水中有機物を短時間で分解削減させる技術開発に成功! 微生物に頼らないコンパクト処理システム、今夏に発売予定
2022.04.13 12:00
空気中の酸素から活性酸素を生成する特許技術を利用した製品開発を手掛けるWEF技術開発株式会社(所在地:滋賀県大津市、代表取締役:青山 章)は、このほど水中で多量の活性酸素を発生させ、水中有機物を短時間で分解削減させる技術開発に成功しましたことをお知らせいたします。
■活性酸素水処理の必要性
琵琶湖を初め世界の湖沼、河川では見た目はきれいになっているが、水質汚濁の指標であるCOD(化学的酸素要求量)は増加傾向にあります。原因は微生物が分解しにくい「難分解性有機物」の増加といわれています。それらは発がん物質であることが多く、しかも湖沼、河川の水は飲料用に取水されてることが大きな問題となっています。
「難分解性有機物」の発生源は?
農業や家庭からも出ているが、やはり多いのは工場排水、特に高汚染産業といわれる石油・化学産業です。そういう点から、今後工場排水のCOD規制はますます強化されていくと考えられます。
以上の理由から、水中有機物の効果的な分解処理は喫緊の課題で、オゾンやオゾンを利用した促進酸化法、フェントン法、プラズマ利用など開発されたが、コストと大量処理が難しい等の理由で広がりを見せていません。
実際中国ではCOD規制は非常に強化されているが、基準をクリア出来る効果的な方法がないので、「フェントン法処理」が利用されていることが多い。この処理は活性酸素発生処理の一種だが、同時に大量の汚泥が発生するという欠点があるため、実際には今までほとんど利用されてこなかったが、排水規制厳守の中国で背に腹は代えられないとして導入されているが、発生する大量の汚泥処理費用に頭を抱えている現状です。
■活性酸素水処理技術について
この程開発した技術は、空気中の酸素から活性酸素の一種であるスーパーオキシド(・O2)を生成し、そこにオゾンを少量混合させることで、イオン化したオゾンを生成させます。それを水中に投入すると、瞬時にヒドロキシラジカル(・OH)が生成し、水中の有機物を分解します。さらに、投入にはウルトラファインバブルを利用することで、有機物との接触効率が増加し、効果的な処理が出来ます。
水中での活性酸素生成の反応式
1)O3+・O2- → O3- +O2 (イオン化オゾンの生成)
2)O3-+H2O → ・OH+O2+OH-(ヒドロキシラジカルを生成)
(1)活性酸素発生装置(AOSIII)
使用したスーパーオキシド発生装置(「AOS」)
200×75w×115h、800g、100V×10VA
(2)試験風景
試験風景(オゾン生成器、ウルトラファインバブル発生器)
■活性酸素水処理の技術検証
検証(1) ヨウ化カリウムを利用して活性酸素(ラジカル)発生濃度を確認
(3)ヨウ化カリウム試験
オゾンとの比較でラジカル濃度を比較した。(イオン化オゾンガスをAOSとした)
O3:AOS=70.5:41.3(秒)=1.7 活性酸素がオゾンの1.7倍高濃度
検証(2) メチレンブルーによる色素分解処理試験(ウルトラファインバブル利用)
(4)メチレンブルー処理試験
オゾンとAOSの色素分解時間を比較した。
O3:AOS=1290:585(秒)=2.2 活性酸素がオゾンの2.2倍速く分解
検証(3) ローダミン(分解しにくい染料)の分解試験
(5)ローダミン処理試験
ローダミン水溶液に各ガスをウルトラファインバブルで投入
O3:AOS=80:30(分)=2.7 活性酸素がオゾンの2.7倍速く澄明になる
検証(4) 実際の染色排水をAOS(イオン化オゾン)により処理
(6)染色排水処理試験
■活性酸素水処理システム「α-GaiaIII」について
イギリスで活性汚泥処法が開発されて100年余り、我々は排水処理を微生物に頼ってきました。しかし、下水処理はともかく、工業排水では「難分解性有機物」のような微生物が分解できない有機化合物や各種油分なども増えて、微生物に頼らない処理法が求められています。
活性酸素、特にヒドロキシラジカル(・OH)は地球上で最も酸化能力が高く(オゾンの1.3倍)、理論的にはヒドロキシラジカルで分解できない有機物はない。しかし、中和されるまでに2時間余りかかるオゾンに対して、ヒドロキシラジカルは瞬時(百万分の1秒)で消滅します。この問題を解決するため、いろいろな促進酸化法が開発されてきたが、イニシャルコストや大量処理に向かないことなどから、効果的な工業排水処理法が求められています。
【α-GaiaIIIの特徴】
今回の活性酸素とオゾン混合ガス発生装置を「α-GaiaIII」と命名し、今夏には発売できるよう現在取り組んでいます。「α-GaiaIII」の特徴は下記となっております。
・イニシャル・ランイングコストが低い。
・処理設備がコンパクト。
・既存の処理設備に容易に設置出来、処理量UPが計れる。
・COD、ノルマルヘキサン(油分)、色だけでなく、余剰汚泥発生量も大幅に削減可能。
処理システムのイメージ
(7)活性酸素水処理イメージ
※特殊担持体と組み合わせることで、処理状況、処理物等に合わせた提案が可能
■お打合せは「環境展」で
2022年5月25日~27日、東京ビッグサイトで開催されます「2022NEW環境展」に出展します。
活性酸素を利用した当社の固体有機物消滅装置や今回の水処理装置について詳しくご説明いたします。
■会社概要
商号 : WEF技術開発株式会社
代表者 : 代表取締役 青山 章
所在地 : 滋賀県大津市堂1-19-15
設立 : 2016年7月
事業内容: 水処理、廃棄物リサイクル、Mg関連技術開発、販売
URL : https://aoyama-wefit.com
https://mgworld.aoyama-wefit.com/ (マグネシウムワールド)
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