滋賀県甲賀市土山町 4年の歳月をかけた産地活性化プロジェクト 「土山一晩ほうじ」のブランディングを全面サポート
「ブランディングデザインで日本を元気にする」をコンセプトに活動する株式会社エイトブランディングデザイン(本社:東京都港区、代表:西澤明洋)は、一般社団法人滋賀県茶業会議所(本社:滋賀県甲賀市、会頭理事:岩永峯一)の茶産地活性化プロジェクト「土山一晩ほうじ(つちやまひとばんほうじ)」のブランディングデザインを担当いたしました。製品となるお茶の開発と規格策定からコンセプト開発、ネーミング、ロゴ、フラッグシップ商品のパッケージ、WEBデザイン、ブランドムービーなどブランディングをトータルにサポートしています。9月1日にプロジェクトを発表・販売開始とともに、WEBサイトをオープンしました。
●リブランディングの背景 ~「滋賀県甲賀市・土山町の茶畑を未来へ残したい。」4年をかけた産地ぐるみのプロジェクト~
日本茶発祥の地と言われる滋賀県の中で、甲賀市の茶産地「土山(つちやま)町」は7割以上の生産量を誇り高品質のお茶を生産してきました。その一方で茶産地としての知名度が低く、日本茶消費量の減少も伴って、以前は約300戸あった茶農家の数が約100戸に減少。産地低迷の危機感から土山エリアの茶農家や茶匠、甲賀市役所、JAこうか、滋賀県からメンバーが集まり、2018年に土山町の産地ブランドプロジェクトが立ち上がりました。
弊社代表の西澤は、滋賀県出身で故郷のこのプロジェクトに賛同。プロジェクトの立ち上げからブランディングに伴走し、産地メンバーのみなさんと一丸となり“土山ならでは”のお茶の開発に注力してきました。約4年をかけて、茶葉を寝かせて微発酵させる萎凋(いちょう)という技法を使用した、華やかな萎凋香と香ばしい焙煎香が合わさったほうじ茶「土山一晩ほうじ」が誕生。2022年9月、土山町はプロジェクトの発表を機に、【一晩ほうじの郷 土山】をコンセプトに掲げた新たな産地ブランドとしてスタートを切りました。
●ブランディングデザインのポイント
(1)産地ブランドとして強い差異化要因をつくる製品開発と規格策定
「土山一晩ほうじ」のネーミングは、甲賀市の[土山地区で採れた茶葉を一晩寝かせてつくるほうじ茶]という意味に由来。摘み取った茶葉を風通しのよい場所などに保管し、攪拌しながら葉を萎れさせて微発酵を促す「萎凋」の工程を行った茶葉は、花香(はなか)と呼ばれる独特の香りをまといます。加えて焙煎によって香りを深めることで、「華やかな香り」×「香ばしい焙煎香」のかけあわせが生む、ほのかに甘く華やかな新感覚の香りのほうじ茶「土山一晩ほうじ」が誕生しました。
産地ブランドとして定めた3つの規格を満たした上で、製造元が各自選定した茶葉を使用し萎凋・焙煎を行います。作り手ごとの個性で香りや味の違いを楽しむことができるのも「土山一晩ほうじ」の魅力の一つです。
(2)一丸となった茶産地を表したブランドコンセプトとステイトメント
土山町の茶産業に関わる茶農家や茶匠などから様々なメンバーが集まり「土山茶」の特徴や強みを深く堀り下げ、試作を重ねて産地ブランドを開発。約4年をかけて、萎凋ほうじ茶に特化した「土山一晩ほうじ」が完成しました。
ブランドコンセプトには、土山町が今後も産地一体となって良質なお茶づくりに取り組み、コンセプトである【一晩ほうじの郷 土山】の名にふさわしい産地であり続けるという宣言が込められています。
●デザインについて
(1)ロゴデザイン
日本古来からある日月紋をモチーフに、茶葉を照らす「太陽」と、茶畑を寝かせる間、空に輝く「三日月」、そして萎凋中の茶葉の様子を掛け合わせたマークとなっています。また、産地ブランドとして様々なパッケージに掲出される事を想定し、どこに入れても目立ち、かつ配置しやすいロゴデザインを意識しています。ブランドカラーの赤色は、茶葉を焙じる炎の色を表しており、土山町が「ほうじ茶」の産地ブランドである事を示しています。
(2)パッケージデザイン
ブランドのフラッグシップ商品である「JAこうか」のパッケージデザインでは、スタンドパウチ型・箱型のいずれもブランドカラーの赤一色で統一。茶産地・土山町の歴史と伝統、そして今回の活性化プロジェクトを表した品格あるデザインとしています。
(3)ブランドサイト・ブランドムービー
【ブランドサイト】「土山一晩ほうじ」の魅力を発信するだけではなく、土山町の茶農家、茶匠などの作り手の様子を詳細に取り上げたコンテンツを設ける事で作り手となる「人」の魅力と、産地が一体となって「土山一晩ほうじ」に取り組んでいることを伝えています。緑豊かな茶畑や土山の人々の写真とイラストレーションを用いて、シンプルな構成で素朴な温かみと品質感のあるデザインを目指しました。
【ブランドムービー】「一晩ほうじ」を象徴するような暗い中一人茶葉を攪拌させる茶農家の方の真剣な表情から始まります。茶葉の生産、萎凋、焙煎という工程と人を映すことで、土山町の作り手たちが連携して茶作りを行う様子を表現。後半は、茶農家を含めた土山に住む老若男女が仕上がったお茶を楽しむ様子を映し出し、作り手だけでなく土山のみなさん全員で「土山一晩ほうじ」を盛り上げ、産地の未来を繋げていこうという想いを込めました。
【滋賀県茶業会議所について】
一般社団法人滋賀県茶業会議所は、近江の茶ブランドの一層の向上を目指すことを目的に1995年4月27日に組織されました。各種の調査・研究活動や荒茶の品評会等を開催するとともに、組織的な経営の育成や流通体制の改善を推進するための検査・研究ならびに広報活動等を推進し、近江の茶生産の安定的発展に寄与していきます。http://shigacha.chu.jp/
【エイトブランディングデザインについて】
エイトブランディングデザインは「ブランディングデザインで日本を元気にする」をコンセプトに、ブランディングデザイン活動のパイオニアとして、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っています。 https://www.8brandingdesign.com/
<ブランディングデザイナー 西澤明洋>
1976年滋賀県生まれ。株式会社エイトブランディングデザイン代表。独自のデザイン開発手法「フォーカスRPCD(R)」により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana's green tea」、スキンケア「ユースキン」など。著書に『ブランディングデザインの教科書』(パイ インターナショナル)ほか。デザイン誌での特集に『デザインノート/西澤明洋の成功するブランディングデザイン』(誠文堂新光社)がある。
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