百寿者の、腸内フローラの秘密に迫る!「酪酸産生菌」がカギ
2021年秋の調査によると、日本国内の100歳以上の高齢者(百寿者)は8万6510人。およそ88%が女性です。
一方、日本人女性の死因の1位となっているのは大腸がん(男性では2位)。
一方、日本人女性の死因の1位となっているのは大腸がん(男性では2位)。
腸内フローラって一体何?
大腸がんの原因には、がんの遺伝的要因、食事などの環境要因、腸内フローラ(腸内細菌叢)の3つが複雑に関わっているのですが、そこから健康・長寿の秘密を探ってみたいと思います。
腸内フローラのはたらき
腸内に細菌が棲みつくのは、エサが豊富で酸素が少なく、細菌にとって居心地のいいところだから。
そして、一部の腸内細菌が作り出す酸には、腸内環境をキレイに整える働きがあります。
中でも、短鎖脂肪酸と呼ばれる酸(特に酪酸)は、大腸が正常に働くためのエネルギー源にもなります。
つまり、人間と腸内細菌は、「持ちつ持たれつ」の関係。
健康・長寿のために、腸内環境は欠かせない要素といえそうです。
そして、一部の腸内細菌が作り出す酸には、腸内環境をキレイに整える働きがあります。
中でも、短鎖脂肪酸と呼ばれる酸(特に酪酸)は、大腸が正常に働くためのエネルギー源にもなります。
つまり、人間と腸内細菌は、「持ちつ持たれつ」の関係。
健康・長寿のために、腸内環境は欠かせない要素といえそうです。
百寿者の腸内フローラの特徴は?
近年の研究で、百寿者の腸内フローラをメタゲノム解析したところ、若年者に比較して種レベルで減少する細菌・増加する細菌、それぞれ4種が明らかになり、減少する4種はすべて酪酸産生菌だったのです。
これまでの報告では、一般的に腸内細菌は、高齢になるとビフィズス菌が減り、大腸菌が増えるとされていたのですが、百寿者の腸内細菌は、60歳時ぐらいのパターンを維持できているようなのです。
なぜ、ビフィズス菌が減らないのか?
その理由はまだ明らかにされていませんが、百寿者の腸管内はビフィズス菌によって炎症が起きにくい傾向があり、炎症が起こると減りやすい菌が生き残っているからではないかと考えられています。
このように、健康長寿のメカニズムに腸内細菌あるいはその代謝物が関与する可能性が、少しずつ明らかになってきているのです。
これまでの報告では、一般的に腸内細菌は、高齢になるとビフィズス菌が減り、大腸菌が増えるとされていたのですが、百寿者の腸内細菌は、60歳時ぐらいのパターンを維持できているようなのです。
なぜ、ビフィズス菌が減らないのか?
その理由はまだ明らかにされていませんが、百寿者の腸管内はビフィズス菌によって炎症が起きにくい傾向があり、炎症が起こると減りやすい菌が生き残っているからではないかと考えられています。
このように、健康長寿のメカニズムに腸内細菌あるいはその代謝物が関与する可能性が、少しずつ明らかになってきているのです。
健康長寿に最も有効な菌は?
以前から善玉菌として広く知られている乳酸菌やビフィズス菌と、最近注目度が上がっている酪酸菌。
どちらが、より健康長寿に作用しているのでしょうか?
日本の中でも長寿者の多い地域と平均的な地域での比較研究の結果、ビフィズス菌の占有率に差はなく、酪酸菌に差があることがわかっています。酪酸菌が作る酸は、酪酸と酢酸。酢酸はビフィズス菌にも作れますが、酪酸を作れるのは酪酸菌だけなのです。
これからの研究で、さらにこの関係性が明かされることを期待しましょう。
どちらが、より健康長寿に作用しているのでしょうか?
日本の中でも長寿者の多い地域と平均的な地域での比較研究の結果、ビフィズス菌の占有率に差はなく、酪酸菌に差があることがわかっています。酪酸菌が作る酸は、酪酸と酢酸。酢酸はビフィズス菌にも作れますが、酪酸を作れるのは酪酸菌だけなのです。
これからの研究で、さらにこの関係性が明かされることを期待しましょう。
腸内フローラに含まれている酪酸産生菌
酪酸を産生する菌を、酪酸産生菌あるいは酪酸菌と呼び、腸内フローラの中にはいくつかの酪酸産生菌が含まれています。
占有率の高い代表的な菌はフィーカリバクテリア菌、ロゼブリア菌、コプロコッカス菌で、特にフィーカリバクテリア菌は注目度が高く、最近では新型コロナウイルス感染症により入院治療を受けた症例でも、この菌が有意に減少することが見いだされています。
占有率の高い代表的な菌はフィーカリバクテリア菌、ロゼブリア菌、コプロコッカス菌で、特にフィーカリバクテリア菌は注目度が高く、最近では新型コロナウイルス感染症により入院治療を受けた症例でも、この菌が有意に減少することが見いだされています。
腸内フローラをよい状態にするには?
健康長寿に大きな影響をもたらす腸内フローラ。その環境を良好に保つためにはどうすればいいのでしょうか?
まずは、「腸年齢」のチェックです。
腸年齢=(実年齢-10)+(以下で該当した項目数×3)と考えてください。
まずは、「腸年齢」のチェックです。
腸年齢=(実年齢-10)+(以下で該当した項目数×3)と考えてください。
・帝王切開で生まれた
・都会で生まれて育った
・母親と食べ物などの好みが違う
・ここ2年間でインフルエンザにかかった
・おならが臭い
・コロコロとした便が多い
・やわらかい便が多い
・朝食後にトイレに行かない
・大腸ポリープがあるといわれた
・抗生物質や胃酸分泌抑制薬を飲むことが多い
腸年齢が実年齢を大きく上回った人は、腸内フローラが荒れ気味ですので、生活習慣の見直しが必要です。
まずは「食習慣」を振り返ってください。
その際、何を食べるか、ということとともにいつ食べるかということが重要で、夜型の食生活は腸内フローラの酪酸産生菌の減少を引き起こしますから注意してください。
まずは「食習慣」を振り返ってください。
その際、何を食べるか、ということとともにいつ食べるかということが重要で、夜型の食生活は腸内フローラの酪酸産生菌の減少を引き起こしますから注意してください。
腸を育てよう
ヒトの腸内フローラは、生後3年ぐらいの間に個人ごとに定着するフローラが決まるとされていて、大人になってからでは、新たな種類の細菌が常在細菌として定着することは難しいとされています。
だからこそ、それぞれの腸内に存在している腸内フローラを増殖させ、活性化させること、すなわち「腸活」が重要なのです。
健康・長寿の必須条件である腸の健康。
あなたの腸内フローラを、美しくたくましく育ててください。
だからこそ、それぞれの腸内に存在している腸内フローラを増殖させ、活性化させること、すなわち「腸活」が重要なのです。
健康・長寿の必須条件である腸の健康。
あなたの腸内フローラを、美しくたくましく育ててください。
著者プロフィール
内藤裕二(ないとう・ゆうじ)
京都府立医科大学大学院教授
1983年、京都府立医科大学卒業。
米国ルイジアナ州立大学客員教授を経て、2009年より京都府立医科大学准教授。
明朗なキャラクターで、メディアでも活躍中。
2021年より、現職。専門は消化器病学、消化器内視鏡学、抗加齢学、腸内細菌叢。
著書には『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢』(羊土社)、『人生を変える賢い腸のつくり方』(ダイヤモンド社)など多数。
1983年、京都府立医科大学卒業。
米国ルイジアナ州立大学客員教授を経て、2009年より京都府立医科大学准教授。
明朗なキャラクターで、メディアでも活躍中。
2021年より、現職。専門は消化器病学、消化器内視鏡学、抗加齢学、腸内細菌叢。
著書には『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢』(羊土社)、『人生を変える賢い腸のつくり方』(ダイヤモンド社)など多数。
書籍情報
タイトル:酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる ~今、話題の酪酸・酪酸菌のすべてが分かる!~
著者:内藤裕二
ページ数:149ページ
価格:1,760円(10%税込)
発行日:2022年2月7日
ISBN:978-4-86667-356-1
http://www.asa21.com/book/b597033.html
著者:内藤裕二
ページ数:149ページ
価格:1,760円(10%税込)
発行日:2022年2月7日
ISBN:978-4-86667-356-1
http://www.asa21.com/book/b597033.html
amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866673567/asapublcoltd-22/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/17003312/?l-id=search-c-item-text-01
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/17003312/?l-id=search-c-item-text-01
目次
はじめに
第1章 健康・長寿の要は腸だった!
第2章 酪酸・酪酸菌がもたらすメリット
第3章 今日から始めたい酪酸菌を増やす具体的習慣
おわりに
第1章 健康・長寿の要は腸だった!
第2章 酪酸・酪酸菌がもたらすメリット
第3章 今日から始めたい酪酸菌を増やす具体的習慣
おわりに
- カテゴリ:
- サービス
- ジャンル:
- その他ライフスタイル
取材依頼・商品に対するお問い合わせに関しては
プレスリリース内にございます企業・団体に直接ご連絡ください。
記事掲載数No.1!「@Press(アットプレス)」は2001年に開設されたプレスリリース配信サービスです。専任スタッフのサポート&充実したSNS拡散機能により、効果的な情報発信をサポートします。(運営:ソーシャルワイヤー株式会社)