日本アカネ再生機構と大阪市立デザイン教育研究所が産学連携 「Japan Red(ジャパンレッド)」をテーマにした公開講座を実施 ~【日本の宝】日本茜の美しい色彩を披露!~
一般社団法人日本アカネ再生機構(本部:大阪府泉北郡忠岡町)の杉本 一郎(代表理事)と新居 慶二(常務理事)が、2022年1月30日に大阪市立デザイン教育研究所(大阪市阿倍野区)にて同研究所主催の公開講座にパネリストとして登壇し、在学生や入学予定者などを対象にカラーデザイン講師の北川 めぐみ先生(株式会社aroy COLOR DESIGN代表)と日本茜の魅力やデザインの考え方などについてパネルディスカッションを行いました。
■日本茜とは
日本茜は日本中に自生している多年草の植物ですが、残念ながらほとんど知られていません。しかし、2,000年以上も前から日本での赤色はこの日本茜の根である「赤根」によって染められていました。正倉院に納められている重要文化財や国宝に指定されている鎧などにも日本茜が染料として使われており、黒船来航時に日本総船印として制定された初めての日の丸も、実は日本茜によって染色されていました。
正に、日本の赤「Japan Red(ジャパンレッド)」とも言えるのですが、染色方法が難しいこと、染色には多くの根を必要とすること、根が成長するまでに3年もかかることなどの理由で日本茜による染色はやがて衰退し、日本茜の姿さえも忘れ去られ今では幻の植物となってしまいました。そのため、天然の植物染料としても日本茜だけは市販されていません。
■本公開講座について
「日本の赤-Japan Red(ジャパンレッド)-」をテーマに、「日本茜の美しい色彩で何が出来るのか」や「日本茜を普及させるにはどうすれば良いのか」というミッションに対して、大阪市立デザイン教育研究所の1年生が日本茜について知見を深め、Color(色)・Material(素材)・Finish(加工)といったデザイン要素の重要性を学び、それぞれの視点から新しい切り口やアプローチを見出す“実践型教育プログラム”の初回として開催されました。
当日は次年度の入学予定者や一般の方も受講され、1年生と共に積極的に質疑応答をされていました。講座終了後には、今回学んだことを活かすために早速、日本茜の染色体験を希望される方が続出し、有意義で楽しい講座であったという声も多数頂戴しました。
また、会場内外の設営や装飾は1年生が行いました。テーマに沿って北川先生のアドバイスを受けながら、展示品だけではなく照明や香りなどにも拘り、開講前の段階からでも学ぶことがたくさんあったようです。デザイン学校だけあって、日本茜の製品アイテムを上手く使いこなし、日本茜の多彩な色や温かみのある雰囲気などを演出させる大変素晴らしい会場を作っていただきました。
■パネリスト
一般社団法人日本アカネ再生機構 代表理事 杉本 一郎
株式会社川島織物セルコンで34年間勤めた後、染色事業のかさや儀平を設立。2009年に自生の日本茜を見つけて以来、栽培・研究・開発・販促などのあらゆる活動を全て1人で行う。
一般社団法人日本アカネ再生機構 常務理事 新居 慶二
ヤマト運輸株式会社を退職後、新居紙器株式会社の常務取締役に就任。
商品パッケージの作製依頼を受けて初めて日本茜と出会う。杉本代表をサポートしながら日本茜の普及活動や事業発展に取り組んでいる。
株式会社aroy COLOR DESIGN 代表 北川 めぐみ
マツダ株式会社のデザイナーとして活躍された後、独立。京阪電車車両のカラーデザインを担当し、「2009グッドデザイン賞」を受賞するなどの実績がある。2015年より大阪市立デザイン教育研究所のカラーデザイン講師として講義を行っている。
■一般社団法人日本アカネ再生機構とは
2021年11月5日に設立された一般社団法人。前身は任意団体の「日本茜を拡げる会」。
日本の色彩文化における三大色素の一色である今や幻となった「日本茜」を活用し、関与する農業・工芸・工業・福祉の全てが継続的事業となり得る水平連携を志向し、共存共栄を維持することにより「日本茜」を用いる事業が定着する文化を復興させ、次世代へ向けて事業を発展させることを目的としています。
<事業内容>
・日本茜の歴史・文化・特性などの研究・日本茜の栽培や染色技術などの研究と指導
・日本茜製品の開発や販売・日本茜の普及活動や情報発信・日本茜の里創り
・日本茜と他業種や産学官との連携・日本の文化財の復元再興事業への貢献など
<役員>
代表理事:杉本 一郎
専務理事:吉羽 敏郎
常務理事:新居 慶二
監事 :北崎 茂樹
<ウェブサイト>
■今後について
今回の公開講座を産学連携のスタートとし、北川先生や学生の方々と一緒に日本茜の魅力をより引き出すことができるモノやコトづくり、日本茜の認知度を向上させる取組みなどを行ってまいります。取組みの成果や実績などについては当社団のウェブサイトや展示会などで報告させていただきます。
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