破棄されるはずの「摘果リンゴ」が、地域を挙げ有効活用 2022年の集荷作業が8月に入り本格化
2022.08.09 10:30
JAみなみ信州と株式会社マツザワ(所在地:長野県下伊那郡、代表取締役:松澤 徹)は、例年摘果した青リンゴを製菓原料として利用し、南信州地域のリンゴ生産者に呼びかけ集荷している、2022年の集荷作業が8月に入り本格化を迎えています。
リンゴ生産日本2位の長野県で、地域を挙げて資源の有効活用が行われています。
国際コンテストで10年連続3つ星受賞!摘果りんごを捨てずに菓子活用 食品ロス削減と農家の収入増を達成
https://news.yahoo.co.jp/byline/iderumi/20181105-00103033
摘果リンゴ受入作業風景01
りんご乙女01
地元のみやげ菓子メーカー「マツザワ」は摘果リンゴを受入れ、リンゴ生産者の夏場の手取り向上につなげようと、2010年から本格的に集荷事業をスタート。現在は約50戸の生産者から摘果リンゴを集荷、その買取り金額は年間500万円を超える地域経済効果を生み出しました。2019年には、補助金などを利用せず永続的な自立した地域での取組みを評価され、農林水産省が推進する「食品産業もったいない大賞」も受賞しました。また味覚に特化した国際コンテスト「国際味覚審査機構 iTQi」(ベルギー)においては、14年連続の最高位3つ星を受賞、毎年審査員の入れ替わるiTQiでの連続受賞は非常に難しいとされています(日本の菓子において14年連続受賞は同製品のみ)。
本来なら破棄されている摘果リンゴを主原料とし、世界最高味覚のお菓子であり続ける「りんご乙女」は、2020年2021年とコロナ感染拡大の影響を受け「みやげが売れない」事態に陥り、集荷する摘果リンゴの量を30トンに制限する事を余儀なくされました。しかし観光客の回復など、観光事業を取り巻く明るい兆しが少しずつ見え始めたことや、台湾など海外からのオファーなどもあり、2022年は50トンへと受入れ上限をアップさせ、地域を挙げての連携事業を深めていこうと取組んでいます。
地域連携事業に参加するリンゴ生産者の方々からは「棄てられていたものが活かされてうれしい」「買い取っていただけてありがたい」「りんご乙女と言う素晴らしい製品を担当させていただけてとても光栄だ」などと、12年の歳月を経て、喜びの声を聴くまでに地域連携事業は育ってきています。
菓子用として受け入れる摘果リンゴの大きさは、55~72ミリで防除基準をクリアした果実(農薬取締法の基準をクリアした摘果リンゴのみ)。買取り単価は1Kgあたり60円と、加工用リンゴの買取り相場の2倍から3倍の価格で買い取っている。7月19日から始まった今年の集荷作業は、週2回のペースで9月まで続きます。