HTBがNICTなどと共同でJGN回線を活かした8K非圧縮映像配信実験に成功/2022年NICT雪まつり実証実験

HTB北海道テレビは、2月5日(土)~2月11日(金・祝)に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、神奈川工科大学、池上通信機株式会社などと共同でJGN回線*を活用した超広帯域映像伝送実験「2022年NICT雪まつり実証実験」を行い、クラウドとエッジの連携による超高精細8K**非圧縮映像配信実験(①)、JPEG-XS符号化による長距離伝送実験(②)、および超広域でのNMOS運用実験(③)に成功しました。
HTBでは、今後も映像技術発展の為に貢献していきます。

【2022年NICT雪まつり実証実験】

①クラウドとエッジの連携による超高精細8K非圧縮映像配信実験

2030年代のあらゆる産業・社会の基盤になるとされる次世代情報通信基盤Beyond 5G***により、ライブ配信など様々な映像アプリケーションも超高精細8K映像を用いるようになると想定されます。しかし、大容量の8K映像処理をクラウドで行う場合には、処理速度、回線速度が圧倒的に不足するほか、回線速度や端末の種類に応じた適切な映像トランスコード技術が必要になります。今回の実験では、国内8Kクラウドと、エッジの映像処理機能(ソフトウェアベースの映像スイッチング機能とトランスコード機能)を連携させた高度な分散処理により、札幌(HTB局舎内)、大阪、沖縄の各拠点に設置した8Kカメラからの非圧縮映像の配信に成功しました。
HTB本社7階テラスに設置された8Kカメラ(C)HTB
HTB本社7階テラスに設置された8Kカメラ(C)HTB

②JPEG-XS符号化による長距離伝送実験

札幌拠点からHD信号2系統をJPEG-XS符号化により東京拠点まで長距離伝送することに成功しました。JPEG-XSは、データ量を最大10分の1に圧縮しつつ、視覚的に損失のない画質を実現する符号化です。JPEG-XS符号化による帯域を有効活用したHD複数素材伝送は、スポーツ中継などのIPリモートプロダクション制作において有効な手段となります。
ラック室に構築した機材(C)HTB
ラック室に構築した機材(C)HTB

③超広域でのNMOS運用実験

NMOS(Network Media Open Specification)はIPネットワークにおけるベンダーニュートラルな制御の共通規格です。今回の実験では、札幌、大阪拠点に設置した4Kカメラの初期設定を遠隔で一括適用するほか、スイッチャー、測定器などへの信号割り付け、大阪拠点カメラのHD映像を札幌拠点カメラのリターン映像として瞬時割り付けするなど、超広域でのNMOS運用に成功しました。

*JGN(Japan Gigabit Network)回線
NICTが運営する超高速研究開発ネットワーク
**8K
NHK放送技術研究所が中心となって開発されているテレビ規格。4Kの約4倍、現行のフルハイビジョンの約16倍にあたる3,300万画素を持つ。横7,680×縦4,320の画素数であり、横方向の画素数が約8,000であることから8Kと呼ばれる。
***Beyond 5G
「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」といった5Gの特徴的機能のさらなる高度化に加え、「超低消費電力」「超安全・信頼性」「自律性」「拡張性」といった持続可能で新たな価値の創造に資する機能をもった5Gの次の世代の移動通信システム。
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