスに関する情報はテレビからが8割、次いでSNS、ブログやHP、新聞、論文、書籍。信頼するメディアについても、「テレビ」との回答が46.5%と最も高くなっている。


〈新型コロナワクチンや新型コロナウイルスに関する情報(MA)・信頼できる情報(SA)〉


情報取得について


新型コロナワクチンや新型コロナウイルスに関する情報源について、「テレビ」との回答が81.1%と最も高く、次いで「SNS」(63.3%)、「ブログやホームページ」(27.9%)などの順となっている。また、最も信頼できる情報源についても、「テレビ」との回答が46.5%と最も高くなっていた。18~24歳の若者においても、情報源の中心がテレビであり、新型コロナウイルス感染症や、ワクチンの副反応の状況など、テレビでの公平な報道が望まれる。



●新型コロナワクチン接種後、75.6%が症状があった、かなりあったと回答したのは27.5%。


接種後の体調不良


〈新型コロナワクチン接種後、体調不良や何らかの症状の有無〉

新型コロナワクチン接種後の症状の有無について、症状が『なかった』との回答は24.5%、症状が『あった』との回答は75.6%となっている。『かなりあった』の回答は、27.5%であった。



●新型コロナワクチン接種後に起こった具体的な症状

・接種部位の痛み、腫れ

・発熱

・倦怠感

・頭痛

・筋肉や関節の痛み

・寒気、悪寒

・下痢

・息苦しさ

・発疹、蕁麻疹など

・吐き気

・遅延性皮膚反応



●接種後に起こった副反応について、副反応を疑い報告を行ったのは6.5%。


〈副反応疑い報告の有無〉


副反応疑い報告を上げたか?


副反応疑い報告について、「行った」が6.5%、「行っていない」が93.5%となっている。



●副反応疑い報告を行った理由、行わなかった理由(一部抜粋)


<行った理由>

・2回目に熱が出るというのは皆言っていて、1回目から高熱が出た人は周りであまり聞かなかったので、とりあえず報告した方がいいのではないかと判断した。(女性/20歳)

・報告するように頼まれたから。(男性/23歳)

・少しでも情報の共有がしたかったから。(女性/19歳)


<行わなかった理由>

・面倒だったから。(男性/22歳)

・重い症状ではなかったから。(女性/23歳)

・ワクチンの影響だとわかっていたから。(女性/20歳)

・副反応疑い報告のことを知らなかったから。(女性/22歳)

・必要性を感じなかったから。(男性/21歳)

・周りでも同じ症状の人がいたから。(女性/21歳)


副反応疑い報告に関して、行っていない学生が93.5%であり、ほとんどの学生が行っていないことがわかった。また、報告するかどうかの判断も、周囲に同じ症状の人がいたり、発熱など起こる症状がすでに分かっていたりするケースでは、報告がされにくいケースがあるようだった。副反応疑い報告制度そのものを知らなかったという意見もあり、今後は、制度の周知も図っていく必要があると考えられる。



●未接種の人への質問、新型コロナワクチンを接種してない理由で最も多いのは「副反応が不安だから」。


〈新型コロナワクチンを接種していない理由(MA)〉


接種していない理由


新型コロナワクチンを接種していない人へ、その理由を質問した。新型コロナワクチン未接種の理由について、「副反応が不安だから」との回答が55.4%と最も高く、次いで「自分には必要ないと思うから」(35.7%)、「よく分からないから」(24.4%)などの順となっている。最も重要な理由についても、「副反応が不安だから」との回答が38.1%と最も高くなっている。



●副反応のリスクが明らかになり不安がなくなれば接種したい 65.5%


〈どういう状況になれば接種したいか(MA)〉


どういう状況になれば接種したいか?


新型コロナワクチンを接種したいと思う状況について、「副反応のリスクが明らかになり不安がなくなったら」が65.5%、「新型コロナウイルスに感染する不安が強くなったら」が29.8%となっている。副反応の情報は、自身の健康を左右することから、接種の判断において最も関心が高いことが明らかになった。情報取得についての回答結果と併せてみると、新型コロナワクチンに関する副反応について、テレビでの公平な報道が重要になると考えられる。



【神戸大学大学院の國部克彦教授コメント】

神戸大学大学院の國部克彦教授(社会環境会計、経営倫理専攻)は、今回の調査結果を受けて、以下のようにコメントする。

「ワクチン接種に圧力を感じるかどうかは基本的人権の問題として極めて重要だ。圧力を感じること自体が、不当な人権侵害が生じている可能性を示す。それが20パーセント以上にも上るということは重大で、早急に問題を認識し、対策を取る必要がある。

また、接種する理由のトップが「重症化予防」というのも、20代の人は感染リスクも、重症化リスクも極めて低いことが明らかであるから、これが理由のトップに来ることは、大学生が新型コロナウイルスの感染について十分な情報を調べることなく、接種の判断をしているのではないかと懸念される。」



【アンケート調査結果を受けて】

岡山・倉敷新型コロナウイルス感染対策市民審議会では、今回の調査結果を受けて、厚生労働省が提示している新型コロナワクチン接種に関する方針や副反応に関する情報の周知を、より進める必要があると考えています。5歳~11歳への接種についても検討されていますが、現在の状況では、ワクチン接種の有無によって小学校でもいじめや差別が起こることが懸念されます。また、保護者が自分の子どもへ接種するかどうかを判断するのに、充分な情報が届くように、厚生労働省に調査結果を提出し、ていねいでわかりやすい周知の徹底と啓発について厚生労働省へ要請しました。12月下旬に担当課から、回答をいただく予定です。



【当団体紹介】

岡山・倉敷新型コロナウイルス感染対策市民審議会は、子どもを持つママ、パパが参加する市民グループ。新型コロナウイルスの感染対策について、市民と専門家の意見をまとめ行政に提案している。2021年7月2日に、新型コロナワクチンの子どもたちへの接種に関して、情報公開の徹底とより慎重な運用を求めるため署名を開始、要望書とともに75,825名の署名を厚生労働省に提出。本会の活動に強く賛同し、全国に活動を共にするメンバーが1,000名を超えている。


参照URL: https://voice.charity/events/112



【本調査に関するお問い合わせ】

岡山・倉敷新型コロナウイルス感染対策市民審議会

所在地: 岡山県倉敷市西坂 683

代表 : 片岡 徹也

Email : c.shingikai@gmail.com

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