トムラリサイクリング、アルミニウムのリサイクルと処理を行う 新型X-TRACTを発表
2022.05.09 13:00
(ドイツ現地時間2022年5月4日発表:日本語抄訳版)世界大手の光学選別機メーカーであるトムラリサイクリング(以下、トムラ)は、15年以上にわたり、アルミニウムのリサイクルと処理を推進するグローバルリーダーです。このたび新しいデザインと画期的なイノベーションを備えた次世代のX-TRACTを発表し、同社の金属選別の歴史に新たな1ページを刻みました。トムラのX線透過(XRT)技術は、リサイクリング部門の金属と鉱山部門のダイヤモンド回収で培った技術の革新的な相乗効果を組み合わせ、センサーによるアルミニウム選別の新しい基準を再び打ち立てました。
新型X-TRACTの強化された処理能力と機械知能は、複雑なミックスメタルを高処理量で選別し、高純度の炉材用アルミニウム片を生産する上で大きな進歩をもたらします。多くの新機能と強化された処理能力を備えた新型X-TRACTは、低炭素社会の実現に向け、循環型金属生産を加速させる主役となります。
新型X-TRACT_トムラ
◆より速く、正確に検出
新型X-TRACTは、1m幅あたりの処理能力を向上させるデュアルプロセシングテクノロジーを搭載し、画期的なイノベーションにより高速選別能力を実現しています。個体処理とエリア処理を同時に行うことで、高純度選別と高回収率選別を選択することができ、データに基づいた判断によって、隣接や重複している複合素材を瞬時に識別し、正確に選別することができます。
この高処理量の選別システムは、投入された原料の近くに配置した次世代型DUOLINE XRTセンサーを搭載した2つの独立したラインスキャンによって、高精度な検出と高速処理を実現しています。また、原料に近いため、銅線や極薄物も効果的に検出し、ロスを減らして利益を最大化することができます。この新しいX線源は、最大1000Wの可変出力で、大きなサイズから微粉末(5mm以上)まで、複数のアプリケーションと粒径の大容量処理を実現します。
◆機能性と柔軟性の向上
新型X-TRACTは、処理量と歩留まりを同時に最大化するために、秒速2.3~3.8mのより速いベルト速度で選別できるようになりました。より速いベルト速度とより高い処理量に対応するため、トムラの設計者は選別エリアを拡張し、ほこりを除去して空気の乱れを減らすために新しい抽出口を追加しました。
新型X-TRACTは、画像キャプチャーの改良により、比類のない選別精度を実現し、新機能である強度スケールは、対象物の相対的な厚さを測定します。これにより、追加のセンサーが不要になり、プリント基板など特定の材料グループの検出力が向上しました。
トムラの前世代XRTメタルソーティングシステムは、アプリケーションごとに異なるモデルを提供していましたが、新型X-TRACTはモジュール式のマシンコンセプトをベースにしており、使用する際に高解像度または高感度のセンサーシステム、異なるバルブブロックを選択することができ、さらに運用の柔軟性と長期的な投資を最小限に抑えるための容易なアップグレードを可能にします。
実際の生産環境におけるテスト稼働では、純度99%の10~30mmサイズのアルミニウム片を生産しています。英国最大の独立系アルミニウムリサイクル会社であり、押出成形のスペシャリストであるアルトレード社は、新型X-TRACTを試用し、その結果を旧モデルと比較した最初の企業です。アルトレード社のディレクター、アンドリュー・パウエル氏(Andrew Powell)は、「新型X-TRACTは、試用期間中にもかかわらず、非常に強力な成果を上げており、我々のビジネスに新しいパラダイムを生み出しています。今後の事業拡大を期待しています」と述べています。
トムラの金属セグメントマネージャーであるテレンス・キーワース(Terence Keyworth)は、次のように強調しました。「新型X-TRACTは、リサイクル業者や製錬業者が、二酸化炭素排出量を削減しながら、高純度アルミニウムで収益を上げ、市場の需要に応えるために十分な材料を確保する機会を提供します。自動車や建設業界は、二酸化炭素排出量を削減するためにリサイクルアルミニウムに期待しています。急増する需要に対応するためには、十分な処理速度が大事です」と述べました。
◆将来を見据えた設計
X-TRACTの実績ある堅牢な設計は、長年にわたり世界中の著名な業界関係者を納得させてきました。トムラのプロダクトマネージャーであるマティアス・ウィンクラー(Matthias Winkler)は、「当社の社内チームが次世代のX-TRACTの設計に着手したとき、持続可能かつ運用コストを削減するために長期的なパフォーマンスが可能なシステムを構築することが絶対条件でした。業界の将来のニーズを満たす新しい機械の開発には、お客様、設計エンジニア、アルミニウム加工の専門家、金属アプリケーションの専門家、サービスチームとのコラボレーションが必要でした」と述べました。
トムラリサイクリング プロダクトマネージャー マティアス・ウィンクラー
機械の寿命を延ばすため、最も貴重なコンポーネントであるX線源を上部に設置することに加え、センサーの遮蔽を強化し、保護することによってさらなる安定性を提供しています。アルミニウムを重金属と超軽量金属から同時に分離する新しい選別システムは、X線源とXRTセンサーの4年延長保証付きで、常に高い性能基準とサービスレベルを満たすことができます。
トムラの金属セグメントマネージャーであるトム・ヤンセン(Tom Jansen)は、「アルミニウム産業における当社のパートナーは、ダウンタイムの少なさと長期的な性能に信頼を寄せています。X-TRACTの新しいデザインは、工場のオペレーターが通常の磨耗や損傷による部品交換を、できるだけダウンタイムなく、迅速かつ安全に行うことを可能にします。新しくなった選別房は、サービスチームやトムラのトレーニングを受けた現場スタッフがメンテナンスしやすいように、より簡単にアクセスできるようになっています」と説明しました。
新型X-TRACTは、拡張機能であるTOMRA Insightサービスにより、クラウドベースのモニタリング、データ駆動型の最適化ツール、リモートアクセスも可能です。オンラインモニタリングやデジタルサービスを通じて機械に接続できるため、トムラのサービスチームは潜在的な問題を事前に特定し、リモートサポートを提供することで、ダウンタイムを少なくすることができます。
詳しい新型X-TRACTについてはこちらをご覧ください。
新型X-TRACT_選別アルミ_トムラ
■トムラリサイクリングについて https://www.tomra.com/recycling
トムラリサイクリング は、グローバルでのリサイクル・廃棄物産業用光学選別技術の開発・製造を行い、これまでに8,200台以上の選別機を世界100カ国以上に提供しています。世界初の廃棄物選別用の大量処理が可能な近赤外分光(NIR)センサーの開発を担い、現在も業界のパイオニアとして、回収率と利益の双方を最大化できるよう、廃棄物からの高純度の原料回収に力を注いでいます。
トムラリサイクリングはトムラソーティングソリューションズの一部門で、食品、鉱業など幅広い業種における選別、分離、プロセス分析の光学選別システムの開発を行っており、トムラシステムズASA(本社:ノルウェー・オスロ)が保有しています。1972年に設立されたトムラシステムズASAは、約10億ユーロの売上高を誇り、全世界で4,600人の従業員を擁しています。
■トムラソーティング株式会社について
トムラソーティング株式会社(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役:河口 昌伸)は、リサイクル選別装置で世界シェア75%を誇るトムラシステムズASA(本社:ノルウェー・オスロ)の日本法人です。限られた資源のなかでの循環経済の実現にむけて、リサイクルおよび食品業界において、光学選別ソリューションを提供しています。
ウェブサイト: https://www.tomra.com/ja-jp
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