NTT Comとメドレー、山形県の「へき地診療所等におけるオンライン診療モデル事業」を「CLINICSオンライン診療」と「健康マイレージ」で支援
〜 規制緩和を受け、看護師等による院内処方の医薬品の取り揃えや受け渡しに関する検証も実施 〜
2022.09.22 11:00
NTTコミュニケーションズ株式会社(代表取締役社長:丸岡 亨、以下 NTT Com)と株式会社メドレー(代表取締役社長:瀧口 浩平、以下 メドレー)は、9月22日より山形県が開始する「へき地診療所等におけるオンライン診療モデル事業」(以下 本事業)を支援します。
本事業では、住民の医療アクセス確保および医療提供体制の整備におけるオンライン診療の有用性を検証します。また、医師、薬剤師不在時の医薬品の提供に対する規制緩和(※1)に基づき、医師がオンライン診療を行った後の院内処方の薬剤の取り揃えや患者への受け渡しを診療所の看護師が行い、その安全性等も併せて検証します。
NTT Comは、医療機関における通信機器等の整備を行うとともに、患者の通院移動を支援するウォーキングサービス「健康マイレージ」(※2)を提供します。メドレーは医療機関への「CLINICSオンライン診療」(※3)の提供・運用サポート等を行います。
1. 実施背景
本事業が実施される最上地域・村山地域のへき地診療所は、常駐の医師や看護師等がおらず、他病院から週2回〜月1回の医師や看護師等の派遣を受けています。このため、定期通院が必要な患者における継続した受診機会の確保が課題となっています。さらに、当該地域は国内有数の豪雪地帯であり、特に冬季における医師の移動負担の軽減、医療提供体制の確保も大きな課題です。また、地域に調剤薬局が少なく、薬剤師の確保も困難な最上地域のへき地診療所では、医師による調剤のもと院内処方が行われていますが、2022年3月23日の通知(※1)によって、一定の条件のもとで看護師等による薬剤の取り揃えや患者への受け渡しが可能となりました。これらの地域医療の実情や規制緩和を受けて、オンライン診療の有用性や課題を検証することとなりました。
2. 実施内容
患者はこれまでの通院と同様に診療所に来院します。その後、診療所に常設された受診用タブレットPCを用いて、看護師の介助のもと病院側にいるかかりつけの医師から「CLINICSオンライン診療」を用いたオンライン診療を受けます。薬剤は、医師の指示に従い看護師が診療所内で取り揃えて患者へ渡します。
これにより、医療機関としては遠隔地からの診察が可能なため、オンライン診療日の新設による地域患者の受診機会の確保や冬季のへき地診療所への医師の移動負担の軽減が実現され、持続的な医療提供体制の確保につながると考えます。また、患者としては、機器・通信環境が整備され、看護師等による介助が受けられる診療所で受診できるため、個人で機器や通信環境の用意や操作をすることなくオンライン診療を利用することができます。さらに、通院にかかる患者の徒歩移動に対して、「健康マイレージ」を活用して歩数に応じた特典を受けられます。
NTT Comとメドレーは、本事業の適切な実施を支援し、同様の課題を抱える他のへき地医療においても解決の糸口を得るとともに、引き続きテクノロジーを活用して地域医療の課題解決に取り組んでまいります。
3. 本事業の概要
【実施主体】山形県 健康福祉部 医療政策課
【実施期間】2022年9月22日〜2023年3月31日
【実施フィールド】山形県 最上地域・村山地域
【実施協力者と役割】
・町立真室川病院:釜渕診療所への医療従事者派遣およびオンライン診療実施場所
・真室川町立釜渕診療所:地域患者のオンライン診療受診および医薬品提供場所
・西川町立病院:大井沢診療所への医療従事者派遣およびオンライン診療実施場所
・西川町立大井沢診療所:地域患者のオンライン診療受診および医薬品提供場所
・NTT Com:グループ会社である株式会社ドコモビジネスソリューションズと連携し医療機関へのオンライン診療実施機器や通信環境および「健康マイレージ」の提供
・メドレー:医療機関への「CLINICSオンライン診療」やWEB問診システムの提供、およびオンライン診療に関わる各種コンサルティング支援
(※1) :「離島等の診療所における医師及び薬剤師不在時の医薬品提供の考え方について」(2022年3月23日、厚生労働省医薬・生活衛生局総務課と医政局総務課による通知)
(※2) : 健康マイレージについて
日常の健康づくり活動でポイントが貯まるウォーキングサービスです。毎日の歩いた歩数に応じたポイントを付与し、期間中に規定ポイントを貯めた方へ抽選でインセンティブを提供します。
(※3) :「CLINICS(クリニクス)オンライン診療」について
離れた場所にいる医師と患者をビデオチャットでつなぐ「オンライン診療・相談」をスムーズに実施するための各種機能を備えた、利用医療機関数No.1のオンライン診療システムです(出典元:「IoMT(Internet of Medical Things)新市場の将来展望 2021」、富士キメラ総研社 2020年11月)。2016年2月の提供開始以降、全国の診療所や大学病院などで幅広く導入されています。
本事業では「CLINICSオンライン診療」のビデオ通話オプションを活用することで、患者のアプリダウンロードやアカウント登録が不要で、携帯電話の番号やメールアドレスのみで簡単にオンライン診療が実施可能になります。詳細は以下よりご覧ください。
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