4セル/5セル直列用バッテリー保護IC 「S-82B4/B5シリーズ、S-82C4/C5シリーズ」発売

温度保護機能による安全性向上と業界最少クラスの外付け部品点数および業界最小クラスのパッケージ採用により基板の小型化を両立

2022.07.12 10:00

　ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社（社長：石合信正、本社：東京都港区、以下：「ABLIC」)は本日より、温度保護機能を備え（※1）、業界最少クラス（※2）の外付け部品点数、業界最小クラス（※3）のパッケージを採用した4セル/5セル直列用バッテリー保護IC「S-82B4/B5シリーズ、S-82C4/C5シリーズ」の販売を開始しました。

　リチウムイオンバッテリーは、スマートフォン・ウェアラブル端末などのIT機器を始め、電動工具・コードレスクリーナなどの家電に至るまで様々なアプリケーションに用いられています。しかし、リチウムイオンバッテリーを安全に使用するためには、保護ICによる充電・放電の正確な管理が欠かせません。

　本日発売した新製品「S-82B4/B5シリーズ、S-82C4/C5シリーズ」は、4セル/5セル直列用のバッテリー保護ICで、（1）一般的な過充電・過放電・過電流保護機能に加えて温度保護機能を備えたことにより、より安全性の高い保護回路を構成できること（S-82C4/C5シリーズ）、（2）パワーセービング機能により、暗電流による在庫期間中のバッテリーパック容量の消耗を避けられること（全シリーズ共通）、（3）外付け品点数が少なく、業界最小クラスのパッケージを採用しているため、保護回路基板の小型化に貢献できること（全シリーズ共通）、などが特長となっています。

　ABLICは、今後もリチウムイオンバッテリー保護ICにおいて、高い安全性確保のための、さらなる高精度化・高機能化を目指すとともに、多くの分野のアプリケーションに対応できる製品展開を図っていきます。　

（※1）S-82C4/C5シリーズ

（※2）2022年7月当社調べ

(※3）4セル/5セル用として。2022年7月当社調べ

【主な特長】

1. 温度保護機能による4点温度監視が可能（S-82C4/C5シリーズ）

TH端子に1つのNTCを接続することで、充電時・放電時にそれぞれ2温度（高温・低温）を監視することができます（計4温度監視）。温度検出回路は間欠動作しており、10kΩのNTCを使用しても、低消費電流での温度監視機能を実現できます。

2. パワーセービング機能による暗電流対策が可能

PSI端子に外部から信号を入力することでパワーセービング機能が働き、低消費電流モード（0.1μA max.）になります。バッテリーパックの出荷前に低消費電流モードに切り替えておくことで、在庫期間中の暗電流によるパック容量の消耗を避けることができます。また、アプリケーション機器の保管時の暗電流抑制に貢献します。

3. 外付け部品点数が少なく、業界最小クラスのパッケージを採用することで保護回路基板の小型化に貢献！

外付け部品点数を少なくするためにこだわり抜いた設計を行い、当社の従来製品と比較して25%～40%の外付け部品を削減しました。また、パッケージは業界最小クラスの16-Pin TSSOPを採用することで、保護回路基板の小型化に貢献します。

【主な仕様】

　・4セル直列用：S-82B4シリーズ、S-82C4シリーズ

　　5セル直列用：S-82B5シリーズ、S-82C5シリーズ

　・過充電検出電圧：3.90 ～ 4.50V ±20mV

　・過放電検出電圧：2.00 ～ 3.20V ±50mV

　・放電過電流検出電圧1：0.010 ～ 0.200V ±5mV

　・放電過電流検出電圧2：0.020 ～ 0.300V ±10mV

　・負荷短絡検出電圧：0.050 ～ 0.400V ±20mV

　・充電過電流検出電圧：-0.200 ～ -0.010V ±5mV

　・0V電池充電禁止電圧：1.2V+0.3V/-0.2V（0V充電禁止品）