ダイキン工業とJDSCが、空調機器のIoTデータを用いた 不具合監視・運転異常予兆検出AIを共同開発
〜「業務効率化」と「製品対応・改善のPDCAサイクル高速化」に成功〜
2022.03.01 14:00
ダイキン工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 兼 CEO:十河政則、以下「ダイキン工業」)と株式会社JDSC(本社:東京都文京区、代表取締役:加藤エルテス聡志、以下「JDSC」)は、空調機の不具合監視・運転異常予兆検出を可能にするAIを共同開発し、このたび試験運用を通じて業務効率化や製品対応・改善のPDCAサイクル高速化の効果を確認しました。今後、業務への本格適用とさらなる高度化を目指します。
両社は2020年10月の資本提携以降、IoTデータとAIを用いた空調事業のアップグレードと顧客体験の向上に共同で取り組んできました。今回共同開発した市場投入製品の不具合を監視するAI、ならびに運転異常予兆を検出するAIは、2021年夏より実際の業務にて試験運用を開始しました。検証の結果、不具合監視AIは発生した事象やお客様の声を製品対応・改善に活かす一連のPDCAサイクルを、従来比で1年以上短縮することに成功しました。また、運転異常予兆検出AIは、従来検出できなかった故障要因や予兆の検出に成功し、その有効性と効果を確認できました。
両社は2020年10月の資本提携以降、IoTデータとAIを用いた空調事業のアップグレードと顧客体験の向上に共同で取り組んできました。今回共同開発した市場投入製品の不具合を監視するAI、ならびに運転異常予兆を検出するAIは、2021年夏より実際の業務にて試験運用を開始しました。検証の結果、不具合監視AIは発生した事象やお客様の声を製品対応・改善に活かす一連のPDCAサイクルを、従来比で1年以上短縮することに成功しました。また、運転異常予兆検出AIは、従来検出できなかった故障要因や予兆の検出に成功し、その有効性と効果を確認できました。
本取り組みは、ダイキン工業のテクノロジー・イノベーションセンター、空調生産本部、サービス本部に、スタートアップ企業であるJDSCが加わり、生産・製造・顧客体験にわたる複数組織の協業とデジタルの力を合わせることで、新たな価値の創出に成功した事例です。この共同成果を踏まえ、今後、空調バリューチェーン全体のDXによるアップグレードを一層加速化すべく、さらなるDX活動の強化、展開に取り組んでいきます。
1. 本取り組みの背景
ダイキン工業は2021年6月に戦略経営計画「FUSION25」を策定しました。経営基盤強化5テーマ の一つに「変革を支えるデジタル化の推進」を掲げ、多様化する顧客のニーズに適した価値提供を行うとともに、デジタル技術開発のスピードアップ、データプラットフォームの構築、機器のコネクテッド化、ものづくり・SCM改革を推進しています。JDSCは東京大学の知を社会実装するスタートアップとして、データサイエンスを活用した各産業のアップグレードをミッションに掲げています。製造業・インフラ産業のIoTデータを活用した業務効率改善や新たな付加価値・サービスの創出を、各業界のリーディングプレイヤーと共に推進しています。両社の協業を通じ、ダイキン工業の空調機器のビッグデータを活用して、業界最先端となるソリューション・顧客価値を創出すべく、協業してきました。
2. 本取り組みの内容
市場投入製品の不具合監視AIについて
ダイキン工業では、市場投入製品に対するお客様の声や発生不具合を振り返り、新たな製品開発に反映し、より良い顧客体験へつなげていく取り組みを行っています。大量の投入製品に対する様々な発生事象やお客様の声の分析は、これまで人の手によって行われており、ビッグデータの統計解析や学習には基づいていなかったため、的確な判断に莫大な時間を要していました。今回の協業では、過去の不具合とそれに伴う製品対応のデータを学習したAIを開発し、このAIが市場対応情報(入電情報や発生不具合など)から、製品対応や設計上考慮するべき可能性のある事象をアラート(警告)し、人の判断をアシストするシステムを、2021年夏から業務に適用しました。その結果、従来の製品対応・改善のPDCAサイクルに比べて1年以上早く、対応を要する不具合のフィードバックを行えることが確認できました。本システムは家庭用のみでなく業務用空調機にも適用を開始しており、ダイキン工業としてより良い製品の提供を行っていくことに活かしていきます。
運転異常の予兆検出AIについて
これまで、空調機の不具合発生時は機器の設置現場での確認が必須である上、現地確認でも分からない異常もあり、お客様のご不便につながっていました。今回の取り組みでは、遠隔で取得・解析可能となった運転データを活用するため、これまで人の手では膨大な運転データの解析に時間を要したものを、大規模・高速に解析が可能な解析基盤を構築しました。また、従来ではわからなかった一部異常の発生予兆の検出や、異常箇所の特定を可能とするAIを構築しました。これにより、お客様への対応をより効果的に行える他、業務効率の改善も期待することができます。今後も機能を拡張させていくのに加え、2022年春より、現場での検証も行っていく予定です。
株式会社JDSCについて
JDSCは、日本の産業をアップグレードすることを使命とした、東大の知を社会実装するスタートアップです。労働人口が減る中で、労働生産性を高め、豊かさを享受するため、AIを通じて企業を、産業を、ひいては日本をアップグレードしていくべく、各産業のリーディングプレイヤーと共同・共創を行っています。2020年10月にダイキン工業はじめ事業会社等から出資を得て、2021年12月20日、東京証券取引所マザーズへ新規上場しました。
ダイキン工業株式会社について
ダイキン工業は海外売上高比率が7割を超え、グループ全従業員の8割以上が海外で働いているグローバルメーカーです。1924年の創業以来、空調事業、フッ素化学事業を中心に成長を続け、今では世界に100以上の生産拠点を持ち、160を超える国と地域で事業を展開しています。世界中の異なる文化や価値観から生まれるニーズに応え、人と空間を健康で快適にする製品・サービスを提供しています。
2019年11月には、スタートアップ企業との協業を推進するため「テクノロジー・イノベーションセンター CVC室」を設立し、2024年までの5年間で110億円の出資枠を設けています。JDSCを含めこれまで15社以上に40億円を超える出資をしてきました。 今後もグローバルで様々な分野の新たなパートナーと強固な関係を構築し、オープンイノベーションの取り組みを強化します。
2019年11月には、スタートアップ企業との協業を推進するため「テクノロジー・イノベーションセンター CVC室」を設立し、2024年までの5年間で110億円の出資枠を設けています。JDSCを含めこれまで15社以上に40億円を超える出資をしてきました。 今後もグローバルで様々な分野の新たなパートナーと強固な関係を構築し、オープンイノベーションの取り組みを強化します。
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