世界的にも珍しい“都市空間”で行われる屋外型国際フォトフェスティバル。 2022年10月開催決定。会期は過去最高の「30日間」。
東京駅東側エリアの「余白」を次世代アーティストとともにハックする。
2022.08.22 15:00
一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY(東京都中央区)は、屋外型国際フォトフェスティバル『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2022』の開催が決定しました事をお知らせします。当イベントは、東京駅東側エリアを1つの「展示会場」として行う世界的にも珍しい、“都市空間”で行われるフォトフェスティバルです。当フェスティバルは、展示作品に世界的にも高い評価を受ける写真家の作品を起用、このエリアを世界的に知られるエリアへと変革する事で「日本の写真文化の活性化」と「文化観光」の実現を目指し企画されました。開催4回目となる今年度は、会期を過去最高の30日間に延長。展示エリアを12箇所以上に拡大。「アート写真」の楽しみ方をもっと幅広い方々に知って欲しいという想いのもと、展示方法にも工夫を凝らし、「観て、学んで、遊んで、考える」企画を多数ご用意しております。是非、今後の更新情報にご注目ください。
2021年度の開催風景(会期:10/22~31)
◆2022年度の「開催テーマ」
|「Bridging Differences~異なるものをつないでみる~」
多様性や寛容性が重要視される時代となった現在。今年度は、京橋、日本橋、常盤橋と、「橋」がつくこのエリアにて「異なるものをつないでみる」をテーマに各展示企画を展開します。「写真を楽しむ」ことをもっとたくさんの方に知っていただくために様々な企画をご用意しております。是非ご期待ください。
※詳細は9月上旬頃発表予定
◆開催概要
会期 :2022年10月1日(土)~30日(日)
場所 :東京駅東側エリア(日本橋・八重洲・京橋)全12会場(予定)
東京駅八重洲口グランルーフ1F、
東京駅八重洲口グランルーフB1、大丸東京店、
東京スクエアガーデン、京橋通郵便局、72Gallery、
新TODAビル計画仮囲い、東京建物八重洲ビル、
にのに八重洲仲通りビル ほか
入場 :無料
主催 :一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY
主管 :株式会社シー・エム・エス
企画 :T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO実行委員会
制作パートナー:株式会社POD
特別協賛 :TOKYO SQUARE GARDEN、東京建物株式会社、
戸田建設株式会社、株式会社ゆめみ
協賛 :一般社団法人東京ステーションシティ運営協議会、
中央日本土地建物株式会社、大丸東京店
協力 :東京地下鉄株式会社、ブラザー販売株式会社、
京橋通郵便局、株式会社八重洲ブックセンター
後援 :米国大使館、在日スイス大使館
助成 :公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
【芸術文化魅力創出助成】
※協賛企業社名は現時点の情報です。更新される可能性がございます。
2022年度「メインビジュアル」
◆ビジョン実現に向けた3つのコンセプト
1 東京の都市空間をメディアにした屋外展示
2 アジアのプラットフォーム トーク&イベント
3 未来を創造する 学生プロジェクト
◆展示概要
今年度は、2つの「企画展」を用意しております。
[1]『The Everyday -魚が水について学ぶ方法-』
2020年代はスマートフォンが広く普及し、「インターネット」や「写真の共有」は日常に浸透しきっています。多くの人が膨大な写真を「撮影/投稿する側」となり、「写真」を読み解く力はこれまでになく高まっているはず。しかしその一方で、私たちの生活の一部に完全に入り込んだ「写真」は一体なにを映しうるのでしょうか?
魚が自分たちをとりまく水を意識しないように、私たちの生活において写真は不可分ゆえに見えにくいものになっているかもしれません。本年のT3 PHOTO FESTIVAL TOKYOでは、「知っているようで知らないこと」「近いようで遠くにあるもの」「気付いたら隣にあるもの」に眼差しを向けます。作品が投げかける問いを通じて、様々に現れる“写真”あるいは“日常”について考える場が生まれたらと思っています。
キュレーター:きりとりめでる/速水 惟広
出展作家 :臼井 達也、かんの さゆり、ディアナ・テンプルトン、
長沢 慎一郎、新居 上実、ニューシナリオ、
ヨアキム・コーティス&エイドリアン・ゾンダーレッガー
会場 :東京スクエアガーデン、東京建物八重洲ビル、京橋通郵便局、
72Gallery、にのに八重洲仲通りビル
[2]『TOKYO DIALOGUE 2022-2024(仮)』
T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOが、東京・京橋に120年余り本社を構える戸田建設株式会社と共同で、2022-24年の3年間にかけて実施するプロジェクトです。このプロジェクトでは、毎年写真家と書き手がペアとなり、京橋を舞台に「写真」と「言葉」を用いた対話を通して、都市の姿を描き出す作品を制作します。
※出展作家名、会場等の詳細は9月上旬頃発表
◆『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO』の軌跡
|これまでの歩み
2015年:大田区城南島で「屋内型」国際写真展を開催
2017年:上野公園にて東京初(※当社調べ)の「屋外型」国際写真展を開催
2020年:京橋にて「屋外型」国際写真祭を開催
2021年:エリアを東京駅東側(八重洲・日本橋・京橋)に拡大し
「屋外型」国際写真展開催
|作品点数、出展作家数推移
2015年:約100点(22名)
2017年:約100点(18名)
2020年:約100点(日本人9名、外国人8名、学生1名)
2021年:約120点(日本人49名、外国人4名)
|来場者数の推移
2015年:約2,000人
2017年:約63,700人
2020年:約82,000人
2021年:約435,000人
◆昨年度からのアップデート情報
|会期は過去最高の「30日間」
2021年度は、10月22日(金)~10月31日(日)の10日間の会期でしたが、今年は大幅に期間を拡大し、30日間の長期間開催が決定いたしました。
|展示エリアは過去最高の「12か所以上」
2021年度は、東京駅周辺エリア9か所にて展示を行いましたが、今年は12か所以上に拡大し開催をいたします。来場者は八重洲・日本橋・京橋のエリアを街歩きしながら展示を楽しむことが出来ます。
|今年は、「観る以上」を目指す
「アート写真」の楽しみ方を、より幅広い方々に知っていただくために、今年度は、展示方法やオフラインイベントにも趣向を凝らしています。「観る」だけで終わるのではなく、「観て、学んで、遊んで、考える」ような企画を用意。お子様連れの方、学生の方、東京駅で働く方、等。普段、美術館に通わないような方々でも気軽に楽しんでいただけるようなイベントになるよう準備しております。
◆当イベントの「企画背景」
インタビュー
速水 惟広(はやみ いひろ)
『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO』:ファウンダー(創設者)
株式会社シー・エム・エス 取締役/director
|プロフィール
カリフォルニア州立大学サンマルコス校卒業。帰国後、株式会社シー・エム・エスにて雑誌の広告営業担当として勤務。「英語を活かし作家と携わる仕事がしたい」という想いから、某カメラメーカーにギャラリー運営案件を提案・受託。その経験を活かし、写真雑誌「PHaT PHOTO(ファットフォト)」編集長に。現在は『T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO』の企画運営の他に、写真を使った地域活性化企画等、「写真」というメディアを横断的に用いた様々な活動を行っている。
――「T3」を思い付いた経緯について教えてください。
「写真雑誌の編集長をしていた頃。北京で開催されていた国際写真祭に参加したんです。その際、中国の若い写真家たちが、ゲストとして来ていたニューヨークやロンドンのキュレーターに対して、臆せずに自分の写真を売り込んでいたのを観たのに刺激を受けました。英語なんてほとんど喋れないのに片言の英語で“自分の写真を観てくれ”と。当時、そういった場所が世界中にあって隣の中国にもあったのに、東京にはなかった事に危機感を感じ、フォトフェスティバルをやろう、と。少し大げさな言葉ですが“日本の写真文化の未来”を本気で考えるようになりました」
――「日本の写真文化の未来」とは具体的にどのような事ですか?
「元々日本には、独自の写真文化を育てた肥沃な土壌がありました。紙雑誌が主流だった時代、“写真雑誌”は写真家達にとって、発表の場、議論の場、評論の場、後進の育成、コミュニケーションなど日本の“写真”を支える豊かな土壌だったのです。ですが現在。紙媒体は次々とデジタルへと移行。写真雑誌も次々と休刊を余儀なくされている。広告業界などで活躍する商業写真家以外の作家たちの活躍の場をどう拡げれば良いのか…。日本には海外にも通用する素晴らしい写真家がたくさん存在します。私は、その橋渡しとなるような仕事がしたい。そういった想いからT3は生まれました」
――「T3(ティースリー)」という名称にはどのような意味があるのですか?
「トロント大学経営大学院の教授であるリチャード・フロリダ氏の著書『クリエイティブ都市経済論』の中で提唱されている、経済成長の源泉である“3つのT理論”、T1(ハイテク)、T2(才能)、T3(寛容やアメニティ)にインスピレーションを受けています。写真祭は世界的に見ても“地域活性化”に大きく貢献をしています。例えば、フランスの“アルルフォトフェスティバル”は世界で最も歴史のある写真祭で、ゴッホ好きには知られる人口5万人程度の南仏の街ですが、現在は世界中の写真家たちが集まる街になっています。他にもスイスの“フェスティバル イマージュ ヴヴェイ”は、アルルよりも小さなスイスのヴヴェイという人口1.7万人の街が、最も革新的な写真の見せ方を行う街として、知られることになった。そして、我々が開催する“T3”も同様の可能性を秘めていると考えています」
―― 場所を「地方」ではなく「東京駅」の“ビジネスエリア”にしようと思ったのはなぜですか?
「国内外含め“屋外写真展”の開催自体は珍しくはありません。ですが、場所はどれも“地方エリア”なんです。観光資源の発掘や土地の規制についても地方が有利です。しかし、私は“都心”でやる事に面白さがあると思っています。東京は変わりゆく街です。数年後には全く違う風景が広がっているでしょう。すでに出来上がったものを元に戻すことはできませんが、そこにアーティストが介入することで、その土地が持つ歴史や文化的要素を顕在化できないか。街には、必ず使われていない“余白”が生まれます。工事中のビルの壁面といったわかりやすい空間もそうですが、それ以外にも様々な余白があります。そういった場所を作家達と一緒にハックする。そうすることで、その場所の使われ方、空間の意味に異なる解釈を与えていく。街と既に関わりのある人たちには新たな気づきを生み出し、それまで関わりのなかった新しい人たちを街に呼びこんでいく。それは「街を開いていく」ことです。その過程において、私たちは東京駅東側エリアの足元に眠る、この土地の歴史的文脈と現代を再接続できないかと考えています」
―― 4回目となる今回。こだわったポイントを教えてください。
「過去の開催では、ビルの中で作品を見せるという事の難しさ、つまり美術館やギャラリーとは違う日常の文脈の中で作品を見せながら、気づいてもらうことの難しさと向き合ってきました。そのために、例えば高さ15メートルなどの巨大なスケールでの展示、あるいはテキストを使った展示を行ってきました。本年はそういったものに加え、より街の「日常空間の中に入り込む」展示や、作品そのものに興味を持ってもらえる「体験」など、様々な趣向を凝らした企画を準備しています」
―― 例えば10年後、どんな「写真文化の未来」を描いていますか?
「世界的にも有名なアートフェスティバルでは、そのイベントに参加するために海外に渡航する方も多いです。“T3”もそんなイベントに成長できればと思っています。“T3”が観たいから“東京”に行ってみようと海外の人が思えるようなイベントにしたい。都市を新たなメディアとし、次世代の写真文化を育むエコシステムを構築。アジアのハブとなるようなイベントを目指したいと考えています」
速水 惟広
◆一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY(T.I.P.)について
|写真の未来を語り、交流する場所の創造
TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY(T.I.P.)は、2010年8月、株式会社シー・エム・エスの創立20周年と写真雑誌『PHaT PHOTO』の創刊10周年を記念して、NPOを目指す一般社団法人として誕生しました。『PHaT PHOTO』の創刊理由である“一人でも多くの若者を「写真好き人」に変える”という目的をより視覚化できる場所として、私たちは、何を大事に考え、これから何を作り出そうとしているのか、到達したい未来を明確、明解に伝え、さまざまな活動や情報発信をしていきます。“よりよい形にして未来に渡すこと”これは、いまを生きる大人の責任です。T.I.P.の在り様から、我々企業の氏、素性を正しく理解してもらえるよう、写真ファン憧れの地としての運営を目指しています。
会社名 : 一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY
創業 : 2010年08月
所在地 : 東京都中央区京橋3-6-6 エクスアートビル 1F
電話番号: 03-5524-6994
事業内容: イベントの企画運営/フォトギャラリー運営/作品販売業務/
HP : https://tip.or.jp/abouttip
T.I.P.ギャラリー風景 1
T.I.P.ギャラリー風景 2
一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY
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