「第5回NITS(ニッツ)大賞」の審査結果を発表 先生たちが...

「第5回NITS(ニッツ)大賞」の審査結果を発表  先生たちが楽しく生き生きと取り組んだ学校改善の事例など、 大賞1点、準大賞2点、優秀賞6点、入選2点を選出

独立行政法人教職員支援機構(略称:NITS(ニッツ)、本部:茨城県つくば市、理事長:荒瀬 克己、以下 機構)は2月28日、第5回となる「NITS大賞」の審査結果を発表しました。


第5回NITS大賞決定バナー


大賞 :光市立浅江中学校

準大賞:神戸大学附属小学校、近江八幡市立八幡中学校

優秀賞:春日市立春日東中学校、仙台市立沖野小学校、北海道小樽高等支援学校、

    新潟大学附属新潟中学校、品川区立豊葉の杜学園、京都市立楊梅幼稚園

入選 :横浜市立市沢小学校、愛荘町立愛知川小学校

(※審査会での決定により、当初の予定に加え、「準大賞」と「入選」を新たに追加)


「NITS大賞」は、学校をとりまく課題解決を目指して取り組んだ実践活動を広く募集し、優れた活動を表彰・共有する事業です。平成29年度の発足から第5回となる今年度は、主題を「子供一人一人が輝ける場となるように~教師の働きがいを再構築する学校づくり~」とし、のびのびと楽しく誇りを持って学校改善に取り組んだ教育実践を募集し、136点の応募から大賞等を選出しました。


多彩な審査委員で構成された審査会による審査の結果は、機構ウェブサイトに掲載しています。また、二次審査のプレゼンテーション動画も併せて掲載しています。全国の学校や教員に共通する課題は多く、互いにノウハウや経験を共有することによって、新たな発展が期待されます。今後は、大賞・優秀賞等のエントリーシートを掲載した事例集(3月発行予定)を冊子として配布することで、全国の教育現場の実践をサポートします。


審査結果及び受賞校のプレゼンテーション動画は、下記URL等よりご覧いただけます。

https://www.nits.go.jp/education/grand_prize/outline/005.html


教職員支援機構ウェブサイト「第5回NITS大賞」のページ


<第5回NITS大賞受賞一覧>

〇大賞1点

実践活動名 :共有で授業改革!働き方改革!

       ~参観者が苦労し、授業者が得をする校内研修~

学校名   :光市立浅江中学校

評価ポイント:今日的課題でもあるICT活用を授業改善に生かす「授業の指導案&記録シートの活用」という方法の提案と実践は、他校の参考となる取組として評価される。熱意と挑戦が素晴らしく、教師の意欲と工夫が授業を大きく改善する模範例として大いに参考になる。ICTを活用することにより、ビジョンの共有と日常の改善サイクルを効果的にまわす仕組みは、全国に伝えたい素晴らしい実践である。


〇準大賞2点

実践活動名 :神大附属発!真・働き方改革

       ~教師を支える6つの仕組み~

学校名   :神戸大学附属小学校

評価ポイント:大学附属ならではの取組という側面もあるが、取り組んだ6つの仕組みは同様の課題を抱える学校の条件に応じた改善策構築のヒントになる取組として評価される。教科担任制、学年担任制度、変形労働制度はチャレンジングで、教員の負担を減らして研修時間を作り、教育力向上に成功している。小規模校や若手の多い他の学校の苦労を改善できると期待。


実践活動名 :生徒の声を出発点にした授業改善

       ~「信頼」と「楽しい」で働きがいを再構築~

学校名   :近江八幡市立八幡中学校

評価ポイント:生徒の声を出発点にして、全校授業評価アンケートの実施とG-OJTという教員間の協働による授業改善に取り組む新たな仕組みづくりは、教員同士の学び合い→教員の成長→多忙感の減少というプラスのサイクルを生み出している点が評価される。懐疑的な教員も対話的に巻き込み、変わろうという内なる動機を刺激しつつ、継続的な改善がなされ発展し続ける組織の在り方が素晴らしい。


〇優秀賞6点

実践活動名 :月曜日に来たくなる学校づくり

       ~Happy Monday プロジェクト~

学校名   :春日市立春日東中学校

評価ポイント:学校像に掲げる生徒像と実態のズレに着目し、その改善に向けて月曜日の在り方に着目した取組の着眼点と方法は、同様の課題を抱える学校の参考となる取組として評価される。不登校の問題を、対症療法ではない、みんなで本質的な改革によって取り組んでいる素晴らしい事例と感じた。


実践活動名 :見える手応え、みんなで継続

       ~目標の焦点化と取組の共有で子供を伸ばす~

学校名   :仙台市立沖野小学校

評価ポイント:どの学校にも存在する課題に対して、組織的、計画的に取り組んだものとして評価される。また、設定された目標と方針のもと、具体的に取り組んだ活動は汎用性がある点も評価される。生徒や社会の人たちと広く問題点を分かち合う試みは的確だと思う。読み聞かせは理解度を向上させる重要な方法である。QRや動画を活用するなど、工夫も多い。


実践活動名 :一人一人が輝くのであたたかい学校

       ~キャッチフレーズでつながる生徒と教師~

学校名   :北海道小樽高等支援学校

評価ポイント:学校教育目標をキャッチフレーズ化し、その具体化に向けて下位目標の設定という手法の導入により、教師と生徒のキャリア発達を図る取り組みとして評価される。支援高校の取り組みは地道でご苦労も多いだろうが、一人一人を見つめながら、地域とともにしっかりと進める姿勢に感服した。


実践活動名 :閉塞感の打破!学校を元気に!

       ~エージェンシーを育む教育課程の編成~

学校名   :新潟大学附属新潟中学校

評価ポイント:生徒の声、思いを大切にする学校、そのための方法としての生徒と教員の間での教育ビジョンの共有を図る場の創設と、そこでの検討結果を踏まえたカリキュラムづくりへの結実という仕組みとプロセスは、他校の参考になる取組として評価される。生徒の自主性を重んじてエージェンシーを育む取り組みを中学校でやれるというのは驚きで、生徒の積極性と教師の忍耐強さが光る。


実践活動名 :新しい時代に向けての学校組織

       ~多様性を生かした協働チームで学校を活性化~

学校名   :品川区立豊葉の杜学園

評価ポイント:多様な課題に対応するために、チームを主体とする組織体制の構築によって取り組んだものとして評価される。特に、教員間のチーム、学校関係者とのチームは多様性を生かした協働チームという視点にもとづくものである点が評価される。「ハウス」など小中連携の模範例や効果的工夫として普及を期待する。


実践活動名 :子どもの心が動く幼小接続

       ~互いのあたりまえを越える~

学校名   :京都市立楊梅幼稚園

評価ポイント:「あたりまえ」という従来の捉え方をいかに変えていくか、そのための様々な仕組みと活動を新たに創り出している点が評価される。幼小連携の重みが増す中、様々な具体的な取組に感心した。9年間成長をつなげる「エピソードシート」の作成が独創的で、全国の現場に伝えてほしいと期待。


〇入選2点

実践活動名 :ミドルが相互に高め合う校内研修

       ~シェアド・リーダーシップの開発を目指して~

学校名   :横浜市立市沢小学校

評価ポイント:教育課題の多様化に対応する人材育成という現代的課題に対して、ミドル層の教員のリーダーシップ開発に焦点を当てた取り組みとして評価される。ミドルリーダーと校内研修の充実はどの学校にも必要。民間の知恵を活用した取組に感心。具体的成果と普及を大いに期待。


実践活動名 :意欲に火をつけ、学び合う学校へ

       ~期末テスト導入から続ける学力向上への模索~

学校名   :愛荘町立愛知川小学校

評価ポイント:学習意欲の個人差に着目し、その解決に向けて自主勉チャレンジウィークや6年勉強教え隊など新たな仕組みのもとでの取組が評価される。高学年が指導して、生徒にチャレンジ精神を持たせることは重要だと思う。個別最適な学びの模範例として広まってほしい。



<応募者の感想(アンケートより一部抜粋)>

・各学校の取組を情報共有できる素晴らしい機会だと感じている。

・よい実践や取組が共有され、日本の教育の質の向上に繋がればと思う。

・他県の好事例や先生方の熱い思いを共有し、生徒にとって行きたくなる学校づくりに繋げたい。

・自分たちの取組を振り返ったり、広めたりすることになり、より良い学校運営に繋がっていく。

・校内職員に「全国にはこんな取組例があるんですよ」と宣伝したい。



<「第5回NITS大賞」概要>

1. 実施主体等

主催:独立行政法人教職員支援機構

後援:文部科学省、全国都道府県教育委員会連合会、全国市町村教育委員会連合会、指定都市教育委員会協議会、公益社団法人日本PTA全国協議会、一般社団法人全国高等学校PTA連合会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国高等学校長協会、全国特別支援学校長会、日本私立小学校連合会、日本私立中学高等学校連合会


2. エントリー要件

新学習指導要領の着実な実施や、学校における業務改善への取組、新しい生活様式への対応など、一人一人の子供を主語にする学校教育の実現に向けて、多様な人々との協働を含め、のびのびと楽しく誇りを持って学校改善に取り組んだ実践活動


3. エントリー資格

上記「エントリー要件」に示す実践活動に主体的に参画した個人または団体

(教職員、児童生徒、保護者、地域の方、及びその関係団体等)


4. 審査

<一次審査>エントリーシートにて書類審査を行い、十数点を選出

<二次審査>オンラインによるプレゼンテーション審査を行い、大賞と優秀賞を選出


<審査委員>(五十音順、敬称略)

※下記審査委員が審査を行うのは、二次審査からとなります。

今村 久美 :認定NPO法人カタリバ 代表理事

北神 正行 :国士舘大学 教授

貞広 斎子 :千葉大学 教授

二宮 徹  :NHK解説委員室 解説主幹

平田 オリザ:芸術文化観光専門職大学 学長

山極 壽一 :総合地球環境学研究所 所長

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