ニレコ、液体計測専用近赤外分光アナライザ「A8860」を開発 ―ラボユース向けに新たなシリーズ製品を 展開しラインアップを拡充―
2022.11.08 13:00
株式会社ニレコ(本社:東京都八王子市、代表取締役社長:久保田 寿治)は、この度、液体試料向けの近赤外分光アナライザ「A8860」を開発いたしました。
本装置は、食用油・飲料・石油などの液体試料を対象に、最適な透過測定を実現する近赤外分光アナライザです。複数試料を一括して測定可能な機構と温度制御機能により分析工程の省力化を図ると共に、ハイエンド型分光器の搭載により極めて高い測定精度を実現しました。
本装置の開発により、自社開発のラボユース向け固体試料、液体試料分析用近赤外分光アナライザがニレコの製品ラインアップに揃うこととなります。
ニレコは、本装置を11月15日より東京大学弥生講堂で開催される第38回近赤外フォーラムへ出品すると共に、12月上旬より販売を開始いたします。
近赤外分光アナライザは、測定対象に近赤外線を照射し、吸光度の変化を測定することで対象の成分を非接触・非破壊で迅速に測定できるため、農業や食品産業、医薬品や化学プラントなどのケミカル産業における研究開発分野や生産分野で幅広く活用されています。ニレコは40年以上にわたり海外メーカ製の近赤外アナライザの販売とサポートを通じノウハウを蓄積しており、ハンドヘルド型からオンラインユース用の超高速スキャン対応分光アナライザまでラインアップに備えています。また、2020年にはラボユース向けの反射測定方式近赤外分光アナライザA8850を独自開発いたしました。
この度リリースする液体試料向け近赤外分光アナライザA8860は、ニレコがこれまでに培った近赤外アナライザの知見をもとに開発したユーザーニーズに即した製品です。近赤外分光アナライザA8850で実績のある大型グレーティング(回折格子)とモノクロメータ(分光ユニット)の採用による高品質スペクトルをベースに、開発スピードの向上・互換性部品の適用・コスト削減を目指し、食用油・飲料・石油などの液体試料に最適化された透過測定機構を実現しました。
A8860は、セルに充填された試料ごとに装置内で60℃までの温度制御機構と連動する自動測定機能を搭載し、任意に設定されたサンプル温度に温調後に自動で測定を行う事が可能です。これにより、手間のかかる検体の温度管理から分析者を解放します。
また、簡易オートサンプラ機能の搭載により、標準で2連の液体試料の自動測定を可能といたしました。
制御ソフトウェアはA8850で培った経験を基に、操作者の使いやすさを重視したユーザーインターフェースの開発に注力し、シンプルな操作性を実現いたしました。
ニレコは、今後とも製品のシリーズ化によりラインアップの拡充を図り、ラボユース分野で従来以上に利用しやすい分析環境を国内外のユーザーに提供し、今後も近赤外分析の普及拡大を目指して参ります。
液体計測用NIRアナライザA8860
A8860用計測用セル
■近赤外分析計A8860 2チャンネル標準仕様
測定波長範囲 :400-2500nm
測光範囲 :2.0AU
ノイズ(RMS) :400-700nm、<50μAbs
at 0 Abs :700-2500nm、<30μAbs
データ間隔 :0.5nm
スキャン速度 :2スキャン/秒
検出器 :400-1100nm、Si(シリコン)
1100-2500nm、PbS(硫化鉛)
計器間波長精度:NIST標準に対して、±0.075nm以内
電源入力 :単相AC 100V-240V 50/60Hz
消費電力 :最大200W
本体寸法 :幅406mmx高さ394mmx奥行631mm
質量 :36kg
※本仕様は、お断り無しに仕様の一部を変更、向上させていただくことがあります。
■会社概要
商号 : 株式会社ニレコ
設立 : 1950年11月
連結売上高: 8,117百万円(2022年3月期)
資本金 : 3,072百万円
市場 : 東証スタンダード上場(証券コード:6863)
事業内容 : 制御および計測装置の開発、製造、販売ならびに保守サービス
URL : https://www.nireco.jp
■本件に関するお問合せ
株式会社ニレコ 開発部門 分析機器事業グループ
TEL : 042-660-7344
e-mail: info-oe@nireco.co.jp
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