今年の夏は電気代高騰?高まる夏の“おうち時間”意向
2022.06.27 17:00
積水ハウス株式会社は、夏場の快適な生活空間のご提案を目的として、全国の20~60代の男女計500名を対象に「住まいにおける夏の快適性に関する調査」を実施しました。
積水ハウスの研究機関の住生活研究所では、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求のために「住めば住むほど幸せ住まい」研究として様々な調査を実施しています。
夏はお盆など長期休暇があるため、“外出をする季節”というイメージの方が多いのではないでしょうか。現在、外出自粛が緩和傾向になったことで、夏の予定を立てられている方も多いと思います。
一方で、今回の調査では、約2人に1人が他の季節と比べ、夏場の日中は自宅にいる時間が増えると回答しました。実は、普段の生活において、夏は“おうち時間”が増える季節でもあるようです。
また、国内外のエネルギーを巡る情勢変化により、電力需給は課題となっています。今週政府から、夏の電力需給ひっ迫に備え、省エネ・節電の取り組みを積極的に進める方針が発表されました。
電気代も高騰する中、おうち時間が増える夏の気になる「電気代」に関する調査結果をはじめ、これから本番を迎える夏に向けた快適な住まいや暮らしを導き出し、暑い季節に自宅で過ごす上での4つの「幸せTips」をご紹介します。
■外出自粛の緩和ムード、夏のおでかけ事情 30代以降は日中自宅で過ごしたい人がコロナ禍前より増加。
夏場の日中の外出に関する調査結果によると、コロナ禍前と比較し20代は外出(屋外)したいと回答した方が1.3倍になり(36.0%→46.0%)、約3人に2人が外出(屋外または屋内)したいと回答しました。一方、30~60代においては、実はコロナ禍前から、50.8%と半数が自宅で過ごしたいとの回答でしたが、現在は57.8%とさらに7ポイント増加しました。外出自粛緩和のムードではありますが、夏場、自宅で過ごしたいと思う方が増えたことがわかります。夏場の日中、暑くて外出したくないと思うかという質問に対し、約8割が「そう思う」という回答から考えても、暑い屋外よりも、快適なわが家を選ばれる方が多いようです。
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_1
また、外でフルタイム勤務または自営業(自宅外)の方で、オフィス勤務が必須ではない116名のうち、78.8%の方が今夏、在宅勤務を増やしたい、または、在宅勤務をメインにしたいと回答し、年代ごとで比較しても各年代7割を上回りました。その理由として、「暑くて外に出たくない」、「通勤時間が快適でないから」と続き、3番目に「オフィスより自宅のほうが室内の温度・空調の調整が可能だから」と住まいの快適性に関する回答がありました。自分の好みの温度にカスタマイズできるため、より快適な環境が得られるからと考えられます。
■今年の夏は電力需給のひっ迫。夏のおうち時間のネックは「電気代」
今回の調査で、「夏場にエアコンを利用する」と回答した方が90%以上という結果からも、おうち時間を快適な環境で過ごすために、夏場はエアコンをはじめとする電化製品を使用する機会が増える時期でもあります。そこで気になるのは「電気代」ではないでしょうか。特に今年の電気料金は高く、東京電力エナジーパートナーが公式ホームページで公開している「燃料費調整のお知らせ」※1によると、2022年7月の電気料金は8,871円(平均モデル:従量電灯B・30A契約、使用電力量:260kWh、口座振替の場合)。2021年7月と比較すると2,000円程値上げになります。実際に、夏場、自宅で長時間過ごす上で、気になることやネックになることを調査したところ、やはり「電気代」が最も多く64.0%の方が気にすると回答しました。
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_2
上記の平均モデルにおける夏の電力料金は、コロナ禍前後で取り立てて変わっていない(2019年8月:7,181円、2020年8月:6,928円、2021年8月:6,960円)※2中、エアコン利用者のうちコロナ禍前より電気代が上がったと回答した方が44.2%、電気代は変わらないと回答した方が48.1%でした。電気代が上がったと回答した方の多くは、コロナ禍で、自宅で過ごす時間が増えており、一方で、電気代は変わらないと回答した方は、コロナ禍前後で、自宅で過ごす時間は変わっていないとの回答が半数を超えました。このことからおうち時間が増えたことは電気代の上昇に影響しているといえるでしょう。
※1、※2 東京電力エナジーパートナー株式会社HP 燃料費調整制度とは( https://www.tepco.co.jp/ep/private/fuelcost2/ )より
(※1最新の燃料費調整単価はこちら、※2過去の燃料費調整のお知らせ一覧へ)
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_3
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_4
そこで、電気代対策として行っている取り組みを伺ったところ、「エアコンを稼働させる時間帯を減らす」が32.8%、「エアコンを稼働する部屋(台数)を減らす(家族で一つの部屋に集まる)」が26.4%、「エアコンとサーキュレーター、扇風機の併用」が24.8%という結果になり、実際に、エアコンを使用している方のうち80.1%がエアコン利用と同時にほかの空調機器を利用していることがわかりました。
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_5
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_6
コロナ禍で、自宅で過ごす時間が増えた方(n=268)の中で、電気代が上がったと回答した方(61.9%)と電気代が変わらないと回答した方(38.1%)の電気代対策を比較したところ、電気代が変わらないと回答した方は「自然の風でエアコンを使用しない」方が多い傾向となりました。政府から節電に応じたポイント制度等を導入する発表もあり、この機会に、室内の風の通りを見直し、電気の効率的な利用を検討してみるのもよいかもしれません。
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_7
■夏場の日中、家族はエアコンが稼働するリビングに。自宅で長時間過ごす上でのポイントに「家族」
「電気代」はネックになるものの、夏場、自宅で長時間過ごす上で重要なこととして、69.8%の方が「過ごしやすい室内の温度・空調(快適性)」と回答しました。実際に、よく過ごす部屋の温湿度を3人に1人は測っているようです。
一方で、「家族とのつながり」を含む「家族との良好な関係性」と回答した方が47.8%、その他、「プライベート空間」が30.0%、「家族との距離感」が19.6%という結果になり、自宅で過ごす上で一緒に住む「家族」の存在が重要なポイントになると考えられます。
積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022)_8
家族のおうち時間が長くなると、同じ空間に家族が集まり過ごすことも多くなります。本調査では、日中にエアコンを稼働させている部屋として、リビングが最も多いという結果に併せて、夏場の日中、自身が自宅で過ごすことが多い部屋と家族が集まることが多い部屋を聞いたところ、自身も家族も共に「リビング」が最も多い結果となりました(リビング:自身84.4%、家族が集まる部屋90.4%)。電気代対策として、「エアコンを稼働する部屋(台数)を減らす(家族で一つの部屋に集まる)」と回答した方が26.4%いることからも、エアコンを稼働しているリビングに家族が集まり、暑さを凌いでいることが考えられます。長時間過ごす上で、家族が集まり、一緒でも、思い思いでも、心地よく過ごせるリビングが必要ですね。
■4つの「幸せTips」で夏場、長時間過ごす住まい空間を快適に
夏場、エアコンを上手に使い室内の温度・空調を快適にしたリビングに家族が集まることと、自宅で長時間過ごす上では、リビングなどの大空間においてもパーソナルスペースは重要であることが調査結果からわかりました。
積水ハウスでは、風の通りを意識した仕切りのない大空間で、家族が自分たちらしく、快適に、思い思いにくつろぐ、空間と暮らしをご提案しています。ここでは、夏場、同じ空間にいながら快適にするために、住まいに盛り込みたい4つの「幸せTips」をご紹介します。
夏場に家族が集まるリビング空間を快適にする4つの「幸せTips」
(1)エアコンの使い方や窓の開閉の工夫:
電気代が高くなるからと、空調を停めて暑さを我慢することは、健康のためにも良くありません。省エネ性能の高いエアコンに付け替えて消費電力を抑えたり、サーキュレーターなどを併用して室内の空気を攪拌させるとよいでしょう。また、間仕切りや建具の少ない間取りと適切な窓の配置・開閉により、風通しの良い住まいは実現できます。例えば、1階と2階の窓を開け、屋内の建具を開放するなどで風の出入り口となる窓に高低差をつけることで風通し効果が得られます。
(2)窓の断熱性や遮熱の工夫:
広い空間だと空調効率が気になるという方は少なくありません。住まいの断熱仕様は時代とともにレベルアップしています。断熱性能を見直すことで、空調効率も良くなり、四季を通して暮らしやすい住まいになります。窓は壁よりも断熱性に劣り、外気の影響を受けやすい部分ですが、断熱性に優れたリフォーム用サッシもあります。手軽にできる夏の日射対策としては、窓の外をつる植物などで覆うグリーンカーテンやすだれ、外付けのシェード、遮光・遮熱シート等も効果的です。
窓の断熱性や遮熱の工夫
(3)空間を分けるインテリア:
壁は設けずに家具やインテリアで空間を仕切ることで、空間のつながり、家族のつながりが感じられながらもパーソナルな空間も保てます。例えば、オープンシェルフや本棚も空間を分けるインテリアとして活用できます。また、机の方向を外向けにすることで、部屋の中でも別途コーナーを作ることも可能です。
空間を分けるインテリア
(4)多目的に使える大きなダイニングテーブル:
ダイニングテーブルの主な用途は「食事」ですが、日常の中で様々なことを行う場所として、実に多様に使われています。例えば、夫婦ふたり暮らしの場合でも、あえて大きなテーブルを置くことで、食事以外の時間も、パソコンや読書など互いに好きなことをして過ごす居どころになります。椅子を増やせば、友人や、離れて暮らす子どもや孫たちが加わって大人数で食事をするときにも対応が可能です。
多目的に使える大きなダイニングテーブル
ぜひ皆様も4つの「幸せTips」を参考に自宅でできる工夫を行い、夏場の住まいでも快適にご家族とお過ごしください。
■住生活研究所長 メッセージ
夏は子どもたちの夏休みや親たちの夏季休暇もあり、家族のおうち時間が増える季節ですね。我が家のリビングのエアコンは古いものだったのですが、ようやく省エネ型の最新エアコンに買い替えました。エアコンを遠慮なく稼働し、リビングが涼しくなると、家族も集まってきます。しかし、今年は電気代が上昇していますので、これまで以上に上手なエアコン利用を心掛けたいですね。夏場のリビングを快適にする幸せTipsは4つあげましたが、個人的な5つ目の「幸せTips」として、キャンプ用ハイバックチェアーをリビングで活用することもおすすめします。長時間もたれかけても背中は涼しく、夏場のコンパクトなパーソナルスペースづくりに大活躍ですよ。我が家で実践しています。
夏は、おでかけで非日常も楽しみながら、日常となる自宅の居心地もアップする作戦で、色々とチャレンジして過ごしていただけたらと思います。
<河崎 由美子>
執行役員 住生活研究所長
1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。一級建築士。
執行役員 住生活研究所長 河崎 由美子
【積水ハウス 住生活研究所「住まいにおける夏の快適性に関する調査」(2022) 概要】
調査期間 :2022年6月2日~3日
集計対象人数:500人
集計対象 :全国の20~60代の男女
<記事などでのご利用にあたって>
・引用元が「積水ハウス 住生活研究所」による調査である旨と、引用元調査「住まいにおける夏場の快適性に関する調査」(2022)の記載をお願いします。
・積水ハウス ウェブサイトの該当記事( https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2022/20220627/
)へのリンク追加をお願いします。
■住生活研究所について
住めば住むほど幸せ住まい ロゴ
積水ハウスが2018年に開所開設した、日本の企業として初めて「幸せ」を研究する研究所です。
人・暮らしの視点で、ライフステージ・ライフスタイル、そしてこれからの住まいのあり方の調査・研究を行っています。今後迎える「人生100年時代」には、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求が重要と考え、時間軸を意識した「住めば住むほど幸せ住まい」研究に取り組んでいます。研究を通して、幸せという無形価値、つまり「つながり」「健康」「生きがい」「私らしさ」「楽しさ」「役立ち」といった幸福感を高め、家族やライフスタイルの多様な変化に対応する幸せのかたちをお客さまへご提案することを目指しています。
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