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連合調べ  Z世代が関心のある社会課題  1位「いじめ」20.7%、2位「長時間労働」18.7%、 3位「自殺問題」16.7%、 4位「ジェンダーにもとづく差別」16.3%

~Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022~

日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:芳野 友子)は、Z世代の社会運動に対する意識と実態を把握し、新しい労働運動スタイルの検討につなげることを目的に、「Z世代が考える社会を良くするための社会運動調査2022」をインターネットリサーチにより2021年12月21日~12月23日の3日間で実施、全国の15歳~29歳の男女1,500名の有効サンプルを集計しました(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)。


[調査結果]

≪社会課題への関心について≫


今回の調査では、下記の8分野全36項目の社会課題について、関心の有無や関心を持った経緯などを調査しました。

 

1.環境に関する課題

…気候変動/エネルギー資源(再生可能エネルギーの活用含む)/生態系および自然の保護/大量生産・大量廃棄問題

2.平和に関する課題

…戦争・紛争・テロ/核兵器廃絶/移民・難民問題/被災地支援や防災

3.健康に関する課題

…健康・医療・福祉の格差/貧困問題/食糧問題(飢餓・食糧の安定確保など含む)/高齢化問題(介護問題含む)

4.教育に関する課題

…教育格差/いじめ/不登校/奨学金問題(学費高騰問題含む)

5.ジェンダー平等に関する課題

…女性活躍推進/ジェンダーにもとづく差別/選択的夫婦別姓/性的指向・性自認(性的マイノリティ課題含む)/暴力とハラスメント

6.人権に関する課題

…個人情報保護/メディア・ネットリテラシー(誹謗中傷など含む)/自殺問題/児童虐待

7.経済・社会に関する課題

…経済成長/医療・社会保障(年金問題含む)/デジタル化の遅れ/人口減少/大都市一極集中と地域活性化/所得格差

8.労働に関する課題

…長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)/職場のハラスメント/障がい者雇用の問題/外国人労働者の問題/非正規雇用やフリーランスなどの問題

 

◆「関心のある社会課題がある」Z世代の87.0%

◆Z世代が関心のある社会課題

 1位「いじめ」20.7%、2位「長時間労働」18.7%、3位「自殺問題」16.7%、4位「ジェンダーにもとづく差別」16.3%

 男性1位は「長時間労働」19.1%、女性1位は「ジェンダーにもとづく差別」23.6%

 社会人Z世代1位は「長時間労働」21.9%、学生Z世代1位は「ジェンダーにもとづく差別」22.7%


若者がどのような社会課題に関心を持ち、どのような社会運動を望んでいるのか、また、若者とともに社会運動を進めるためにはどのようなアプローチが必要となるのかを探るため、いわゆる“Z世代”に当たる、15歳~29歳の男女1,500名(全回答者)に、社会課題について質問しました。


まず、全回答者(1,500名)に、関心のある社会課題があるか聞いたところ、「ある」は87.0%、「ない」は13.0%となりました。Z世代と呼ばれる若年層の社会課題に対する関心の高さが見て取れる結果となりました。

年齢層別にみると、関心のある社会課題がある人の割合は、15歳~19歳92.2%、20歳~24歳86.8%、25歳~29歳82.0%と、Z世代の中でも特に10代の関心の高さが浮き彫りとなりました。


では、どのような社会課題に関心を持っている人が多いのでしょうか。

全回答者(1,500名)に、関心のある社会課題の分野を聞いたところ、「経済・社会」(40.6%)が最も高くなり、「教育」「人権」(いずれも37.3%)、「ジェンダー平等」(34.7%)、「労働」(33.7%)が続きました。


また、関心のある社会課題を分野ごとにみると、【経済・社会】では「医療・社会保障(年金問題含む)」(15.1%)、【教育】では「いじめ」(20.7%)、【人権】では「自殺問題」(16.7%)、【ジェンダー平等】では「ジェンダーにもとづく差別」(16.3%)、【労働】では「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(18.7%)、【健康】では「高齢化問題(介護問題含む)」(13.2%)、【環境】では「エネルギー資源(再生可能エネルギーの活用含む)」(7.3%)、【平和】では「戦争・紛争・テロ」(9.9%)がそれぞれ最も高くなりました。


すべての項目をまとめてみると、「いじめ」(20.7%)が最も高くなり、「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(18.7%)、「自殺問題」(16.7%)、「ジェンダーにもとづく差別」(16.3%)、「医療・社会保障(年金問題含む)」(15.1%)が続きました。

男女別にみると、男性では「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(19.1%)、女性では「ジェンダーにもとづく差別」(23.6%)が最も高くなりました。


職業別にみると、社会人Z世代では1位「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(21.9%)、2位「いじめ」(19.4%)、3位「医療・社会保障(年金問題含む)」(17.1%)、4位「高齢化問題(介護問題含む)」(14.4%)、5位「自殺問題」(14.3%)となり、学生Z世代では1位「ジェンダーにもとづく差別」(22.7%)、2位「いじめ」(21.6%)、3位「自殺問題」(19.7%)、4位「長時間労働(ワーク・ライフ・バランス)」(16.1%)、5位「児童虐待」(14.9%)となりました。


◆社会課題に関心を持った理由

 “いじめ”では1位「身近にこの問題に直面したことがある」2位「困っている人がいるなら助けたい」

 “長時間労働”では1位「自分のくらしを守ることになる」2位「身近にこの問題に直面したことがある」

 “自殺問題”では1位「人の生命にかかわる問題」2位「困っている人がいるなら助けたい」

 “ジェンダーにもとづく差別”では1位「人権にかかわる問題」2位「身近にこの問題に直面したことがある」

◆「身近にこの問題に直面したことがある」が突出して高くなった社会課題は“奨学金問題”と“不登校”


関心のある社会課題について、それぞれの社会課題に関心がある人に、社会課題に関心を持った理由を聞きました。


全体の結果をみると、「身近にこの問題に直面したことがあるから」(41.2%)が最も高くなり、「社会・環境をよりよくしたいから」(34.9%)、「人の生命にかかわる問題だから」(32.1%)、「困っている人がいるなら助けたいから」(31.4%)、「自分のくらしを守ることになるから」(27.6%)が続きました。


関心のある社会課題として挙がった上位10項目についてみると、【いじめ】では1位「身近にこの問題に直面したことがあるから」(25.8%)、2位「困っている人がいるなら助けたいから」(22.6%)、【長時間労働】では1位「自分のくらしを守ることになるから」(26.1%)、2位「身近にこの問題に直面したことがあるから」(24.3%)、【自殺問題】では1位「人の生命にかかわる問題だから」(41.8%)、2位「困っている人がいるなら助けたいから」(21.9%)、【ジェンダーにもとづく差別】では1位「人権にかかわる問題だから」(32.2%)、2位「身近にこの問題に直面したことがあるから」(19.2%)となりました。実際に身近に直面した経験が理由となって関心を持つようになったケースは多いようです。

自由回答で聴取した「その他」の回答内容をみると、【いじめ】では「息子が知的障がい児で将来いじめに遭うこともあるのではないかと不安であるから」、【長時間労働】では「自分にとても関係しているため」、【自殺問題】では「大学の講義で学んだから」、【ジェンダーにもとづく差別】では「多様性を認める社会になってほしいから」、【医療・社会保障】では「医療関係の仕事をしているから」、【高齢化問題】では「自分が高齢になったときのことが心配だから」といった理由がありました。


「身近にこの問題に直面したことがあるから」と回答した割合が高い社会課題は、1位【奨学金問題】(54.0%)、2位【不登校】(41.2%)、3位【障がい者雇用の問題】(33.8%)でした。


◆社会課題に関心を持ったきっかけ

 8分野の社会課題のうち7分野では「テレビで見た」がダントツ、テレビの影響力の大きさが明らかに

 環境、平和、健康、経済・社会では「学校の授業」、ジェンダー平等、人権では「SNS」「ネット記事」の影響力も


次に、関心のある社会課題について、それぞれの社会課題に関心がある人に、社会課題に関心を持ったきっかけを聞きました。


全体の結果をみると、「テレビで見た」(55.1%)が最も高くなり、「学校の授業で学んだ」(40.6%)、「ネット記事を見た」(38.0%)、「SNSで見た」(35.0%)、「自分が課題に直面した」(33.3%)が続きました。


8分野の社会課題ごとに関心を持ったきっかけをみると、【環境】【平和】【教育】【ジェンダー平等】【人権】【経済・社会】【労働】では「テレビで見た」(順に44.5%、40.8%、34.5%、40.2%、49.7%、42.0%、36.8%)が1位となり、【健康】では「学校の授業で学んだ」(36.8%)が1位となりました。【環境】【平和】【経済・社会】では「学校の授業で学んだ」(順に30.5%、36.0%、27.4%)が2位となり、【教育】【労働】では「自分が課題に直面した」(順に29.5%、27.7%)が2位となりました。また、【ジェンダー平等】【人権】では「SNSで見た」(順に30.8%、33.3%)が2位、「ネット記事を見た」(順に27.9%、30.2%)が3位となり、SNSやネット記事をきっかけとする割合が他の分野と比べて高くなりました。


≪これまで参加した社会運動について≫

◆Z世代の社会運動参加経験率は36.8%

◆参加経験のある社会運動 1位「知識を深めるためのセミナー」2位「SNSでの個人の発信」


続いて、社会の問題解決や社会制度の改善・変革を目的として行われる組織的もしくは集合的な運動である“社会運動”に関して質問しました。


まず、全回答者(1,500名)に、社会課題を解決するために、社会運動に参加したことはあるか聞いたところ、「ある」は36.8%、「ない」は63.2%となりました。

男女別にみると、社会運動に参加したことがある人の割合は、男性では41.9%と、女性(31.7%)と比べて10.2ポイント高くなりました。


また、社会運動に参加したことが「ある」と回答した552名について、どのような社会運動に参加したのかをみてみると、「知識を深めるためのセミナー」が25.4%、「SNSでの個人の発信」が23.2%、「オンライン署名」と「クラウドファンディングや募金などの資金提供」が18.7%、「直筆署名」が18.3%、「ハッシュタグによる世論形成」が17.2%、「集会やデモ、マーチ、パレードなど」が14.7%、「政府や団体、企業への要請」が13.6%となりました。


◆社会運動に参加した理由 1位「自分ができることをしたかったから」

 2位「自分の気持ちを表現したかったから」3位「友人・知人・家族に誘われたから」

◆社会運動に参加したことがない理由 1位「顔や名前が出てしまうことに抵抗があるから」

 2位「参加するには自身に知識が足りないと思うから」3位「忙しかったから」


社会課題を解決するための社会運動に参加したことがある人(552名)に、社会運動に参加した理由を聞いたところ、「自分ができることをしたかったから」(27.9%)が特に高くなりました。社会の問題解決や社会制度の改善・変革に向けて、自分ができる範囲から行動を起こすことによって、社会課題解決の一翼を担いたいという意欲を持っている人が多いのではないでしょうか。次いで高くなったのは、「自分の気持ちを表現したかったから」(19.7%)、「友人・知人・家族に誘われたから」(15.0%)、「顔や名前を出さずに参加できたから」(14.9%)、「暇だった・時間があったから」(13.0%)でした。


他方、社会課題を解決するための社会運動に参加したことがない人(948名)に、社会運動に参加したことがない理由を聞いたところ、「顔や名前が出てしまうことに抵抗があるから」(22.2%)が最も高くなりました。匿名性が十分に保たれるかどうかを不安に感じている人が多いのではないでしょうか。次いで高くなったのは、「参加するには自身に知識が足りないと思うから」(21.6%)、「忙しかったから」(18.0%)、「運動自体に怖い、過激などのイメージがあるから」(17.6%)、「参加したところで何も変わらない気がするから」(11.1%)でした。


≪これからの社会運動について≫

◆参加できると思う社会運動

 1位「顔や名前を出さずに参加できる」2位「気軽に参加できる」3位「参加したいときだけ参加すればいい」4位「ネット上で完結できる」「性別や世代に関係なくいろいろな人が参加している」

◆これからの社会運動に期待すること

 1位「運動の成果を感じられる」2位「課題がわかりやすい」3位「人とのつながりを感じられる」4位「全体の一体感がある」5位「参加して楽しい」「自身のキャリア形成につながる」


これからの社会運動について質問しました。


全回答者(1,500名)に、どのような社会運動であれば参加できると思うか聞いたところ、「顔や名前を出さずに参加できる」(27.4%)が最も高くなりました。匿名性の確保された社会運動であれば参加しやすいと感じる人が多いのではないでしょうか。次いで高くなったのは、「気軽に参加できる」(25.8%)、「参加したいときだけ参加すればいい」(15.9%)、「ネット上で完結できる」「性別や世代に関係なくいろいろな人が参加している」(いずれも13.1%)でした。


また、これからの社会運動にはどのようなことを期待するか聞いたところ、「運動の成果を感じられる」(27.7%)が最も高くなり、「課題がわかりやすい」(26.0%)、「人とのつながりを感じられる」(22.5%)、「全体の一体感がある」(17.6%)、「参加して楽しい」「自身のキャリア形成につながる」(いずれも14.3%)が続きました。


◆参加したくない社会運動

 「集会やデモ、マーチ、パレードなど」に対してZ世代の46.8%が忌避感を抱く

 他方、「政府や団体、企業への要請」に対して忌避感を抱く割合は14.0%にとどまる


全回答者(1,500名)に、社会課題を解決するための社会運動として、参加したくないものを聞いたところ、「集会やデモ、マーチ、パレードなど」(46.8%)が突出して高くなりました。次いで高くなったのは、「SNSでの個人の発信」(20.7%)、「クラウドファンディングや募金などの資金提供」(19.5%)、「ハッシュタグによる世論形成」(16.5%)、「知識を深めるためのセミナー」(15.9%)でした。他方、「政府や団体、企業への要請」が14.0%で最も低くなりました。

男女別にみると、女性では「集会やデモ、マーチ、パレードなど」が55.5%と、男性(38.1%)と比べて17.4ポイント高くなりました。


◆関心のある社会課題を解決するために参加したい社会運動

 環境、平和、健康、経済・社会、労働の分野では「政府や団体、企業への要請」が1位、教育、ジェンダー平等、人権の分野では「SNSでの個人の発信」が1位


最後に、関心のある社会課題について、それぞれの社会課題に関心がある人に、関心のある社会課題を解決するために参加したい社会運動を聞きました。

全体の結果をみると、「政府や団体、企業への要請」(37.1%)が最も高くなり、「知識を深めるためのセミナー」(33.0%)、「SNSでの個人の発信」(31.2%)、「オンライン署名」(23.7%)、「ハッシュタグによる世論形成」(21.2%)が続きました。


8分野の社会課題ごとに参加したい社会運動をみると、【環境】【平和】【健康】【経済・社会】【労働】では「政府や団体、企業への要請」(順に21.4%、30.7%、26.2%、28.9%、31.8%)、【教育】【ジェンダー平等】【人権】では「SNSでの個人の発信」(順に22.2%、26.7%、24.9%)が最も高くなりました。


全36項目のうち、社会人Z世代と学生Z世代の関心の高さが1位であった、長時間労働とジェンダーにもとづく差別についてみると、長時間労働では1位「政府や団体、企業への要請」(35.7%)、2位「オンライン署名」(16.4%)、ジェンダーに基づく差別では1位「SNSでの個人の発信」(28.6%)、2位「知識を深めるためのセミナー」(25.3%)でした。


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