「たんぱく質」、なぜここまで人気? 「積極的にとっている」64.1% 30代は美容、60代以上は免疫力アップに期待
シリーズ「食の未来」
2022.10.07 11:00
さまざまな変化の途上にある日本の食事情を掘り下げる、「食の未来」シリーズ。今回は「今どきのたんぱく質事情」について、オレンジページが国内在住の成人女性1032人に調査を実施しました。
大人の女性が注目する栄養素として、近年、存在感を高めているのがたんぱく質。背景には、「人生100年時代」や「健康寿命」の考えが浸透し、たんぱく質が体をつくるのに欠かせない栄養素として認知されるようになったことや、コロナ禍で健康への意識が高まったことなどがあるようです。今回の調査でも、積極的にたんぱく質をとっている人が6割以上いると判明。また、プラントベース食品やプロテイン飲料など、これまでにない新しいたんぱく質食材が登場し、以前よりも注目度が上がっていることもわかりました。
【ダイジェスト】
たんぱく質をとる理由。若い世代は美容、上の世代になるほど健康へシフト
植物性たんぱく質がとれるプラントベース食品も人気上昇中!
日本人のたんぱく質摂取量は戦後なみに減っている!?
たんぱく質をとる理由。若い世代は美容、上の世代になるほど健康へシフト
たんぱく質を積極的にとっている人は、64.1%で半数以上。理由は「健康によさそう」62.5%、「筋肉量のキープまたはアップのため」56.4%、「生きていくために必要」52.3%と、健康を意識した回答が上位に。また、たんぱく質をとる理由は、年代によっても差が見られます。30代は「美容のためによさそう」「髪や爪のためによさそう」、60代以上は「免疫力アップのため」も目立ちました。若い世代は美容面で、年代が上がるほど健康面で期待する部分が大きいようです。
たんぱく質を積極的にとりはじめてからの変化についても聞いたところ、「爪が割れにくくなった」(50代・パート)、「肌にハリが出てきた気がする」(30代・フルタイム)、「疲れにくくなったし、風邪をひきにくくなった」(60代・専業主婦)、「体力がついたと感じる」(60代・パート)など、美容面や健康面での効果を挙げる声が集まりました。
植物性たんぱく質がとれるプラントベース食品も人気上昇中!
環境保護や健康の観点から話題になっている、植物性原料を使ったプラントベース食品。昨年1月時点では22.1%だった認知度(「よく知っていて、どんなものか説明できる」、「聞いたことがある」と回答した人の合算)も、今回の調査では36.7%と14.6ポイントアップし、じわじわ浸透してきているようです。プラントベース食品には、豆類などたんぱく質を多く含む食材を主原料にしているものがたくさん。プラントベース食品を食べた経験がある人のうち、13.0%が豆ヌードルを食べたことがあると回答しています。豆類には良質な植物性たんぱく質が含まれていて、従来の小麦などを使っている麺と比べ糖質も少ないことなどから、支持を広げているようです。プラントベースを食べてみた理由の上位に、「健康によさそう」34.2%、「低カロリー・低脂肪だから」26.6%などが挙がっていることからも、健康や美容を意識した選択肢の一つとして注目されていることがうかがえます。
日本人のたんぱく質摂取量は戦後なみに減っている!?
大多数の人が「たんぱく質を積極的にとりたい」と考えているいっぽうで、実際はなかなか思うようにとれていない人が多いよう。「たんぱく質が十分」もしくは「それなりに摂取できている」と答えた人は、42.7%と半数以下にとどまりました。事実、日本人のたんぱく質摂取量は減少傾向にあり、1970年代~90年代は1人あたり一日80g 前後※だったのが、2000年代に入ると減少に転じ、2017年は69.4g※に。この数値は1970年代のピーク時に比べ約15gも少ないだけでなく、戦後の食糧事情が悪かった時代とほぼ同じだそう。背景には、ダイエットで肉類を避けたり、炭水化物中心の手軽なインスタント食品が増えたりしたことが考えられます。自分の食生活を見直して、不足している可能性のある人は、たんぱく質の摂取量を増やすように心がける必要がありそうです。
※出典/「国民健康・栄養調査」厚生労働省
たんぱく質は、美と健康のために欠かせない栄養素。たんぱく質を多く含む食品としては、肉や魚、卵や豆腐などがよく知られていますが、近ごろではプラントベース食品や、効率よくたんぱく質がとれるように工夫されたプロテイン飲料など、新しい選択肢も続々と登場しています。おなじみの食材はもちろん、こうした新しい「たんぱく質」も上手に取り入れて、無理なく、おいしく、美と健康をキープしていきたいですね。
アンケート概要
●調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性(有効回答数1032人)
●調査方法:インターネット調査
●調査期間:2022年7月26日~31日
●「オレンジページくらし予報」について
読者モニター「オレンジページメンバーズ」には、さまざまなくらし情報・くらし体験によってはぐくまれた“くらしの目利き”たちが数多く所属しています。そんなメンバーたちの声を集めて<次のくらし>を読み解いていくのが「オレンジページくらし予報」です。WEB上でのアンケート調査、座談会など、ご相談に応じて展開いたします。
●『オレンジページ』について
失敗なくおいしく作れるレシピ情報が支持され、今年創刊35周年を迎えた生活情報誌。30~40代の主婦を中心に幅広い読者層を誇ります。発行部数=249,627部(2021年印刷証明付発行部数)。
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